台湾人が恐れる小さな吸血鬼とは?
台湾在住の筆者は、何年もこの虫に悩まされている。
日本の有名人では、いとうあさこさんが台湾に行った際に刺されて大変だったということで、少し話題となった。
これは小黒蚊(シャオヘイウェン)という蚊で、普通のマダラカなどと違ってとても小さい。ノミの大きさと大体同じだ。
そして日本にいる「ブト」とも違う。
田舎だけでなく市内にもたくさんいて、そっとやってきては血を吸って去っていく。
そして困ったことに普通の虫除けが効かないのである。本当に効かないのだ。
筆者は体質からか蚊に非常に好まれる。友人は私といると小黒蚊に刺されないので安全だとタカをくくるくらいだ。
この小黒蚊の恐ろしいところは、刺された後、かゆみが何ヶ月も続くことである。これは個人差もあるだろうが、筆者は少なくとも二ヶ月は続く。入浴後、運動後など体が温まった後にものすごく痒くなるのだ。
そして刺された傷からは透明の液体が出る。まるで彼らの毒がまだ体内に残っているかのようだ。
ほとんどの場合、刺されても痛みがないのですぐには気が付かない。だがしばらくするとどんどん腫れてくる。しかも絶対に一箇所では済まず、一度に数十箇所も刺されるのである。
筆者は台湾に来たばかりの頃、何も知らずに戸外活動をしてしまった。そして約1時間ほどで両足で60箇所以上も刺されてしまったのである。
台湾人もこの小さな吸血鬼に悩まされていて、小黒蚊専用の虫除けや痒み止めが販売されている。
小黒蚊とは?
小黒蚊の学名は「Forcipomyia taiwana」、日本語では「ヌカカ」、台湾では小黒蚊『シャオヘイウェン』と呼ばれている。
小黒蚊は、台湾本土に生息する吸血性の昆虫である。
1931年、日本の昆虫学者である素木得一氏が台湾中部にて発見し、「台湾鋏䣅」と名付けた。
彼らは大体1.4mmととても小さくマダニの半分くらいの大きさだ。
胡麻粒よりも小さいので、網戸の網目を通って部屋に入ることも可能で、目の細かい網戸を使用しなければならない。
メスは血を吸ってから3〜5日後に卵を産み、幼虫は3〜4週間で成虫になり、成虫の寿命は2〜6週間である。オスは普通のマダラカと同じように木や花の蜜を吸う。
15〜30度が彼らの生息に最も適した気温で、梅雨の時期あたりから出没し始める。台湾は冬でも滅多に15度以下になることはないので、一年を通して繁殖することができるとされている。
最も数が増えるのは春から夏に入る時期で、主に4月から10月くらいまで活動する。
1日のうちでは午前11時から午後3時くらいまでの時間が最も多い。
見かけは小ばえの様で、一見血を吸う昆虫に見えない。そして彼らは高く飛ぶことはできないので、家の2階以上には出没しないと思って良い。
小黒蚊は一般的な蚊と違って、一箇所だけではなく少しずつ、一度に何箇所も刺すことが特徴である。
追い払われない限り何箇所も吸い続け、お腹いっぱいになってようやく離れるのである。
小黒蚊に刺されるとどうなる?
前述したように、小黒蚊に刺されると非常に激しい痒みに襲われる。
そして赤く腫れ上がり、だんだん広がってくる。
アレルギー体質の人はさらに注意しなければならない。時には病院に行って点滴しなければならないほどの症状の人もいる。
刺されすぎると命の危険もあるという。ある人は刺された部分が一般成人の拳ほどに腫れ上がったそうである。
激しい痒みのために掻きむしると、さらに細菌に感染してしまう恐れもあり、痒みがあっても掻きむしってはいけない。
小黒蚊をどうやって防ぐ?刺された時の対応は?
それでは小黒蚊に刺されないためにはどうしたら良いのだろうか?
まずは体を徹底して露出させないことが大切である。長ズボンを履いていても少し露出している足首の部分を狙ってくるので、少し厚めの靴下が効果的だ。
一般に売られている虫除けスプレーは効果がないと思っていい。筆者もいくつか試してみたが、あまり効果がなかった。
まず予防のためには、台湾のドラッグストアや雑貨店で売られている「小黒蚊専用」の虫除けスプレーを買ってみると良い。
他のおすすめとしては、筆者も愛用している「COSWAYのピンクのチューブに入ったボディローション」である。
これが何とも効果大だ!
このボディローションは本来は体の保湿用なのだが、インターネットの評価によると「小黒蚊によく効く」とある。
偶然の産物なのかもしれないが、小黒蚊が嫌いな匂いだそうである。
筆者も試したところ、本当に効果がある。
価格も日本円で2,000円未満とお手軽価格だ。現在台湾在住の方や旅行に行く予定の方は是非試していただきたい。
とはいえ、日本では残念ながら販売していないので現地で購入するか、アメリカのAmazonやebayなどで購入するのが良いだろう。
COSWAY Designer Collection R Series Hand & Body Lotion
刺されてしまった場合の対処法は、台湾の薬局などで一般的に売られている軟膏が効果的だ。
「八仙剋痛青草油膏」という緑の軟膏で、ハッカと中薬の匂いがする。
大体どこの薬局にも売っているので、心配な方は買っておくと良いかもしれない。
価格は10gで200円くらいだ。これは、痒みにとてもよく効き、アセモなどにも効く。
最後に
小黒蚊は台湾にいる小さな吸血鬼と言って良い。
台湾に旅行をお考えの方は、注意しておいた方がいいかもしれない。
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