記録的な猛暑
今年も記録的な猛暑である。
アメリカの国家海洋大気庁(NOAA)の報告によれば、2023年7月6日から4日間連続で世界の平均気温が「史上最高記録」に達したという。
今年も暑く、日本でも40度近い気温が記録され、筆者が在住する台湾の屏東県でも記録的な猛暑が続いている。
台湾の電気代は日本に比べてかなり安いが、今年は昨年の2倍に値上がりしている。筆者も電気代節約のため、図書館で過ごすことが多くなった。図書館は満員御礼で、老人たちはクーラーの効いた快適な空間でお昼寝をしている。
台湾の最南端に位置する屏東県は一年中夏のような気候であるが、今年の暑さは特に異常である。
服やカバンもすぐに色褪せするほどの日差しの強さであり、現地の友人たちも「暑くて溶ける!」と嘆くほどの暑さだ。
2060年には、台湾に冬が訪れなくなる可能性も指摘されている。
熱中症
筆者は屏東県に引っ越してきて5年目だが、今年、初めて熱中症にかかった。
外は猛暑、室内は寒いほどのクーラーという環境の変化に、体がついていけなかったようだ。
突然の頭痛と寒気に襲われ、体感的には発熱しているように感じたが、実際の体温は平熱だった。体内に熱がこもって発散されない感覚が1週間以上続いた。初めは夏風邪だと思い風邪薬を服用していたが、一向に回復しなかった。
ついには朦朧とし始めたため、病院に行ってみると熱中症と診断され、点滴を受けることになった。
今年の夏の暑さは特別で、毎日多くの患者が筆者と同じ症状で病院を訪れているという。
珊瑚の白化
猛暑は海洋生物にも大きな影響を及ぼしている。海水の温度が上昇し、生態系に深刻な影響を与えているのだ。
2020年から2021年にかけて、台湾の約半分の珊瑚が酷暑の影響を受け、30%の珊瑚が白化するか、死亡して藻が生える状態になってしまったという。
水温が30度に達すると、珊瑚と共生していた生物が離れ、栄養供給が途絶えることで珊瑚は白化する。白化は警告状態であり、共生者を失った状態を意味する。そして、水温が32度を超えると珊瑚は死亡し始める。これ以上の水温上昇は、海洋生物にとって非常に危険な状態を招く。
異常気象により台風が少なくなると、海水が澱み、その結果として水温が上昇する要因ともなる。
7月24日現在、2つの台風が台湾付近に接近している。
台風の被害が最小限であることを願うと同時に、台風が海水を攪拌し、水温を下げる効果をもたらすことが望まれる。
参考 :
NOAA: July 2023 Global Climate Report
生態浩劫 台灣海溫上升 2020~2021逾3成珊瑚白化
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