精神疾患
精神疾患は、世界的に増加傾向にあり問題となっている。
日本でも近年、多くの人が精神疾患を抱えている。さらに若者の自傷行為や自殺数は増加傾向にあり、芸能人が突然命を絶つといったニュースも頻繁に耳にする。
この現象は、ある一定の国や地域だけでなく、世界的な問題となっている。
世界人口の3%が、うつ病にかかっているとされている。
アメリカのある医療団体によると、女性5名のうち、一生に一度うつ病の発作を起こす確率はなんと10~25%もあるという。男性は5~12%であった。
台湾でも同じように社会現象になっており、国による対策が求められている。
2019年の調査では、精神疾患により精神内科にかかった人の人数は280万人、男性は122万人で全体の44%を占め、女性は158万人で全体の56%であった。
15歳以上の8.9%の人が中度以上のうつ病を患っており、5.2%が重度のうつ病を患っている。
2022年の台湾衛生局の報告によると、15歳から24歳の若者の死因の第2位は自殺であった。
2014年から2022年の間に、25歳から29歳の自殺率は53%の増加、20歳から24歳は90%の増加、15歳から19歳はなんと137%の増加であったという。
2022年の自殺者数は、3787で前年より202人、5.6%の増加となった。
特に若者の精神疾患の原因は、インターネットやSNSなどの使用が原因であるという報告がなされている。
日本においても近年、10~19歳の自殺者数は増加しており、特に令和2年は女性の20~29歳、30~39歳及び40~49歳の自殺死亡率の上昇が大きく、令和3年も高い水準となっている(※厚生労働省~若年層の自殺をめぐる状況より)
台湾の大学が行う「心の休暇」
台湾では、若者のストレスや精神疾患の問題に対して、いくつかの大学が対策をとり始めた。
学生は「心の休暇」をとっても良いことになるそうだ。
「心の休暇」が必要と感じた生徒はまず、各大学の相談センター(保健室のようなところ)に相談に行く。そして三日の休暇を申請できる。
だが三日間、家でダラダラしていいというわけではない。必ず医者に行って診察してもらう必要がある。医療機関の報告結果を見て、学校側がさらに休暇が必要かどうかなどの判断を行うという。
「心の休暇」を申請する学生は、自分の精神状態を認めて周りに知らせることで、早急に処置できるという利点がある。
正式な名目で学校を休むのであれば、罪悪感にかられることもなく何かの憶測でレッテルを貼られることもない。学生側からの一種のSOSとなるのだ。
正式に休暇をとって心の深呼吸をすることで、学校や家庭での早めのケアを受けられる。
学生の頃から「心の休暇」を申請し、自分の精神状態と上手に付き合っていくことで、将来社会と自分との距離をうまく保っていく準備になるのではないだろうか。
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