大東亜戦争・太平洋戦域の日米開戦の勝敗分岐点「ミッドウェイ海戦」について、なぜ日本は負けてしまったのだろうか?
考えれば考えるほど悔しい戦いです。
戦後、アメリカの指揮官が「我々はラッキーだった!」と語ったほど、日本の勝てる戦いでした。
目次
ミッドウェイ海戦 に至る経緯
「ミッドウェイ海戦=ミッドウェー海戦」とは、1942年6月5日~7日に北太平洋のミッドウェイ海域にて戦われた日米海軍の戦闘です。
真珠湾攻撃で航空戦の幕開けを痛烈までに証明してしまった日本海軍は、正規空母6隻を駆使して占領区域の拡大を行ってきました。遠くインド洋まで派遣され、セイロン島空襲やイギリス艦隊との決戦を意図した作戦行動を行ってきました。
一方で、アメリカ海軍は主要艦艇を真珠湾で失い、空母勢力による「ヒットアンドアウェイ」戦法で4月に東京空襲を敢行します。
そこで、哨戒圏の拡大としてミッドウェイ及びアリューシャン列島の攻略が持ち上がります。
艦種 |
日本 |
アメリカ |
空母 |
4 |
3 |
戦艦 |
2 |
0 |
巡洋艦 |
3 |
8 |
駆逐艦 |
12 |
15 |
ミッドウェイ近海以外にも多数の艦艇が出動していた。特に日本海軍は戦艦中心の打撃部隊が後方に控えていました。
日本軍の敗因から探る
参加兵力は日本軍が圧倒的でしたが、ミッドウェイ近海に限定するとやや日本有利でといった程度の戦力です。
ミッドウェイ基地の航空兵力を勘案するとほぼ互角となります。
主な敗因
その1)日本海軍の暗号が米国に解読されていた。艦隊行動や参加兵力のおおよそが判明し、6月5日にどの地点まで進出しているかまで判明していた。
その2)第一次攻撃隊がミッドウェイ空襲を敢行するも効果不十分で「第二次攻撃隊の要有りと認む」との打電で待機中の空母攻撃隊の兵装を転換して時間を失う。
その3)空母の不足(4隻)と貧弱な輪形陣で対空警戒が疎かになっていた。後方の戦艦や巡洋艦と駆逐艦から増強が必要であった。
主なところでは3点列挙します。
他に空母機動部隊の指揮官が専門外であった南雲中将であったのも影響しています。
こうすれば勝てた~ミッドウェイ海戦
敗因の分析と対処
(敗因その1)
ミッドウェイ海戦の目的は、敵機動部隊殲滅とミッドウェイ島攻略という異なった目的を設定しています。それを、敵機動部隊の殲滅に絞るべきです。実際に、指揮官の南雲中将も攻撃隊の運用で迷いが発生しています。
敗因の1つに「暗号が解読されていたから」を挙げられますが、敵の機動部隊が出てこなければ勝負にならない。それなら、暗号が多少解読されているのは好都合と考えます。
(敗因その2)
攻撃隊隊長「友永大尉」の「第二次攻撃隊の要有と認む」が兵装転換を生んだことに成っているのですが、そもそも「兵装(雷装備→基地攻撃爆装)の事実は無かった」との説があります。これも、海戦の目的「敵機動部隊の殲滅」に絞られていれば、第二次攻撃は発生しませんでした。
(敗因その3)
戦力の集中で確実に勝利を重ねてきたのがナポレオンとモルトケのドイツ参謀本部です。ナポレオンは機動力の高い軍隊を率いて、包囲殲滅や中央突破を得意としていました。モルトケは鉄道網を利用して、戦力を集中する鉄道の専門家でもありました。
ミッドウェイ海戦の日本海軍の運用を観たら両将はどう思うでしょうか?
(敗因の3)を分析
当時の日本海軍は6隻の正規空母(赤城・加賀・飛龍・蒼龍・翔鶴・瑞鶴)の他に中小型空母4隻(隼鷹・龍驤・鳳翔・瑞鳳)が稼働していました。
今回はアリューシャン攻略を行わないので10隻全て参加兵力とします。5月の珊瑚海海戦もやらなくてよい戦いだったので止めておきます。そうなると祥鳳とレキシントンの復活です。
日本海軍の編成~兵力の集中を行っていきます。
空母の一括運用は防空戦闘機を厚くできますが、発見されると全容が明らかになってしまいます。
ここは、史実のアメリカ海軍のように3隻の空母を2つの部隊に分けていたのが理想的です。
日本海軍の部隊編成(仮想)ひたすら輪形陣を厚くします。
空母機動部隊 司令長官 南雲忠一中将
第一戦隊(赤城・加賀・蒼龍)
輪形陣 戦 艦 大和 重巡洋艦 8隻
軽巡洋艦 6隻 駆逐艦 24隻第二戦隊(飛龍・翔鶴・瑞鶴) 指令 山口多門少将
輪形陣 戦 艦 比叡 霧島 金剛 榛名 重巡洋艦 5隻
軽巡洋艦 6隻 駆逐艦 24隻第五戦隊(隼鷹・龍驤・瑞鳳・鳳翔・祥鳳) 指令 角田覚治少将
輪形陣 戦 艦 長門 陸奥 伊勢 日向 山城 扶桑 重巡洋艦 5隻
軽巡洋艦5隻 駆逐艦 20隻
実際には艦数を増やしても、駆逐艦の備砲では対空戦闘に役立たない物もありますが、無いよりはましなので(対潜水艦監視等)組み込みます。
空母1隻に戦艦又は巡洋艦を4隻付けます。軽巡洋艦1隻と駆逐艦8隻で周囲を固めます。空母1隻で1輪形陣を形成します。これを3輪形陣で1個戦隊として3個の戦隊を分割運用します。
対するアメリカ海軍は4隻の空母を2つの戦隊で運用します。
第16機動部隊
ホーネット エンタープライズ 指令 レイモンド・A・スプルアンス少将
重巡洋艦5隻 軽巡洋艦1隻 駆逐艦9隻第17機動部隊
ヨークタウン レキシントン 指令 フランク・J・フレッチャー少将
重巡洋艦2隻 駆逐艦6隻
日本海軍は人事で負けたと言われる「猛将 山口多門少将の指揮」
最後に、司令長官の南雲中将に怪我をしてもらい指揮権を剥奪します。
海戦の劈頭でハワイから来襲した B-17の高高度爆撃が赤城の至近弾となって南雲長官を傷つけます。
その後、「我、航空戦の指揮を取る」で山口多門少将に指揮を取ってもらいましょう。
持てる戦力をミッドウェイ海域に集中した仮想ミッドウェイ海戦は日本海軍の勝利「アメリカ機動艦隊の殲滅」と海軍将兵を根こそぎ殲滅・捕虜とできたでしょう。
アメリカに勝つには、将兵を逃さないで人的資源を枯渇させていくしかないと考えます。
珊瑚海やらなかったら米パイロットの消耗が無かったことになるので、日本有利とは限らなくなるよ。
この手の仮想する人は器の比較をよくやるけど、実際に重要なのはその器の中の人の能力。