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【妊娠中に2人目を妊娠】医師も驚愕!奇跡の「双子でない双子」を出産したレベッカ・ロバーツ

画像 : レベッカが暮らすイングランド・ウィルトシャー cc Nilfanion

2020年はじめ、イギリス南西部のウィルトシャーで暮らす39歳のレベッカ・ロバーツは、自宅で妊娠検査を行い、陽性反応を確認した瞬間、喜びに包まれた。

レベッカと夫のリースは、1年以上にわたり不妊に悩み続けていたため、今回の妊娠は待ち望んでいたものであった。

病院で初めて受けた超音波検査では、モニターに映し出された赤ちゃんの姿と安定した心拍音に、2人で深い感動を覚えた。

産科医はカルテに「単胎」と記載し、妊娠は順調であると診察していた。

しかし、妊娠12週目の超音波検査で予想外の事態が発生する。

検査技師がレベッカの胎内に、もう1人の胎児の姿を発見したのである。

さらに、その胎児は発育が遅れており、この時点で妊娠9週目に相当することも明らかになったのだった。

すでに妊娠している女性がもう1人妊娠する「重複妊娠」

画像 : もう1人妊娠していることを告げられたレベッカ イメージ 草の実堂作成

レベッカの想定外の事態に対し、担当のディビッド・ウォーカー医師は改めて丁寧に診察を行なった。

複数回のスキャンを実施し、数週間にわたる診察を経た末に、ウォーカー医師はこう結論づけた。

「彼女の妊娠は通常の双子ではなく、短期間で複数回の受精が起こった結果発生する、『重複妊娠』である。」

「重複妊娠」とは、すでに妊娠している女性が、さらにもう1人の赤ちゃんを妊娠するという非常に稀な現象である。

ウォーカー医師自身も当初は診断に苦労したという。

25年間産科医としての経験がある彼にとっても、これまで見たことのない症例であった。

ウォーカー医師はメディアの取材に対し、このように語った。

「2人目の胎児がはるかに小さかったため心配だった。

しかし、定期的なスキャンで、成長速度が常に3週間遅れているのを確認し、重複妊娠だと確信した。」

世界での「重複妊娠」の正確な症例数は不明だが、2008年に産婦人科および生殖医学の分野を対象とする国際的な学術雑誌『EJOGRB(European Journal of Obstetrics & Gynecology and Reproductive Biology)』に発表された報告によると、当時、世界で記録された事例は10件未満であった。

それから14年後の2022年には、レベッカが自身のYouTubeチャンネルで

「これまでに世界で記録されたケースは、私を含めて15件」

と報告している。

「重複妊娠」は不妊治療薬の影響の可能性も?

通常、女性は妊娠すると再び受精することを防ぐメカニズムが体内で働くが、レベッカの場合、それが機能しなかったと考えられている。

彼女の「重複妊娠」について、担当のウォーカー医師は次のように見解を述べている。

「レベッカは、最初の排卵から3~4週間後に再び排卵が起こり、それが受精し、子宮内に着床したと見られる。

不妊治療薬の影響も考えられるが、証明することは難しい。

2人の胎児の妊娠経過が心配だったが、どちらも成長速度が良好で、それが安心材料となった。」

「重複妊娠」という診断に驚いたレベッカとパートナーのリースは、自宅に戻るとすぐにインターネットで情報収集を始めた。

しかし、成功した重複妊娠の例や研究に関する情報はほとんど得られなかった。

それでもレベッカは、時間が経つにつれて、別々の時期に受胎した2人の赤ちゃんを身ごもっているという実感が日に日に増していったという。

子どもを望んでいた彼女たちにとって、2人の赤ちゃんを授かったことは大きな喜びであった。

妊娠後期、2人目の胎児の命の危機

しかし、この稀な状況に加え、レベッカが39歳という年齢であること、さらに双子妊娠に伴うリスクも重なり、妊娠後期に入るといくつかの困難が生じた。

とくに、後から受胎した胎児が生存できない可能性が懸念されるようになった。

通常の双子妊娠でも出産のリスクは高まるが、レベッカの場合、2人の胎児に3週間の成長差があるため、早産を選択することで小さい方の胎児に悪影響を及ぼす危険性があったのだ。

レベッカとウォーカー医師を中心とする医療チームは、出産のタイミングについて慎重に議論を重ねた。

 

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ところが、妊娠33週を少し過ぎた頃、小さい方の胎児のへその緒が正常に機能しておらず、成長が滞り始めていることが判明する。

医療チームは、当初の予定より早い時期ではあったものの、出産のタイミングが来たと判断したのだった。

別時期に受胎した赤ちゃんが同日に誕生した奇跡

2020年9月17日、レベッカは帝王切開で2人の赤ちゃんを無事に出産した。

最初に生まれた男児ノアは体重約2,100g、その2分後に誕生した女児ロザリーの体重は約1,100gであった。

レベッカはその瞬間をこのように語っている。

「生まれた直後に2人の顔を見ることができた。それは、本当に美しい瞬間だった。」

ところが、2人の赤ちゃんは誕生後すぐに新生児集中治療室(NICU)へ運ばれ、治療を受けることになった。

最初に妊娠したノアは約3週間で退院できたが、3週遅れで妊娠していたロザリーは、95日間にも及ぶ入院生活を余儀なくされたのだった。

レベッカ夫妻は毎日病院に通い、ロザリーに愛を送り続けた。

そしてクリスマス直前、ついにたロザリーを自宅に迎え入れることができたのだった。

ノアとロザリーが生後6ヶ月を迎えた頃になると、毎日が目まぐるしく忙しかったが、赤ちゃんたちが健やかに成長していく姿を見守ることで、夫婦の心は満たされていったという。

10万人のフォロワーに見守られる奇跡の2人

レベッカはメディアの取材に対し、次のように語っている。

「同じ日に生まれたとはいえ、2人の間にはたしかに年齢差を感じる。

その違いが私には、はっきりとわかる。」

夫のリースもまた、喜びを語っている。

「2人をプレイマットの上に並べて寝かせると、お互いを見つめ合い、手を伸ばして触れ合ったり、声を掛け合ったりしている。

その光景は本当に美しく、絆を感じる。」

レベッカは、双子であって双子でない2人の子どもの成長をInstagramで記録し続けている。

その物語に心を動かされた世界中のフォロワーは10万人近くにのぼり、日々応援の声が寄せられている。

「私たちは、人々に子どもたちが成長していく姿を見続けてもらいたいと思っている。

奇跡は起こり得る。私の子どもたちがその証拠だ。」

レベッカはこのように語り、多くの人々に希望を与えている。

参考 :
Woman gets pregnant while already pregnant, gives birth to twins conceived 3 weeks apart | The Washington post
レベッカ・ロバーツ Instagram
https://www.instagram.com/roberts.supertwins/ @roberts.supertwins

文 / 藤城奈々 校正 / 草の実堂編集部

 

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藤城奈々 (編集者)

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