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ナチス・ドイツの勲章について調べてみた

ナチス・ドイツの勲章

ナチス・ドイツはその行為に反して、今でも制服や装備などに憧れるものは多い。
ヨーロッパにおいては現在でもタブーとする国も多く、ナチス・ドイツの制服を扱った書籍は輸入禁止とされることもある。
それでも先鋭的なデザインや、機能性の良さに惹かれるのだろう。

そのなかでも、多数の種類を誇る勲章はどのようなものがあったのだろうか?
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ナチスによる勲章の設立まで

ナチ党が政権を握る以前、ドイツ帝国時代ではプロイセン国王である帝国軍総司令官から授与されていた。
第一次世界大戦の敗北によりドイツ帝国が崩壊したドイツでは、ヴァイマル憲法(ワイマール憲法)によって栄典や勲章の授与、国民が外国から授章することを禁止した。

ナチ党が政権を掌握すると1933年4月7日、称号勲章法が制定され、勲章や称号を与えることが認められるようになる。1937年には勲章・称号授与の権限は総統に独占的に認められることとなった。

つまり、アドルフ・ヒトラーの意思により自由に勲章を与えることが出来たのである。勲章の授与により兵の士気を高めることが目的であった。そのため、第二次世界大戦が勃発するとその種類も新たな戦功勲章が設立された。

勲章の種類

大戦中に設立された勲章には様々な種類があり、ナチス以前のプロイセン王国の時代から存在するものも引き継がれた。そのなかでも最高位勲章は、ドイツに対する最高の貢献を認められたものに授与された。前線での戦闘だけではなく、後方での活躍も対象とされる。

その最高位は「大鉄十時星章(だいてつじゅうじほししょう)」だ。


※プロイセン王国時代(1914年)アドルフ・ヒトラーと握手をするヒンデンブルク。左半身真ん中あたりで佩用している勲章が大鉄十字星章。

プロイセン王国における最高位の軍事功労章である。その後、ナチス・ドイツでも制定されたが、受章者はいなかった。それは、ナチス・ドイツが制定した大鉄十字星章が、ドイツが第二次世界大戦で勝利した際に最も活躍した軍人へ授与する予定であったためである。


※大鉄十時星章

そのため、ヒトラーの右腕ともいわれたヘルマン・ゲーリング元帥も一階級下の大鉄十字章授章にとどまっている。最高の軍事功労賞として設立されながらも、授章するものがいない幻の勲章となった。

こうした最高位勲章の下に「優れた軍功により与えられる勲章」として4種類の騎士鉄十字章がある。そのなかでも柏葉・剣付騎士鉄十字章は、159名のドイツ人と1名の日本軍人が授章しているが、その日本人こそ山本五十六であった。


※騎士鉄十字章

さらにその下には、戦闘における功績や勤続によるもの、戦傷により与えられる勲章などが存在し、所属組織によっても勲章が分けられていた。

主な授章者

ミハエル・ヴィットマン(Michael Wittmann、1914年4月22日 – 1944年8月8日)

ナチス・ドイツ親衛隊(SS)の隊員であり、戦車撃破数138両のエースである。連合軍のノルマンディー上陸後、イギリス軍がヴィレル・ボカージュに差し掛かったことを知ったヴィットマンはすぐに行動可能な戦車に乗り、単独で多くの敵車両を撃破した。
この戦いにより、1944年6月には総統官邸においてヒトラー自らヴィットマンに柏葉剣付騎士鉄十字章を授与した。これは最高位勲章のひとつ下にある勲章である。


※柏葉剣付騎士鉄十字章

エーリヒ・アルフレート・ハルトマン(Erich Alfred “Bubi” Hartmann, 1922年4月19日 – 1993年9月20日)

空中戦での撃墜機数戦史上最多を誇る、ドイツ空軍のエースパイロット。
対ソ連戦において一撃離脱戦法で撃墜スコアを重ね、1944年8月25日に前人未踏の300機撃墜を達成した。
ハルトマンは初陣から約5ヵ月間で5機を撃墜し、その後もスコアを伸ばすとソ連空軍からは「黒い悪魔」と恐れられるようになった。この頃にはパーソナル・マーキング(固体識別模様)として機首に黒いチューリップの花弁を描いていたが、それを見て逃げ出すソ連機が増えたため、撃墜スコアが悪化してしまうという事態もあった。
1944年3月には301機の撃墜数を讃え、ヒトラーから柏葉・剣・ダイヤモンド付騎士鉄十字章を授与される。

ハンス=ウルリッヒ・ルーデル(Hans-Ulrich Rudel, 1916年7月2日 – 1982年12月18日)

爆撃機パイロットとして、対ソ連戦で戦車500両以上と800台以上の車両を撃破した。さらに爆撃機で9機の戦闘機を撃墜しているため、エースパイロットの一人にもなっている。エースパイロットは通常、機動性の高い戦闘機同士の戦いで多く勝った者に与えられる称号だが、ルーデルはより動きの鈍い爆撃機でこれを達成した。
彼の死が敵の宣伝になることを恐れ、何度も地上勤務に移動を命ぜられたが、彼はことごとく拒否、ヒトラー自身も説得をしたという。
全将兵の中で唯一「黄金柏葉剣付ダイヤモンド騎士鉄十字勲章」を授与された人物でもある。これは全軍でもっとも勇敢な軍人、12人にのみ授与される予定であったが、ルーデルの功績がずば抜けていたため、その後の授章者は現われなかった。

一説には、彼の功績に相応しい高位の勲章が存在しなかったために新たに作られたともいわれる。

デザイン

ナチス・ドイツの勲章が人気の理由のひとつにそのデザインがあるだろう。
アメリカ軍の勲章はメダルを基調にしたものやサイズ的にも留めるリボンとほぼ同じ幅のものが多い。
対してドイツ軍は高位のものになると大きさもあり、モチーフも十字と鉤十字の組み合わせ、鷲、剣、柏葉、ダイヤモンドとバリエーションが豊富である。そのため、現代においても名誉の象徴としてモチーフにされることも多い。


※アメリカ陸軍名誉勲章

アニメ「幼女戦記」において、主人公が銀翼突撃章なるものを授与されるが、現実に置き換えると、一般突撃章に相当すると思われる。

最後に

実際にはここでは紹介しきれないほどの勲章があることがわかった。
それほどあの戦争で多くの戦闘が行われた証である。ヨーロッパでは今もなお、ナチス・アレルギーが存在するが、こうして憧れを抱く日本が平和だということを再認識した。

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