乗り物

タッチでGo!新幹線【ICカードで乗れる新サービス】

2018年4月から東北・上越・北陸新幹線の乗り方が大きく変わります。

在来線と同じように、自動改札機にSuicaなどの交通系ICカードをタッチするだけで利用できる「タッチでGo!新幹線」が始まるんです。

タッチでGo!新幹線 がスタート

タッチでGo!新幹線

駅で切符を買わずに新幹線に乗れるサービスとしては、10年前から「モバイルSuica特急券」がありました。ただし、おサイフケータイなどのモバイル決済に対応した携帯電話が必要な上、ビューカード以外のクレジットカードを使う場合は税込み1,030円の年会費が必要。このために普及しているとは言いがたい状況です。

一方、タッチでGo!新幹線は年会費が不要。初回のみ、首都圏のSuicaエリア内の自動券売機で利用開始登録をする必要がありますが、以降は改札にタッチするだけで自由席に乗車できます。利用額はチャージ残高から差し引かれるため、事前に多めにチャージしておいたほうがいいでしょう。

利用エリアは東京を中心に、東北新幹線は那須塩原(栃木県)、上越新幹線は上毛高原(群馬県)、北陸新幹線は安中榛名(群馬県)まで。現在首都圏に限られているのは残念ですね。

モバイルSuica特急券との違いは?

さて、「モバイルSuica特急券」と「タッチでGo!新幹線」をもっと比べてみました。

 

「モバイルSuica特急券」
○利用区間:東北・北陸・北海道・秋田・山形・上越各新幹線(全線)
○利用設備:指定席、グリーン車、自由席
○乗車時のICカード:モバイルSuica、Apple Pay
○支払い方法:登録したクレジットカード
○年会費1,030円(ビューカード、Apple Payを利用した場合は無料)
○料金例:東京~宇都宮(指定席)で4,210円(在来線は別払い)
結果は、紙の切符より720円安くなります。

「タッチでGo!新幹線」
○利用区間:東北新幹線(東京~那須塩原)、上越新幹線(東京~上毛高原)、北陸新幹線(東京~安中榛名)
○利用設備:自由席
○乗車時のICカード:交通系ICカード(Suica、PASMO、ICOCAなど10種類)
○支払い方法:ICカードのチャージ残額
○年会費:なし
○料金例:東京~宇都宮(自由席)で4,210円(在来線は別払い)
結果は、紙の切符より200円安くなります。

タッチでGo!新幹線は利用エリアが首都圏にとどまり、自由席のみ。料金も切符より若干安い程度ですが、利便性ではモバイルSuica特急券より上なので、いざというとき、例えば遅刻しそうで新幹線のほうが早いときなどに使えそうです。

注意したいのは、料金は新幹線のみで、在来線の運賃は別途掛かる点があります。例えば、蒲田から東京まで京浜東北線に乗車して、そこから上越新幹線で熊谷まで向かった場合、タッチでGo!新幹線を利用すると、合計3,406円が差し引かれます。

これに対し、紙の切符は合計3,370円。特に新幹線を挟んで前後とも在来線に乗る場合は割高になる可能性が高いため、公式サイトにある料金比較サービスの利用が欠かせません。

タッチでGo!新幹線 →  公式HP

スマートEXは早特を狙え!

東海道・山陽新幹線にも同様に、切符を買わずにICカードで乗車できる「スマートEX」サービスがあります。

タッチでGo!新幹線との違いは、指定席への乗車が前提となっていて、事前にネット上で予約操作が必要な点と、料金は登録したクレジットカードで決済される点です。

しかし、スマートEXの割引額もおおむね200円程度。やはり在来線は別料金となるため、乗り継ぎがある場合は特になるかどうか微妙な額です。ただし、スマートEXには大きな魅力があります。乗車3日前までに予約すれば、大幅に料金が割り引かれる「早特商品」が使えるからです。

「EXグリーン早特」
○予約期限:乗車3日前まで
○対象列車:早朝の「のぞみ」と終日の「ひかり」
○対象設備:グリーン車
○料金例:東京~大阪で14,400円
結果は、紙の切符より4,830円安くなります。

「EXこだまグリーン早特」
○予約期限:乗車3日前まで
○対象列車:終日の「こだま」
○対象設備:グリーン車
○料金例:東京~大阪で11,200円
結果は、紙の切符より7,720円安くなります。

スマートEX → 公式HP

手軽さか安さか

さらに東海道・山陽新幹線にも専用ICカードかモバイルSuicaを使って乗車できる「エクスプレス予約」というサービスがあります。エクスプレス予約に対応したクレジットカードは一部の種類で、年会費は税込み1,080円。東京~大阪の指定席利用だとスマートEXの200円に比べて、1,080円も紙の切符より安くなります。

タッチでGo!新幹線もスマートEXも割引額が少なく、あまりおトクには思えませんが、どちらも魅力は手軽さにあります。モバイルSuicaやApple Payを利用することが少ない場合や、頻繁に新幹線を利用せず、急に使うことになった場合などは便利ですね。

ちなみに、どのサービスも在来線との乗り継ぎで紙の切符のほうが安くなる場合の理由としては、山手線圏内などの在来線が往復切符の場合に無料になるためです。

まとめ

タッチでGo!新幹線は、クレジットカードを持っていなくても新幹線に紙の切符を使わずに乗れる唯一のサービスです。JR西日本でも今夏にICOCAエリアを拡大して、大阪を中心に北陸・山陰・山陽・四国までの一部区間の在来線特急がICカードで乗車できる予定です。

新幹線全体としては、今後はクレジットカードを使わない、持っていないような人にも手軽にICカードだけで利用できるような方向へ向かってゆくようです。

関連記事:「新幹線について調べてみた

Amazon:『改札やレジも心配なし! ICカード読み取りエラー防止シート』

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