施設

外国人が驚く日本の温泉マナー 「裸で入浴するのは日本人だけ?」

日本人にとっての温泉

※温泉イメージ画像 Photoac haruharu2

私たち日本人にとっては、「温泉」は癒しの場所である。

多くの外国人は日本へ旅行へ来る際「温泉のマナー」について一通り学んでから入るそうだ。

それもそのはず、外国人は温泉に入る時は水着を着て入る。いわばSPAのような場所なのである。
北欧などでは男女混合全裸でサウナに入ったりもするが、服を全部脱いで全裸にならないといけないと聞くと、ほとんどの外国人は躊躇するようだ。

以前筆者は神戸の老舗旅館でアルバイトをしたことがある。そこでは、多くのインバウント客がやってきた。
外国人を接客する時は必ず温泉について説明するのだが、大抵は

水着を着てはいけないのはなぜか?」「体を見られて恥ずかしくないのか?

などと聞かれる。

筆者は決まって「それが日本の温泉のマナーです。」と答えていた。

筆者は以前、中国と台湾に在住していたが、中国人や台湾人もこの温泉マナーを受け入れられない。

読者の皆さんは「ニーハオトイレ」という言葉を聞いたことがあるだろうか?

ニーハオトイレ」とは何かというと、用を足している時に隣の人に「ニーハオ」と挨拶できるトイレのことである。つまり壁や扉がなく、かなりオープンなトイレだ。中国の田舎では未だにニーハオトイレが多い。

中には扉はあるが、腰から上のみで跳ね返り式の扉である。イメージは西部劇に出てくるカウボーイがやってくる酒場の扉といった感じだ。上半身は隠せるが下半身は丸見えなのである。

だが彼らは平気なのだ。用を足している最も見られたくない状態を見られることには不思議と抵抗感がないのである。

しかし温泉で裸になるのは躊躇するのである。

彼らに言わせると、それはまた別の話なのだそうだ。

温泉に入る前に外国人が学ぶべきこと

タトゥー イメージ画像

①刺青のある人は入れない

最近ではおしゃれ感覚でタトゥーを入れる人が増えてきた。

最近ではタトゥーOKの温泉もあるようだが、日本の温泉は基本的には刺青のある人は入れない。

日本で刺青のある人が入場を拒否されるのは、歴史にも理由があるようだ。例えば紀州では罪人に刺青を入れる習慣があった。

単純に社会的イメージが悪いのである。

②温泉に浸かる前に体を洗う

実際多くの温泉旅館やホテルでは、温泉に浸かる順番が書いてある。
体を綺麗にして温泉に浸かることは、他の人への配慮であり最低限のマナーだ。

③温泉に浸かるときは、他の人のことも考慮する

足を大の字に広げたり、寝そべったりしてはいけない。
裸でそのような体勢をとるのは恥ずかしい行為である。他の人が入ったり出たりするのを妨げることにもなる。

④更衣室に戻る前にきちんと体を拭く

体が濡れたままで更衣室に入ると、びちゃびちゃになる上に、床が濡れて他の人が転倒するかもしれないので、できるだけ体を拭くことは大事なマナーである。

⑤音量に注意する

必要以上に大きな声で話したり笑ったり、大きな音を出すこともNGである。

ある日本人に対する調査で、外国人の温泉マナー違反のうち最も嫌な行為の第一位は「大声で話すこと」だったという。

日本人にとって温泉は、遊ぶ場所ではなく体を癒す場所なのである。

もし、日本の温泉マナーについて理解できないとしても理由を聞いてはいけない。

なぜなら日本人自身もうまく答えられないからだ。

日本人に聞いても「すみません。規定です」と答えるだろう。

 

草の実堂編集部

投稿者の記事一覧

草の実学習塾、滝田吉一先生の弟子。
編集、校正、ライティングでは古代中国史専門。『史記』『戦国策』『正史三国志』『漢書』『資治通鑑』など古代中国の史料をもとに史実に沿った記事を執筆。

✅ 草の実堂の記事がデジタルボイスで聴けるようになりました!(随時更新中)

Youtube で聴く
Spotify で聴く
Amazon music で聴く
Audible で聴く

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

  1. フィンランドの歴史と文化を継承し続ける古都 『トゥルク』
  2. ハワイ島 オーラが見える洞窟の行き方【マウナラニ】
  3. 「蘇我入鹿の眠る場所はここか?」奈良の菖蒲池古墳に行ってみた
  4. なぜハワイでは「レイ ~花の首飾り」を渡すのか?
  5. 桜の名所・高遠城について調べてみた 「信玄の五男・仁科盛信が最後…
  6. 京野菜が美味しい理由は“夕立”だった?京都の夏行事「かぼちゃ供養…
  7. ここまで進化した!豪華バスの旅について調べてみた
  8. 渡来人・秦氏の足跡をたどって「太秦」を歩く~『京都歴史散歩』

カテゴリー

新着記事

おすすめ記事

武士だけに許された「切腹」の歴史と作法 【11人の凄絶な切腹にフランス人が退散した堺事件】

時代劇や時代小説でおなじみの切腹。切腹にはさまざまな種類があり、腹を十字に切り裂き、内臓をつ…

清朝の姫たちは爪がものすごく長かった 「西太后の爪は20センチ」

清朝中国の長い歴史の中で、数多くの王朝が興っては消えていった。その封建統治の最後の王…

日本の夏にかかせない「国産線香花火」の歴史

日本の夏にかかせないものと言えば、夜空を彩る花火です。夏の始まりとともに日本中のあちらこ…

ウルトラサウロス 「消えた伝説の超巨大恐竜」

生物の命名ルール恐竜は絶えず発掘と研究が進んでおり、毎年のように新種の恐竜や人気の恐竜に関する新…

台湾人の中国旅行の現状とは 「中国への団体旅行が禁止」

海外旅行ラッシュ2019年12月初旬に始まった新型コロナウイルスの流行は、世界中に影響を…

アーカイブ

人気記事(日間)

人気記事(週間)

人気記事(月間)

人気記事(全期間)

PAGE TOP