チーズとは?
チーズには、ナチュラルチーズとプロセスチーズの2種類があります。
ナチュラルチーズ
牛、羊、山羊などの生乳に乳酸菌や「レンネット」と呼ばれる凝乳酵素を加えて凝固させ、そこからホエイ(乳清)を取り除いて乳酸菌やカビなどを付着させて発酵させて作られます。
生きているチーズなために熟成させて食します。また食べごろがあります。
代表的なものに
フレッシュチーズ(モッツアレラ)、白カビチーズ(カマンベール)、ウォッシュチーズ(エポワス)、シェーブルチーズ(クロタン・ド・シャヴィニョル)、青カビチーズ(ゴルゴンゾーラ)、セミハードチーズ(ゴーダ、チェダー)、ハードチーズ(パルミジャーノ・レッジャーノ)
などがあります
プロセスチーズ
ナチュラルチーズを砕いて乳化剤を加えて加熱、再成型させて作られます。加熱により乳酸菌は死滅しているので塾生は止まるために風味が変化しにくく、ナチュラルチーズより保存性が優れています。
スライスチーズや6Pチーズ、キャンディチーズでおなじみです
チーズの栄養
タンパク質、脂肪、カルシウムを豊富に含み、疲労回復のビタミンB2や目や粘膜保護するビタミンAを含みます。
チーズの歴史
今では世界中の食卓で楽しまれているチーズですが、その歴史や起源はどのようなものでしょうか?調べてみました。
チーズの起源
アジアにルーツがあるという説が有力とされていました。
紀元前3世紀ごろから古代モンゴル族は家畜の乳を利用して食品を作っていました。現在も残るモンゴルの代表的なチーズ、低脂肪・高たんぱく、長期保存ができる「ホロート」がルーツとも言われています。チベットやネパールでもヤク、水牛、山羊の乳から古くからチーズを作っていました。
ですが、最近の研究では最古のチーズは、7500年前のポーランドで陶器の破片から発見された、山羊の乳のチーズ(シェーブルチーズ)であるということわかってきています。
シェーブルチーズ西アジアからヨーロッパへ
ギリシャ
西アジアで生まれたチーズはトルコを経てギリシャに伝わりました。
山岳地帯のギリシャは牛ではなく、山羊や羊のチーズが作られます。ギリシャでは神の供物としてチーズを神殿に捧げました。
イタリア
紀元前1000年ごろ、高度なギリシャ文明を持つエトルリア人が海路より北イタリアのロンバルディア地方にチーズを伝え、パルミジャーノ・レッジャーノやゴルゴンゾーラの原型となるチーズが作られました。アルプスを源流とするポー川流域では水牛の乳から作るモッツアレラが生まれました。
イタリア南部では耕地が少ないため山羊や羊の乳でチーズは作られました。イタリア最古のチーズ、羊乳の超硬質チーズ、ペコリーノ・ロマーノにはローマ創建の王、ロムルスにまつわる伝説があります。
ペコリーノ・ロマーノティベル川に捨てられたロムルス王は狼の乳を飲んで助かり、その後羊飼いの夫婦に育てらます。そのころにロムルスが羊の乳から作ったのがペコリーノ・ロマーノだと言われています。
その逸話を裏付けるようにローマの博物館には乳を飲ます狼の銅像があるそうです。
フランス
ローマ軍はアルプスを越えてガリア(現在のスイス、ベルギー、フランスの大部分)地域を征服します。征服した地域にはローマの文化が導入され、チーズやワイン作りの技術もガリア人によって伝えられました。
フランスのもっとも古いチーズは2000年前から作られたロックフォールとカンタルです。これらのチーズは古代ローマの博物学者プリニュスが「博物誌」の中で高く評価しています。
ロックフォール山岳地帯と豊かな平野をもつフランスの風土でチーズの技術は花開き、世界一バラエティ豊かなチーズ王国が生まれることとなりました。
ヨーロッパのチーズの作り手
今から1世紀ほど前まではヨーロッパの国々ではチーズ作りは主婦の仕事のひとつとされていました。
フランスでもひときわ有名なカマンベールもカマンベール村の主婦が発明しました。イギリスのスティルトンやデンマークのハバーティも農家の主婦が作り出したものです。
ヨーロッパではチーズは古くから庶民によって生み出され、その伝統的な製法は身近で重要な食材として長く大事に受け継がれていきました。
日本のチーズの歴史
日本で最初に作られたチーズは「蘇」といいます。延喜式(えんぎしき:平安時代中期)にもその製法がしるされています。
典薬寮の乳牛院という機関で作られ、神様に捧げられました。乳を相当に煮詰めた製品でかなり高価なために天皇や貴族にしか口にすることができませんでした。
この蘇を発酵させて作られたのが「醍醐」です。バターオイルのような味わいだったようです。
その後、武家社会になるや牛は農耕や軍役に利用されるために蘇や醍醐は作られなくなります。
再びチーズが作られるようになったのは江戸時代徳川吉宗の時代です。インドから乳牛3頭が送られ、白牛酪という蘇と同じものが作られました。
11代将軍家斉はオランダからチーズを輸入しています。
日本でのチーズの本格的な製造は明治8年北海道で始まりました。明治37年に函館のトラピスチヌ修道院がチーズを製造。昭和3年に現在の雪印メグミルクとなる北海道製酪組合連合会がチーズの試作を開始し、昭和4年にブリックチーズを経て瓶入りのスプレッドタイプのチーズを販売しました。昭和9年にプロセスチーズ450gを販売するも当時の生産量は20~30トン足らずでした。
昭和の初期からチーズは販売されていましたが、昭和26年までの日本では年間平均消費量は10gにも満たないものでした。
しかしピザやチーズケーキによりチーズが料理に使用されて食卓に浸透し、昭和50年には日本のチーズの消費量は63,000トンと飛躍的に伸び、昭和61年にはそれまでなじみのなかったナチュラルチーズもプロセスチーズと同程度の消費量となりました。
農林水産省によると平成27年度の日本人の年間チーズ消費量は2.4㎏となりました。
意外と簡単!モッツアレラチーズの作り方
・生乳を65度で30分保温し、32度まで冷ます
・レンネットを加えて30分置き、凝固させる
・固まったら小さく切断してホエー(水分)を取り除く
・42度で湯煎しながら固まったカードを引きちぎりながら伸びることを確認する
・70度のお湯に浸してへらなどでカードを丸める
・丸めたカードを塩水に1時間浸し、その後一晩寝かせると完成!
意外に簡単にチーズは作ることができます。
チーズの美味しさにはまっている人、次は手作りチーズの時代がくるかもしれませんよ。
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