海外

台湾のお年玉事情について調べてみた 「台湾のお年玉は一体いくら?」

子供のお楽しみ

画像 : 紅包

お正月になると、子供はお年玉を楽しみにする。我が家では、両家の祖父祖母からお年玉をもらっていた。

台湾でもお年玉の習慣がある。「紅包」といったり「壓歲錢」と言ったりする。
赤い封筒にお金を包んでお正月に渡すのである。

子供たちは毎年、年越しの休暇にはその紅包を期待している。

「紅包」の由来

では紅包の由来はなんだろうか。いくつかの言い伝えがあるがそのうちの一つをご紹介しよう。

年越しの晩「」と言う一匹の怪獣が山から降りてきて、村を荒らし始めた。子供たちは恐怖で夜も眠れない。怪獣は刀も槍も恐れず、追い払うことができなかった。
ところが、喜び事に関係した紅い色銅銭を恐れるということがわかった。

そこで人々は、紅い袋に銅銭を入れたものを子供の枕の下に置くことにした。そうして怪獣が子供に近づくのを防ぐことで子供は安心して眠ることができたと言う。

台湾のお年玉は、子供たちの身の上に悪いことが起きない様にという願いを込めたものなのである。

台湾のお年玉は一体いくら?

写真②お年玉いくらあげる?

台湾のお年玉の平均金は、2022年の調査で以下となっている。

祖父祖母からは3600、6000、6600元。(現在円安のため1000台湾元は4449日本円)
自分の子供へは1000、3600元。子供の年齢によって調整される。
親戚や友達の子供へ600、1000、2000、3200。親交の深さによって調整。
近所の子供やあまり親しくない人の子供へは200、600。「不吉な数字でなければいくらでも良い」となっている。

親交の深さによって調整というのが、なんとも台湾らしい。
一年にどれくらい連絡するか、一年にどれくらい会うか、その他その人にどんな感情を持っているかなどで金額が決まるという。

そして、もし自分の生活が困難なら無理をして紅包を出す必要はない。または身分相応の金額を設定する。

見栄を張って自分の生活が困難になっては、楽しいお正月は迎えられないからである。

「紅包に入れるお金で使ってはいけない数字」

台湾では、お年玉にあげる金額の末尾は必ず偶数にならなければならない。

前述した金額も全てが偶数である。基本的に偶数の金額を入れておけば間違いないようだ。
そのほか「死」を暗示する「4」も使わない。

そして日本でもそうだが新札を使うと良いとされている。台湾元の100元は赤色で1000元は青となっている。
1000元を一枚入れるより、100元を10枚入れてあげる方が分厚くなるし赤い色で縁起がいいということだ。

来年も多くの大人が子供たちの平安を願ってお年玉をあげる。

みんなどのような思いでお年玉を送り、また受け取るのだろうか。

 

アバター

草の実堂編集部

投稿者の記事一覧

草の実学習塾、滝田吉一先生の弟子。
編集、校正、ライティングでは古代中国史専門。『史記』『戦国策』『正史三国志』『漢書』『資治通鑑』など古代中国の史料をもとに史実に沿った記事を執筆。

✅ 草の実堂の記事がデジタルボイスで聴けるようになりました!(随時更新中)

Audible で聴く
Youtube で聴く
Spotify で聴く
Amazon music で聴く

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

  1. 日本人には馴染みのない 中国圏の変な迷信 「梨を分けてはならない…
  2. オスタルギーとは何か?東西ドイツ統一後の東ドイツについて調べてみ…
  3. 『インド人女性5億人を救った』アルナーチャラム・ムルガナンダム …
  4. ヘリコプターの音で、なぜかワニが大興奮 「狂ったように交配を始め…
  5. 台湾料理店がなぜ急増しているのか調べてみた
  6. 毛沢東とはどんな人物だったのか?② 「生涯歯を磨かなかった、性格…
  7. ウィンチェスターミステリーハウスとは 【映画になった実在する幽霊…
  8. 『首謀者は2人の少女』 コティングリー妖精写真捏造事件 「コナン…

カテゴリー

新着記事

おすすめ記事

【鎌倉殿の13人】江口のりこ演じる「亀の前」実際はどんな女性だった?『吾妻鏡』を読んでみた

亀「新しく入った侍女なんですが、目立つ割に全く役に立ちませぬ。立ち振る舞いで下人の出でないことは分か…

近藤勇が「大久保大和」と名乗った意味は? 「尊皇攘夷と幕府への忠義…新選組局長」

宮川勝五郎、宮川勝太、嶋崎勝太、嶋崎勇、そして実名(本姓+諱)の藤原義武……幕末・京都の不逞浪士を震…

加藤清正のちょっとイイ話! 自分を刺し殺そうとした男を助命し家来にする 【どうする家康】

加藤清正のちょっとイイ話戦国時代を代表する猛将・加藤清正は、朝鮮出兵では「日本最強の武将…

30年にわたって海を駆け回った武勲艦、戦艦「榛名」について調べてみた

巨大な船体に、これまた巨大な砲を積み、大海原を力強く航行する、こうしたイメージは、いわゆる「戦艦」の…

人違いで藩主を殺した刃傷事件 「板倉勝該事件」 ~前編

板倉勝該事件とは1603年、徳川家康が江戸に幕府を開き、江戸時代は250年以上も続く太平…

アーカイブ

PAGE TOP