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バー・パブ・バル の違いについて調べてみた

最近の飲食業界の傾向として「ちょい飲み」が流行っている。

仕事帰りなどに腰をすえて酒を飲むのではなく、一杯か二杯引っ掛けて帰るという感じだ。
それに伴って、パブバルといった業態も増えてきた。

酒を楽しむということなら日本には以前からBarバー)があったが、パブやバルとは何が違うのだろうか?

Bar(バー)

日本でも古くから馴染みのある業態である。
カウンターバーショットバーなどとも呼ばれるが、基本的には変わらない。バーテンダーがおり、接客から酒の提供まで行う形式が主である。

バーテンダーは、酒の知識だけではなく話術にも長けているほか、カクテルの調合技術を磨くために技能検定もある。しかし、バーテンダーそのものは特別な資格がなくても働けるので、高い技能を持つものはホテルのバーなどで働く場合が多いようだ。

厳密な定義はないが、カクテルを提供するために酒の品揃えも多く、カウンターのみの店と思えばいいだろう。そのため、女性と話すことを目的としたガールズバーなどは名ばかりの業態と言える。

バーの由来は諸説あるが、19世紀のアメリカの西部にあるという説が有名だ。西部劇などに出てくるサロンにおいて、荒くれ者たちを相手に店の主人が境界線替わりに丸太(バー)を置いたのが最初と言われている。

バー・パブ・バル

現在のバーはちょい飲みというより、ゆっくりと酒を楽しみながらマスターたちと談笑する場といったほうがいいだろう。なお、バーテンダーのことを「バーテン」と略す場合があるが、これは蔑称になるので控えるべきだ。

Pub(パブ)

バー・パブ・バル

イギリス発祥の酒場のこと。Public House (パブリック・ハウス)の略である。
これがアメリカではバーと呼ばれるようだ。
「飲み屋」というよりも、地域の人たちの「社交場」という存在である。その点では、バーよりもカジュアルで日常の楽しみとなっている。仕事帰りにビールの一杯でも飲んで癒されて帰る。そんな感じなのだろう。

提供される酒の種類もカクテル以外はバーとあまり変わらず、カウンターだけでなくテーブル席もある。男性客だけではなく、老若男女問わず人気があるようだ。元々はB&Bのような簡易宿泊所の機能も備えていたが、18世紀から19世紀頃に現在の形態に近付いたようである。

イギリスの小さいパブでは食事は一切出さずにつまみ程度しか置いてない。しかし、最近はローストビーフなどの簡単な料理(作り置きのもの)を出す店もある。

バー・パブ・バル

パブの大きな特徴として、立ったまま飲むことが多く、カウンターで注文したら商品と引き換えにその場で清算する形式だ。日本でもこうした英国風パブが増えており、その代表的な店がチェーン店のHub(ハブ)である。

Hub公式HP → http://www.pub-hub.com/

Bar(バル・バール)

バー・パブ・バル

綴りは英語のBarと同じだが、スペイン語で「バル」、イタリア語で「バール」と発音する。
イタリアのバールは簡単な食事を提供するカフェのようなもので、エスプレッソやカプチーノをカウンターで立ち飲みするスタイル。そのため日本のバルのような酒を楽しむ店という意味ではスペインのバルのほうがあっている。
地域やスタイルが違っても同じ呼び方をするのは南ヨーロッパ圏に属するからだ。

スペインのバルはバーと食堂が一緒になった飲食店である。ビールやワインといったアルコールだけでなく、コーヒーなどもあってタパスアヒージョなどのつまみの種類も豊富だ。

スペインでは地域のコミュニケーションの場にもなっていて、朝や昼はコーヒーでランチを、夜は仕事帰りに一杯といった感じでこちらもパブ同様、日常の一部になっている。そういった点では、パブとレストランの「いいとこ取り」といった感じだ。日本におけるバルとは主にこのスペイン・スタイルが主流だが、最近では洋風居酒屋がバルと名乗っている店も多い。

楽しみ方

3つの業態を調べてみて、それぞれの楽しみ方が分かった。バーはゆっくりと酒を楽しむ店。パブはワイワイ話しながら気軽に酒を飲む。バルは洋風居酒屋なので気の置けない仲間と美味しい料理を食べながら酒を楽しむのがいいだろう。

そこでもうひとつ気になったのが、バーの種類と楽しみ方だ。

私の体験からしても、意外と「バーは敷居が高くて入ったことがない」という人が多かった。しかし、私に言わせれば「バーほど気楽なところはない」。それというのも、バーテンダーが客に目を配ってくれるからである。

一部の高級ホテルのバーラウンジなどは緩めのドレスコードはあるものの、最高のもてなしをしてくれる。適度な距離で話し相手になってくれ、ひとり客同士を会話に混ぜて繋げてくれることもある。
カクテルや洋酒に詳しくなくても、わからないことは聞けばいい。嫌な顔をせずに教えてくれるから、客としては気楽なものだ。

もちろん、そういった高級な場所でなくても基本的にバーとはそういう店である。多くが口コミやリピーターで営業しているので、一見の客でも大切にしてくれるわけだ。逆に常連だけを特別扱いするような店は長くは続かない。

初心者にこそバーの良さを知ってもらいたい。

最後に

どの業態でも「ちょっとお洒落で入りづらい店」というものがあるだろう。しかし、酒好きではなくても気軽に入れる店ばかりだ。
私も飲み会の集合時間までの時間つぶしにパブでビールを一杯、なんて使い方もする。どの業態もコミュニケーションの場と考えて、あとは気軽に酒を楽しもうじゃないか。

 

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コメント

  1. アバター
    • 大納言
    • 2020年 3月 05日

    「酒好きではなくても気軽に入れる店ばかりだ」それは上戸の人の押しつけである下戸に対する冒涜です。
    下戸にとってはどんなに気軽と言われようが居心地の悪さを伴う苦痛と飲酒強要による死の恐怖感を抱く場所でしかないのです。
    あなたのような考えの人が無意識にアルコールハラスメントを蔓延させているのです。このコメントは日本という酒社会では落伍者の烙印を押された下戸の単なる嘆きなので非公開で結構。あなたが好き勝手に意見を言うのも自由なので、こちらも好き勝手にあなたの無慈悲な意見に反論したまでです。

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