健康

糖質制限ダイエットについて調べてみた

いつの時代もテレビや雑誌で必ず特集が組まれるダイエット

さまざまなダイエット方法を試し、成功してはリバウンドを繰り返し、“万年ダイエッター”なんて言う人も多いのではないだろうか。
今回は、巷で話題の「糖質制限」について調べてみた。

糖質制限ダイエットについて調べてみた

糖質とは

そもそも糖質とは、三大栄養素 のひとつである。

三大栄養素とは、肉や魚に多く含まれる「タンパク質」。サラダ油やバターなどの「脂質」。ごはんやパンや麺類に多く含まれる「炭水化物」からなり、人間の生命維持や身体活動に欠かせないエネルギー源だ。

ちなみに「炭水化物」は「糖質」と「食物繊維」からなる栄養素であり、「食物繊維」は排泄され体内には残らないため、ここでは「炭水化物≒糖質」として記述していく。

人間にとって欠かせないエネルギー源である「糖質」を制限しても問題ないのだろうかと疑問に思う人も多くいるだろうが、摂りすぎることでさまざまなトラブルを引き起こすのだ。

まず、血糖値の急上昇によりインスリンの増加でぶどう糖が「中性脂肪」に変わり、さらに「体脂肪」として過剰にたまることによって「肥満」となる。
また、余分な糖質とタンパク質が結合することによって、血液をドロドロにする原因にもなっており、動脈硬化や糖尿病を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こしかねない。

糖質制限とは

糖質制限とは、血糖値を上げないように注意しなくてはならない動脈硬化や糖尿病患者に対して行う食事療法だったが、肥満に悩む人にも効果があることからダイエット法として近年爆発的な人気を誇っている。

前述のとおり、糖質は人間に欠かせないエネルギーである。もちろんやみくもに糖質を制限すればいいわけではない。その他の栄養素とのバランスと摂取カロリーをきちんと守ることが成功への近道だ。

PFCバランスと摂取カロリー

三大栄養素のバランスについてだが、厚生労働省は1日の摂取カロリーに対して、

タンパク質を13~20%」「脂質を20~30%」「炭水化物(糖質)を50~65%

と推奨している。

この三大栄養素のバランスをそれぞれの頭文字「Protein(タンパク質)」「Fat(脂質)」「carbohydrate(炭水化物)」を摂り、「PFCバランス」と呼ばれることが多い。

ちなみに、タンパク質と糖質は「1gあたり4kcal」で、脂質は「1gあたり9kcal」である。

また摂取カロリーについては、これまで流行ったダイエット方法の中でもたびたび耳にする機会があったと思う。食事をすることで取り入れられる「摂取カロリー」が、生活の中で使われる「消費カロリー」よりも多ければ痩せるという理論は今も昔も変わらず提唱されている。ちなみに1kg脂肪を減らすのに必要なカロリーは7200kcalと言われている。

年齢・性別・運動量でそれぞれ消費カロリーは異なるが、「いつまでに何kg痩せたいか」目標があれば、摂取カロリーを定めやすいだろう。

糖質制限ダイエットのやり方

前述した厚生労働省が定めているPFCバランスは、日本人の食事摂取基準としてのものであり、糖質制限ダイエットでは一般的に

タンパク質を35~40%」「脂質を20~30%」「炭水化物(糖質)を20~40%

としているものが多い。

1日の摂取カロリーを1500kcalと定めた場合、タンパク質は130g~150g、脂質は33g~50g、糖質は75~150g摂取できることになる。

具体的な食べ物で例えると、

タンパク質は鶏むね肉であれば600g~700gほど、脂質はアボカド2つほど、糖質はご飯であれば1膳半~2膳ほど、食パンであれば6枚切り3~5枚ほど

である。こうして見ると肉や魚のたんぱく質をかなり多く摂ることができ、主食も普段より少し控えるだけで簡単にダイエットが行えるように思える。

しかし糖質は、主食と呼ばれるごはん・パン・麺類などのほかにも多く含まれる食品がある。代表格としては砂糖を多く使ったスイーツやお菓子である。また、一見ヘルシーなイメージの強い春雨や果物・根菜類にも糖質が多く含まれているため、注意が必要だ。

糖質制限ダイエットの強い味方

肉や魚を多く摂ることができるとはいえ、主食やスイーツ、さらには調理する際に必要な砂糖やみりんも制限しなくてはならない糖質制限ダイエット。案外単純なものではなく難しいのでは、と感じた人も多くいるかもしれない。

しかし糖質制限ダイエットが流行している今、スーパーマーケットやコンビニなどでも糖質オフの商品が多く並んでおり、大手外食チェーン店でも同様のメニューがあるため糖質制限ダイエットを行う人にとっては強い味方といえる。

また、タンパク質についても近年のフィットネスブームから、プロテインを気軽に購入できるようになったため、肉や魚、大豆製品などの食品から多くのタンパク質を摂ることに不安を感じる人でも問題なく1日必要量を摂ることが可能である。

おわりに

今回は、糖質制限ダイエットについて調べてみたが、一昔前に流行した「寒天ダイエット」「キャベツダイエット」のような一つの食品を食べ続けるという危険なものではなく、バランスの取れた食事が必要であるということを提唱したダイエット法であるといえる。

もちろん最初からカロリーや栄養素を厳密に計算し、食事を行えることが一番いいのだが、ダイエット初心者にとっては気が滅入る作業だろう。まずは、いつも購入する商品を糖質オフ商品にシフトしてみることから始めてもよいかもしれない。

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草の実堂編集部

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草の実学習塾、滝田吉一先生の弟子。
編集、校正、ライティングでは古代中国史専門。『史記』『戦国策』『正史三国志』『漢書』『資治通鑑』など古代中国の史料をもとに史実に沿った記事を執筆。

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