クラシックレースとは
3歳馬しか出走できないGⅠ競走(中央競馬において最も重要で賞金が高額なレース)のうち、それぞれ古い伝統を持つ桜花賞・皐月賞・優駿牝馬(オークス)・東京優駿(日本ダービー)・菊花賞の総称をクラシックレースという。
このクラシックレースのうち、桜花賞とオークスは牝馬限定、皐月賞・日本ダービー・菊花賞は牡馬と牝馬が出走可能と定められている。
なお日本の競馬では2001年から馬の年齢の表記が数え年から満年齢に変更された。
2000年まではクラシックレースに出走できるのは4歳馬だけだった。
三冠とは
単に「三冠」といえば皐月賞・日本ダービー・菊花賞のことをさし、この3つのクラシックレース全てに勝利した馬を三冠馬と呼ぶ。
牝馬は桜花賞とオークスに、1995年まではエリザベス女王杯、1996年以降は新設された秋華賞を加えて牝馬三冠といい、この3つ全てに勝利すると三冠牝馬と呼ばれる。
三冠レースの紹介
皐月賞
中山競馬場 芝2000mで行なわれる。イギリスのクラシックレース「2000ギニー」に範をとり、1939年に「横浜農林省賞典四歳呼馬競走」として創設された。
当初は1850mで、1950年に2000mに延伸された。「最も速い馬が勝つ」といわれる。
東京優駿(日本ダービー)
東京競馬場 芝2400mで行なわれる。イギリスのダービーに匹敵するレースをと、1932年に「東京優駿大競走」として創設された。イギリスや日本だけでなく、競馬を行なう国のほとんどにダービーにあたる競走がある。「競馬界最大の祭典」で、ほぼ全ての競馬に携わる人たちがこのレースで勝利することを目指している。
「最も運の強い馬が勝つ」といわれる。
菊花賞
京都競馬場 芝3000mで行なわれる。イギリスの「セントレジャー」に範をとり、1938年に「京都農林省賞典四歳呼馬競走」として創設された。
1948年に現在の名称に変わる。「もっとも強い馬が勝つ」といわれる。
牝馬三冠レースの紹介
桜花賞
阪神競馬場 芝1600mで行なわれる。イギリスの「1000ギニー」に範をとり、1939年に「中山四歳牝馬特別競走」として創設された。当初は中山競馬場の1800mで行なわれていたが、1947年に京都競馬場に移ったのを機に1600mに変更され、名称も現在のものになった。
1950年に阪神競馬場に変更された。
優駿牝馬(オークス)
東京競馬場 芝2400mで行なわれる。イギリスのオークスに範をとり、1938年に「阪神優駿牝馬」として創設された。阪神競馬場にて秋に行なわれていたが、1946年に東京競馬場に移ったのを機に「優駿牝馬」と名称を変更、1953年から春に実施されている。
秋華賞
京都競馬場 芝2000mで行なわれる。1996年からエリザベス女王杯が3歳以上の牝馬を対象とするレースに変更されたため、新設されて牝馬三冠の最終関門になった。
エリザベス女王杯
1970年に牝馬三冠の最終戦として創設された「ビクトリアカップ」が前身である。京都競馬場 芝2400mで行なわれていた。1975年にイギリスのエリザベス女王の来日を記念して、名称が変更された。
1996年に3歳以上の牝馬を対象とするレースに変更され、距離も2200mに短縮された。
三冠馬になるのは難しい
三冠馬はただ3つ勝てばいいというものではない。それぞれのレースに使用されるコースが違うため、適性がカギになる。
中山(右回り)の2000mのレースは、小回りでコーナーを4つも回る器用さと途中の坂への対応力が必要
東京(左回り)の2400mのレースは、途中の急坂への対応と最後の長い直線でのスピード勝負のできるスタミナが必要
京都(右回り)の3000mのレースは、3コーナーの急坂の対応が重要。
近年、皐月賞は始めから飛ばしていくスピード勝負、ダービーは力を溜めて最後の直線での勝負、菊花賞は長距離適性の有無がカギになる傾向があるので、牡馬の三冠馬は出づらいといわれる。
三冠牝馬は出やすくなったかも?
かたや牝馬は、秋華賞が三冠目になってから、4頭も三冠牝馬が誕生している。
阪神(右回り)の1600mの桜花賞は、2006年のコース改修工事前はスタートダッシュのまますぐにコーナーに突っ込んで位置取り争いをするため「魔の桜花賞ペース」と呼ばれた。
東京の2400mのオークスに勝てる馬にとってはこのハイスピードに追いつくのが難しく、敗退してしまうことが多かった。工事後は「桜花賞ペース」は解消されている。
京都(右回り)の2000mのレースは、3コーナーの急坂が途中で終わるため勢いの付いた馬は大きく外側へ膨らんで曲がってしまうが、逆に直線で追い上げやすくなる利点がある。
3歳時の牝馬の特徴として、牡馬と比べて成長が早く夏に急に成長するということが少ない。強い牝馬は春のうちから既に強い馬で、同じ年齢の女子相手では敵無しの状態で3歳シーズンを終えることが多い。
もちろん牡馬・牝馬ともに、コース適性以外に3戦全てに好調な状態で馬を出走させるための厩舎スタッフの力量も重要なポイントである。
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