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台湾の外国人労働者について解説 「高齢化社会で海外労働者の需要急増」

外国人労働者の多い台湾

台湾の外国人労働者について解説

台湾の人口は現在約2300万人である。

台湾の面積は3万6千平方キロメートルと九州よりやや小さい面積である。日本と同じように台湾でも高齢化と少子化が進んでいる。

台湾は1993年から高齢化社会に突入した。高齢化社会は、その国の65歳以上の高齢者が占める割合が7%(高齢化社会)14%(高齢社会)20%(超高齢化社会)と位置付けられる。

台湾の高齢化は進み、2018年には高齢社会になった。
今後の見通しとしては、2025年には超高齢社会まで達するといわれている。
このまま高齢化が進めば、2039年には人口の30%になり、2070年には43.6%にまで達すると予想されている。

2021年1月の統計によれば、0~14歳は人口の12.55%を占め、15~64歳は71.30%で65歳以上は16.15%を占める。去年の統計を見てみると、100歳以上の高齢者は1万892人報告されている。

高齢者が多いことで介護施設や介護制度の整備が急がれている。日本でも近年、福祉施設での海外労働者雇用が進められ、台湾でも外国人労働者の雇用が行われている。

日本の介護

台湾人は日本の福利について大きな関心を持っており、台湾政府も日本に見習うべきだと多くの国民が思っている。筆者の実家にも90歳になる祖母がいるのだが、確かに日本の介護制度はしっかりしている。

専門家ではないので詳しいことについてはわからないが、祖母に関して言えば、介護用品が安い価格でレンタルでき、高額で購入する必要もない。ケアマネジャーの方もとても親切に対応してくださるので、介護者も安心して介護できる。

台湾人はインターネットを通して日本の制度を知っていて、関心を持っている。

台湾の介護制度

台湾の外国人労働者について解説

台湾では介護者が住み込みで介護するという制度を作っている。
ベトナム、インドネシア、フィリピン、タイなどの国から介護労働者を雇っている。

筆者が住んでいる場所でも多くの外国人を見かける。頭に覆いをしているのはイスラム教の国インドネシアから来た労働者である。セニアカーで高齢者をのせて買い物へ行ったり、車椅子を押して公園で散歩していたりする。

言語について言えば、中国語が話せる外国人はあまり多くないように思う。
簡単な日常会話は台湾に来る前に学ぶそうだが、それ以上は本人の意向に任せられるという。

2020年3月の調査によると、71.9万人の外国人労働者が台湾で働いていると報告されている。

そのうち、インドネシア人27.9万人、ベトナム人22.1万人、フィリピン15.9万人となっている。

筆者が台湾に住み始めた頃、同僚が「インドネシア人が最も多い国はインドネシア。二番目に多い国は台湾だ。」と言っていたが、数字でも確かなようである。

家庭介護労働者の給料

発展途上のアジアの国からやって来る労働者は家に仕送りをしている人が多い。台湾ドルで稼いで国に持って帰ると大きな額になるのである。

では、家庭介護労働者の給料事情はどうなっているのだろうか。

政府が定めている給料つまり基本給だが、1万7千台湾ドル(現在の日本円に換算すると78000円程度)。それに加えて雇い主は、食費や携帯料金などの生活費、健康保険などの雑費を含めると、約2万2千元(10万円程度)ほど払っていることになる。

場所によって物価の違いがあり、北部は2万5千元から3万元。南部は物価が安いことから2万元から2万3千元となっている。

日本と同じように高齢者の状態によって、外国人労働者を雇う申請ができるかどうかが決まるという。日本でいう介護度のような感じだ。

この制度の良い点と悪い点については、次回の記事で取り上げる。

 

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