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米軍の制式採用拳銃について調べてみた

2017年春、米陸軍の制式採用拳銃の後継機がドイツに本社を置くシグ・ザウエル社P320に決定したとのニュースが入った。

あれから1年。アメリカ軍ではP320への更新が始まり、ニューハンプシャー州にあるシグ・ザウエルの工場では、最終的に約50万丁もの拳銃を生産すべくフル稼働状態となっている。

M17&M18

米軍の制式採用拳銃について調べてみた

【※P320コンパクトモデル wikiより引用】

このP320は、スライドがフルサイズのものが制式名称M17、コンパクトサイズのものが制式名称M18として採用された。

最大の特徴は、フレームがポリマー樹脂(強化プラスチック)という点である。スライドはステンレスで、発射方式は撃鉄が露出しないストライカー方式。ポリマーフレームを採用した拳銃というのは1980年代に登場したオーストリアの拳銃、グロックシリーズ以降、様々なメーカーが開発し、珍しいものではない。

ポリマーフレームのメリットは、軽量なことに加え、苛酷な環境にも強く、様々な形状のものを比較的簡単に作ることが出来る。手の大きさに合わせて、グリップの前後幅を短いものから長いものまで揃え、女性が使うときには短いものを選べばいい。実際、米軍内でも女性兵士が増加しているので、今回の採用はそうした点も評価されている。

ベレッタM9

【※現用拳銃のベレッタM9。wikiより引用】

拳銃業界の波が大きくうねるなか、米軍のサイドアーム(拳銃)は、1985年に制式採用されたイタリアのベレッタM92、制式名称M9がその地位を守ってきた。しかし、すでに35年もの歳月が経っている。仕官クラスだけが拳銃を携行する自衛隊と違い、米軍では一般の兵士も拳銃を携行するため、納入数はケタ違いといえる。そのため、35年前も今回も各メーカーの拳銃をトライアルにより選抜する方法となった。

前回もシグ・ザウエルのP226が最終選考まで残ったが、ベレッタに負けてしまった。どちらも性能的には優れ、P226は安全性も評価されたのだが、最終的にベレッタが勝ち残った。その理由として、コストの問題が挙げられている。M9では約32万丁もの拳銃を納入したことになっており、この数ではやはりコストを抑えたいという思惑が国防総省にはある。そこでより単価の安かったM9を制式採用したというのが定説となっている。

事実、特殊部隊では後に別の予算でP226を調達していたことが分かった。

コルトM1911A1

【※M1911(上)、M1911A1(下)。wikiより引用】

ベレッタ以前に米軍で制式採用されていたのは、コルト社のM1911A1であった。

1911年にM1911として採用され、後に改良が加えられたことによりM1911A1として、第一次世界大戦、第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争で用いられてきた。M9、M17(P320)が9mmパラベラム弾という小口径弾なのに対し、M1911シリーズは、.45口径(約11.4mm)もある。これは開発当時にヨーロッパでは9mmパラベラム弾が主流だったのに対し、アメリカではそれに威力不足を感じていたためだ。

口径が大きくなれば弾速は落ちるが威力が増す。相手を行動不能にさせるマン・ストッピングパワーはM1911A1の方が優れていたが、時代が流れ9mmパラベラム弾が世界の主流になるとM9にその座を譲ることになる。9mmパラベラム弾は威力では劣るが、小口径のため装弾数が多いというメリットがあったのだ。

画期的なP250のモジュラーシステム

【※P320のベースとなったP250のモジュラーシステム。wikiより引用】

今回のP320の選定にあたり、9社12種類もの拳銃がトライアルに参加したという。そのなかにはベレッタ社、グロック社など前回のトライアルにも参加したメーカーが名を連ねたが、今回はシグ・ザウエルが勝利したようだ。

P320のベースとなったのは、2004年に発表された同社のP250である。特筆すべきは、9×19mmパラベラム弾の他、より強力な.40S&W弾、.357SIG弾、そして、M1911A1と同じ.45ACP弾がラインナップに並び、.45ACP弾以外は、銃身などの交換だけでフレームはそのまま利用できる。

こうした、組み合わせの自由度が高いシステムをモジュラーシステムというが、このことで、一丁の拳銃が持ち主の手の大きさや使用目的に合わせて形を変えられるようになった。

様々な体格の兵士が様々な目的で使う軍用拳銃としては理想的だったのだ。

ファイアーコントロールユニットの恩恵

【※P320のファイヤーコントロールユニット。引き金の部分がそれで、ここが法的に拳銃と見なされる。wikiより引用】

さて、米軍に採用されたことで、シグ・ザウエルにとっては、銃本体の他、弾薬、アクセサリーを含め、最大で約660億円以上の巨大な案件となった。メーカーにとってはこのことが最大の宣伝であり、民間市場における売り上げも期待できる。

そのための大きなポイントが「ファイヤーコントロールユニット」の搭載である。モジュラーシステムの採用により、それまでフレームと一体になっていた撃発機構が分離されることとなった。アメリカの法律では、この撃発機構こそ拳銃と見なされることになっており、サイズの違うフレームを買い換えるには登録費の名目で200USドルが課税されるが、フレームとファイヤーコントロールユニットを分離させたことで、余計な課税を回避することが出来た。

また、米軍制式採用となったことで映画での露出も期待できる。P320が注目を集めるのは、まだまだこれらかなのだ。

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Twitter→@gunny_2017

コメント

  1. アバター
    • 軍用犬
    • 2018年 5月 18日

    ようやく決まったと言う感じですね。ヒーローの相棒にちょくちょく顔を出してくると思います。流石に未だにベレッタじゃ何年物?ですから。今後の映画が楽しみ。

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