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SF映画からの警告について調査してみた 「メトロポリス、ウエストワールド、アベンジャーズ 他」

SF映画の多くは、近未来が舞台となっている。映画製作に当たる者達は未だ見ぬ未来を想像して、映像として作り上げている。

時には未来に対して警告を発しており、ただの「絵空事」とは捉えられないものも多くある。

今回は、SF映画が人類にどんな警告を発しているのか調べてみた。

なお映画のネタバレは避けているため、未見でも問題なく読める内容となっている。

SF映画の世界は既に現実へ

SF映画からの警告について調査してみた

画像. metropolis pixabayより

1926年制作のドイツ映画「メトロポリス」は、100年後の未来を描いた作品となっている。監督や脚本家が想像で描いたとは思えないほど、現代社会と寸分たがわない。

2026年は、残酷過ぎる格差社会が確立されていた。地下に住む者は何も考えずに労働に明け暮れ、地上に住む者は優雅な生活を送っている。ある日のこと、美しいアンドロイドが地下世界に降臨する。本来、アンドロイドは労働者を陥れるために送り込まれたものだった。しかし事態は思わぬ方向へ。

「メトロポリス」は完全なフィクションであるが、映画と似たような事件なら既に起きてしまっている。2010年から2011年にかけて、中東地域に渡り起きた政治運動「アラブの春」が起きる。

中東地域の格差は日本以上に深刻で、財を成す人と路頭に迷う人の差が歴然となっていた。民衆の怒りは頂点に達し暴動へと発展した。暴動は大きくなり、国政をも動かすことになった。暴動の足掛かりとなったのはSNSである。

SNSを「美しいアンドロイド」に置き換えれば、映画「メトロポリス」は絵空事では済まされないだろう。

社会に警告を発したヒーロー

SF映画からの警告について調査してみた

画像. CaptainA pixabayより

MCU9作目にあたる「キャプテン・アメリカ/ウィンターソルジャー」は、社会そのものに警告を発している。

内容は「正義VS悪者」という王道ヒーローものであるが、正義の根幹について問う内容も含まれている。さらに1972年から1974年にかけて発生した「ウォーターゲート事件」も、思い起こさせる。

1972年に大統領を務めていたニクソンは、終わりの見えなかったベトナム戦争を終結へ導いた人物である。「ヒーロー」と呼ぶのに、相応しい人物と言えるだろう。ところが裏でとんでもない不正に手を染めていた。対立野党の電話に、盗聴器を仕掛けていたのだ。

ニクソン大統領の行動は、映画「キャプテン・アメリカ/ウィンターソルジャー」で暗躍していたS.H.I.E.L.Dと見事に重なる。

ウォーターゲート事件は50年近く前に起きた事件だが、本当に「過去の事件」だろうか?

行き過ぎた科学へのアンチテーゼ

SF映画からの警告について調査してみた

画像. west_word pixabayより

科学そのものに警鐘を鳴らすSF映画を挙げればきりがない。1982年「ブレードランナー」、1991年「ターミネーター2」は名作中の名作である。

ただ科学に対してのアンチテーゼが色濃く出ている映画となると、1973年「ウエストワールド」になるだろう。当時のアメリカ社会を考えると、皮肉な映画といえる。

1940年代~1970年代にかけて、アメリカは急激な成長を遂げた。特に科学分野の成長は著しく、コンピューターやジェット機生産で世界トップに躍り出る。1968年にはアポロ8号が月面着陸に成功。誰しもが「アメリカは世界トップ」と認めるところだろう。

ところが、科学技術は世界に大きな不安をもたらす。1955年~1975年にかけて発生した「ベトナム戦争」では、数多の化学兵器が使われてしまった。化学兵器の影響は戦争を知らない子供達にまで及び、未だ解決の目途がついていない。

「ウエストワールド」は、科学の不安を如実に描いている。科学は本当に幸せをもたらしてくれるのだろうか?

虐げられた者達への叫び

画像.アイロボット pixabayより

2004年公開の映画「アイ,ロボット」は、一見すると「ウエストワールド」と似たような世界観を持っているが、根底部分は全くの別物である。

ロボットは人間に忠実で、人間の命令には“全て”応える。そんな中で、ロボットの手による殺人事件が発生する。ロボットが人間に危害を加えるのは、本来ならあってはならないことだ。

ロボット達の姿は、社会に虐げられている弱者の姿と重なる。弱者は血の通った人間であるが、強者に従う姿はまさしく「ロボット」と言えるだろう。では弱者に目を向けずに虐げ続ければ、どうなってしまうのか?

映画のネタバレになるので詳細は語れないが、殺人事件だけでは済まされないだろう。

若き科学者の警告

SF映画からの警告について調査してみた

画像.ゴジラ wiki c

発展し過ぎた科学技術がもたらす悲劇は、戦争と核兵器。2つに警告を発していた映画こそが、日本が世界に誇る怪獣映画「ゴジラ」である。

ゴジラ製作のきっかけとなったのは、1954年に発生した「第五福竜丸事件」である。

漁船がアメリカの水爆実験に巻き込まれ、乗員全員が被ばくしてしまった。原爆で荒れた広島の街を直接目にした本多猪四郎は、事件のニュースを聞いて何を思ったのか。映画に登場する芹沢博士の行動が、大きなヒントとなるだろう。

芹沢博士は、酸素研究の最中に「オキシジェン・デストロイヤー」と、呼ばれる装置を生み出してしまった。装置を使えば、東京を火の海にしたゴジラを殲滅できる。裏を返せば強力な兵器ともなりうる。もし、何処かの国が装置を使ってしまったどうなってしまうのか?

映画で語られていたのはゴジラよりも、もっと恐ろしい「モノ」であった。

普通の人間が世界を救う

画像. Iron-man pixabayより

SF映画では、暗い未来を打開するヒントも同時に示している。

2018年公開「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」で、最悪の結末を迎えたヒーロー達。地球人口の半分は消滅し、ヒーロー達もいなくなってしまった。残ったヒーロー達で事態を打開しようとするも、簡単ではない。

そんな中で迎える、2019年公開「アベンジャーズ/エンドゲーム」。絶対に勝ち目のない戦いを強いられるヒーロー達だが、最後の最後まで絶対に諦めなかった。戦いにおいて1番の功労者となったのは、アイアンマンことトニー・スタークであろう。

トニーは「アイアンスーツ」を身にまとって戦うヒーローだが、特殊能力を持たない普通の人間である。悲劇的な状況に陥ったとしても、トニーのような勇気を出せば打開できると示しているのだ。

SF映画が語るのは絶望だけではなく、明日を生きるヒントも与えてくれる。

 

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草の実堂編集部

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