海外

台湾人から見た日本のオタク

オタクの定義

台湾にも中国にもオタクがいる。

多くの人がオタクについて知っており、中国や台湾に行くと「本当のオタクを見たことがあるか?会ったことがあるか?」などと聞かれることがある。

日本では1980年代から、漫画やアニメを過度に愛している人たちの集団について「オタク」という言葉が使われてきた。

世界でも日本の「オタク文化」は有名で、コスプレなどは海外でも人気が高い。台湾でもコスプレ大会などのイベントが開催されている。
自身もオタク気質を持っている人たちからすると、日本のオタクは一種の憧れでもあるようだ。

中国語では男性のオタクは「宅男」女性のオタクは「宅女」と呼ばれている。男女の区別があるのである。
男女の区別がない呼び方は「阿宅」という。

中国人から見た日本のオタクのイメージはあまり良くない。

生活習慣が乱れており、カロリーの高いスナック菓子を食べ、社会の中では存在できない。
髪が乱れて太っており、いつも汗をかいているといったイメージのようである。これは男女同様でありオタクは怠惰の極みと考えられている。

台湾で言うところのオタク

画像 : 台湾オタクの部屋

日本ではニートとオタクと引きこもりは、だいたい同列であるとされる傾向がある。

台湾のメディアでオタクが取り上げられる時、ゴミ屋敷に住んでいる人や、外出を嫌う、人との距離を置く人に対しても使われる。

筆者も以前1人の母親に「うちの息子はオタクだから」と言われたことがある。

どんなオタクかと思えば、立派に仕事をしていて日々の生活は送っているが、休みの日にどこかに出かけるのは好きではなく、親しくない人との交流を避ける傾向があるといった程度だった。

台湾で言うところのオタクは、必ずしも何かのアニメや漫画のに没頭しているわけではないということだ。

台湾でオタクは社会問題の一つに挙げられており「社会に開いた大きな穴である」と言う表現もされていた。社会に出て人と向き合おうとせず、冷たい画面とだけ向き合っているので、ますます人との距離が離れて不健康な状態であるとされている。

日本でもかつてオタクは社会問題として取り上げられていたが、現在ではかなりオタクの概念が広まり文化としても一般化しつつある。良くも悪くも日本は寛容的な社会であるといえよう。

 

草の実堂編集部

投稿者の記事一覧

草の実学習塾、滝田吉一先生の弟子。
編集、校正、ライティングでは古代中国史専門。『史記』『戦国策』『正史三国志』『漢書』『資治通鑑』など古代中国の史料をもとに史実に沿った記事を執筆。

✅ 草の実堂の記事がデジタルボイスで聴けるようになりました!(随時更新中)

Youtube で聴く
Spotify で聴く
Amazon music で聴く
Audible で聴く

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

  1. サラ・ベルナールについて調べてみた【新芸術様式アール・ヌーヴォー…
  2. 「#MeToo運動」とは何か? ~台湾の女優、モデルが被害を公表…
  3. 【妊娠中に2人目を妊娠】医師も驚愕!奇跡の「双子でない双子」を出…
  4. 外務省「イランは危険レベル4の退避勧告、中国はゼロ」この海外安全…
  5. 【入れば2度と生きては出られない?】 ロシアの「死者の街」とは
  6. 【緊迫するイスラエル情勢】 ムハンマドの死後、危機を迎えたイスラ…
  7. 「人食いバクテリア」過去最多の感染者 ~致死率30%以上
  8. 【IQ180の天才少女】母に高速道路に捨てられ、父からは売春強要…

カテゴリー

新着記事

おすすめ記事

康熙帝について調べてみた【中国王朝最高の名君】

17〜18世紀の間、中国大陸を支配した大清帝国。この国は元々、女真族のヌルハチによって建てら…

『ばけばけ』ラフカディオ・ハーンが生涯思い続けた母・ローザとは

NHK朝ドラ「ばけばけ」で語られた「大雄寺の子育て幽霊」。それは、亡くなってなお赤子を思い、…

『武田氏滅亡の要因をつくった武将』穴山梅雪はなぜ武田家を裏切ったのか?

知勇を兼ね揃えた武田一門衆で武田氏重臣穴山梅雪(信君)という名を聞いて、すぐに誰のことか…

これも家名を残すため…鎌倉時代、北条時頼に一族を滅ぼされた三浦家村が恥を忍んで逃げた理由

……而泰村以下爲宗之輩二百七十六人。都合五百余人令自殺……※『吾妻鏡』宝治元年(1247年)…

片倉小十郎(景綱)とは ~伊達政宗を東北の覇者に押し上げた腹心

伊達家の参謀格の武将 片倉小十郎片倉景綱(かたくらかげつな)とは、東北の覇者となった伊達…

アーカイブ

人気記事(日間)

人気記事(週間)

人気記事(月間)

人気記事(全期間)

PAGE TOP