日本全国どこのお土産屋さんでも見かける 饅頭(まんじゅう)
地域ごとに「〇〇饅頭」と種類は数多くあり、昔から日本で親しまれている軽食である。
お土産や贈り物として選ばれることが多く、親しみやすく優しいイメージである。
そんな饅頭だが、生まれたきっかけは実は恐ろしいものであった。
日本の饅頭のルーツ
日本で饅頭が広まりだしたのは、鎌倉時代と南北朝時代の2説ある。
鎌浦時代の臨済宗の僧・円爾が南宋に渡り、帰国後に饅頭の製法を広めたという説。
約100年後の南北朝時代に、同じく臨済宗の僧・龍山徳見が元に渡り、帰国した際に同伴してきた弟子の宋人・林浄因が広めたという説である。
いずれにせよ宋の文化から日本に伝わったようである。
小豆などを入れた甘い饅頭と、野菜などを入れた現在の肉まんに近い饅頭の2種類が当時からあったが、日本では仏教の影響が強く前者の方が広がり、そのまま現在の饅頭となったのである。
饅頭の起源は諸葛孔明
それでは中国で饅頭が生まれたのはいつだったのだろうか?
それは三国時代まで遡る。
蜀の宰相・諸葛亮が南の蛮族を攻めるために南征した。
蛮族の社会では、川の氾濫を鎮めるために人身供養として生きた人間の首を切り落として、川に投げ込むという恐ろしい風習があった。
蛮族を制した諸葛亮は、帰国する前にこの恐ろしい風習を改めるために代案を提示したのである。
それは小麦粉で練った皮の中に、羊や豚の肉を入れて人の頭に見たて、それを川に投げ込むというものであった。
つまり最初の饅頭は人の頭くらい大きく、生首の代用品として作られたものだったのである。
これは北宋時代の『事物紀原』という書物に記されている。
その後、川に捨てるのはもったいないということになり、祭壇に祀った後に食されたり、食べやすいように小型化され現在の形態となったという。
饅頭(まんじゅう)という文字の中に「頭」の漢字が使われているのはその名残りなのである。
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