中国人にとっての結婚とは
中国人の親は自分の子供の結婚に関して、ある意味日本人より強い関心をもっている。
大学を卒業すると、早い段階で子供に結婚を強要する親が多いのである。
そして中国人の若者たちは、春節にはまるで義務かのように帰省する。
実家に帰って春節を家族で過ごすのである。
以前、筆者が中国に住んでいた時、中国人の友人が「帰省するのが憂鬱だ」と話していた。
理由を聞いてみると
「帰省するたびに結婚について質問される。結婚はいつか?彼氏はいるのか?どんな人か?いつ挨拶に来るのか?」
等の質問が続くという。
中国の多くの若者は帰省するのを億劫に感じてるという。結婚に関しての質問や圧力が必ずやってくるのだ。そして親の言う通りに結婚したとしても、質問は絶えないという。
「孫はいつ抱けるのか?⇨孫はどの学校へ入れるのか?⇨2人目はいつか?⇨孫はどの大学へ入れるのか?⇨孫はいつ結婚するのか?」
質問責めは永遠に終わらないのである。
結婚の基準
中国では法的には男性が22歳、女性が20歳で結婚できる。
お互いが同意していることが必要であり、何者も結婚を強要することはできない。
結婚登録に行くと、2人が結婚したという「結婚証明書」が発行される。2人の写真が入ったパスポートのような証明書である。
そして離婚すると「離婚証」も発行されるのである。これもまたパスポートのような形である。
中国の結婚率と離婚率
2014年から、中国人の結婚率は毎年下がっているという。
2021年には約760万人が結婚したが、1986年に記録を始めてから最低の数字となっている。
結婚率が下がっているのは世界的な傾向である。中国でもいくつかの理由から結婚率が下がっている。
女性に関しては、経済的に独立した女性が増えたことで結婚しない人が増えている。
男性も仕事が忙しく競争率が激しい事から、恋愛したり結婚したりする時間がないということだ。日本とさほど変わりない社会現象であり自由を求める若者が増えている傾向にある。
20歳から24歳の若者の結婚率は2005から2010の間で、47.0%から18.6%にまで下がった。
離婚冷静期とは
離婚率についてはどうだろうか?
2021年1月1日から中国では「離婚冷静期」というものが民法で制定された。
これは離婚の前に30日間の考慮期間を与えるというものだ。
離婚には五つのステップがあり「申請、受理、冷静期、審査、登録」このステップを踏んでようやく離婚が成立する。
この離婚冷静期は様々な波紋を呼んだ。なぜならDVで苦しんでいる女性の逃げ道を断つことになりかねないからだ。
だが、この冷静期があることで安易な離婚を思い留まることもできる。冷静期にもう一度話し合い考え直す時間になるという。
実際2021年には213組が離婚したが、前年比にすると43%も離婚は減少した。
結婚観は世界的に時代と共に変わってきている。時代に合わせてより自由に生きられる人生を選択する人が増えている。
しかしそれと同時に高齢化社会、少子化などの問題も起きているのも事実である。
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