1 はじめに
春ですね~。
春になるとあちらこちらで「苺・ストロベリー」を使ったスイーツフェアが盛んに行われますね。
しかしちょっと待って下さい。
苺もいいけれど春のスイーツといえばあれを忘れてはいませんか?
そうです、日本人が大好きな桜の木と深い深い関係がある「桜もち」です。
桜もちといえばいつも話題になるのが葉っぱをどうするのかということ。
そこらへんも含めつつ桜もちについて調べてみました。
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2 あなたの食べている桜もちは関東風?関西風?
あなたが桜もちと聞いて思い浮かべるのはこの写真のようなものですか?
「これでしょう!」だった皆さん、こちらは関西風の桜もちです。
「これ何?」と思った皆さん、次の写真を見て下さい。
「そうそう桜もちはこっちだよ!」という皆さん、こちらは関東風です。
見た目からしてはっきりと違う両者。
関西風は上方風とも道明寺餅とも呼ばれています。
大阪の道明寺で保存食として食べられていたのもので、もち米が材料です。
ピンク色のおはぎのようなスタイルですね。
対する関東風は江戸風とも長命寺餅とも呼ばれていて、1717年隅田川沿いにあった長命寺の門番が作りだしたとされています。
小麦粉で作られていて、ピンク色のクレープといった感じです。
大量の桜の葉の落ち葉掃除が面倒くさくなったので葉っぱを塩漬けにして、薄い皮で餡を包んだものに巻いて売ってみたらこれが江戸中で大ヒットになったというのですから面白いものです。
その門番がものすごく真面目な人だったら今ここに桜もちはなかったかもしれないですからね。
門番が面倒くさがり屋でよかった!
2015年に行われた調査によると全国の桜もち、関東風が23,8%、関西風が74,5%でした。
関東風はずいぶんと少数派なのですね。
中でも関東風桜もち発祥の地である東京が関西風だったのが意外です。
東京だけの結果を見ると関東風が約27%、関西風が約71%・・・大都市だけあっていかに地方から人口が流入してきているかが桜もちから見えてきます。
両方の桜もちを食べ比べてみたいので全国の和菓子屋さん2種類の同時販売をお願いします。
3 葉っぱをどうするか問題
桜もちのお話でここは避けては通れない、それが葉っぱを食べるかということです。
絶対に食べない人もいるでしょうし、必ず食べる人もいるでしょうし。
食べる順番には3パターンありますよね。
①最初に葉っぱを食べて口の中をしょっぱくしてから甘い本体を味わう。
②葉っぱと本体を一緒に食べて甘じょっぱさを味わう。
③最後に葉っぱを食べて甘い口の中をさっぱりさせる。
皆さんは食べる?食べない?どちらですか。
ところでこの桜もちに使われる葉っぱは「大島桜」という品種のものが多いそうです。
他の品種に比べてやわらかくて毛が少ないところが適しているからで、主に神奈川県の伊豆地方で生産されています。
塩漬けにすることであの独特の香りが生まれるわけですがここでも東西の違いがあって、関東風には大きめの葉っぱ、関西風には小さめの葉っぱが使われているのだとか。
生の葉っぱにはないあの香りの正体は「クマリン」という成分です。
クマリンは老化や病気から身体を守る抗酸化性や抗菌性、血流改善に効果があるとされていますが、肝臓の働きを弱める肝毒性もあるため長期間にわたる過剰な摂取には注意が必要です。
桜もちの葉っぱを毎日のように大量に食べる人はいないと思いますが、お餅への風味づけと乾燥防止のために葉っぱがついているようです。
食べるか食べないかはあくまでもお好みで、ということですね。
4 葉っぱの次はいよいよ花です
葉っぱ同様に花も塩漬けにされたものがありますよ。
がくを取った花を塩と梅酢に漬けて作られるもので八重桜の「関山」という品種が用いられています。
メインの生産地は神奈川県泰野市、江戸時代の末頃からずっと製造が続いているそうです。
この花漬け、あんパンの上に飾られていたりもしますが、有名なのはお見合いや婚礼などの祝いごとの席で出される桜湯ですね。
こうした祝いの席ではその場だけ取り繕ってごまかすという意味の「お茶を濁す」を忌み嫌うのでお茶の代わりに桜湯が出されるものだそうです。
お湯の中にふんわりと広がる薄桃色の桜の花は確かに縁起が良さそうですものね。
味はそれこそ桜もちの味だったような・・・。
花も葉っぱも見てよし食べてよし、つくづく日本人は桜が好きなのですね。
ちなみに桜もちと並んで有名なのが柏もちですが、「椿もち」なるお菓子もあるって知っていました?
他のふたつに比べるとあまりに無名ですが、源氏物語にも出てくる由緒正しきかた?なのです。
日本最古の餅菓子ともされていて、俵型の餅(餡なし)を椿の葉で挟むスタイル。
2月頃にしか作られないお菓子だそうですが、機会があれば食べてみたいですね。
5 まとめ
ここまで読んで下さった皆さん、お菓子屋さんへ急ぎましょう。
季節を楽しみ旬を味わう和菓子は基本的に期間限定です。
桜もちの販売期間は2月~4月上旬です、今年を逃すと1年後ですよ~。
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