オーパーツ

ヴォイニッチ手稿の解読に成功?!最新の動向をチェック!

すでにその謎の多くが解明されてしまっているために、本物のオーパーツに「なりうる可能性がある」遺物はほとんどない。

一時は「オカルト」と「リアル」をつなぐヒントとして騒がれたものだが、最近ではオーパーツ・ブームそのものが下火の状態だ。でも、そこに大きなニュースが舞い込んできた。「ヴォイニッチ手稿」が解明されるかもしれないというのだ。

もし、それが本当ならこれは大変に興味深い。
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オーパーツ・ブーム

1990年ごろからオカルト分野でもニッチなカテゴリーとして語られていたのが「オーパーツ」であった。「out of place artifacts」の頭文字を組み合わせて「OOPARTS」とした造語である。日本語では「場違いな加工品」などど訳された。

つまり、当時の技術力では製造することができないほど、高度な技術によって製造された遺物の総称だ。ただし、これは正式に考古学で用いられる言葉ではない。なぜなら、オーパーツの存在を唱える研究者のなかには「超古代文明」や「宇宙人によりもたらされた高度な技術」などを根拠にするものもいるためである。

例えば、1927年に中米のベリーズで発見された「クリスタル・スカル」は、水晶で作られた精密な頭蓋骨の模型であったが、マヤ、アステカ、インカ文明の時代に作れたとは思えないほど解剖学的にも精密な作りであった。しかも、ここまで細かく水晶を加工することは当時の技術では不可能と考えられ、オーパーツの代表的な遺物として有名になった。

ヴォイニッチ手稿

その後もコロンビアで発見された「黄金で作られたスペースシャトル」や、聖徳太子が所持していたという「地球儀」などが話題となり、オーパーツ・ブームが訪れた。

しかし、その後の科学的な調査により、クリスタル・スカルは19世紀末以降に作られたものであったり、黄金のスペースシャトルも魚を模したものだという見解が出され、本当の意味でのオーパーツは数えるほどしかないのが現状である。

ヴォイニッチ手稿

だが、オーパーツと呼ばれる「正体不明の遺物」のすべてが贋作や解釈の違いだというわけではない。

そのひとつが「ヴォイニッチ手稿」という古文書である。

1912年にイタリアで発見されたこの本は、写本ではあるが、どの言語とも類似性のない未知の文字で書かれており、植物や人物と思われる様々な画が色鮮やかに記されていた。

古書を収集することを趣味としていたウィルフリッド・ヴォイニッチが、モンドラゴーネ寺院で発見したことでこの名が付けられたが、執筆年代は不明で、羊皮紙の製造年代だけは放射性炭素年代測定によって、15世紀前半だということが分かっているだけだ。


【※ヴォイニッチ手稿のページ】

約240ページからなり、そこには植物らしき彩色画や浴槽に浸かる女性の画、さらに天体図のように見えるものまで描かれていた。しかし、それらの植物は緻密に描かれてはいるが、実在するどの植物とも一致しないためにさらに謎を深めることとなる。

解読に成功?!

かなり胡散臭い話にも思えるが、それだけで片付けられない魅力がヴォイニッチ手稿にはあった。

判明しているだけでも何人もの手に渡り、神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ2世も所持していたという。しかも、ただのイタズラにしては作りが非常に手が込んでいて、学術的にも意味を持つものだと考えるほうが自然だった。

そこで、第二次世界大戦後には多くの言語学者などが解読を試みたが、結局は成功していない。


【※植物のような画。上には文字がびっしりと書き込まれ、片手間に作られたものではないことが分かる】

しかし、ベルギーやフランス北東部で話される「フラマン語」に似ているとか、アラビア語やヘブライ語をヒントに東アジアの言語ではないかと考察されたり、推測だけは数多くされていた。

そして、2017年9月、イギリスの作家「ニコラス・ギブズ」は、このヴォイニッチ手稿の解読に成功したと発表したのだ。

ヴォイニッチ手稿は暗号ではなかった!

ギブズ氏は、中世の文献研究の専門家でもある。

そして、そこに書かれている文字は暗号などではなく、「ラテン語の一種」であり、内容は「夫人病の治療法について」の説明だとインタビューで答えた。

では、なぜ今まで多くの者が解読できなかったのか?

それは、今までの解読者が「中世の知識に乏しい、歴史の専門家ではなかった」ということが問題であり、ギブズ氏はヴォイニッチ手稿のシンボルと中世の医学関連書に記されたシンボルとの類似点をもとに解読したのだと語った。女性が入浴しているような画も、中世で人気のある健康法だったという。


【※浴槽に浸かった女性たちの絵】

さらに、この手稿には病名や植物の名称が記されていないことにも着目。これもギブズ氏によると、「本来、それらが記載されていたはずの目次が紛失してるためだ」という。

確かにヴォイニッチ手稿は、すべてのページが揃っているわけではない。当時の健康について記した文献には目次があることが多く、目次と照らし合わせて読むようになっていた。

真偽はどこへ

しかし、この発見には否定的、懐疑的な意見も少なくない。

何しろ、発見から1世紀以上にもわたって誰も読めなかった文字が解読できたとなれば、受け入れるのに慎重になるのもわかる。

例えば、ギブズ氏がラテン語の省略形であるとした根拠として、手稿の翻訳を一部発表しているが、中世ラテン語の専門家である「アメリカ中世学会」のリサ・フェイギン・デイビス氏は、「文法的に間違っていて、ラテン語として意味がない」と語り、目次が存在したという確証がないという点も述べている。


【※文字部分の拡大図。単語の反復が非常に多いこと、冠詞と名詞のように対になって現れる単語が殆どないことが分かっている。】

ただし、ヴォイニッチ手稿が女性の健康法を説明したものだという主張は、概ね認められている。

なぜなら、それはギブズ氏同様に中世の医療関係書籍との類似点から多くの学者がすでに述べていることだからだ。

最後に

残念ながら、今回は「大発見」にはならなかったらしい。

しかし、今もヴォイニッチ手稿は存在し、挑戦者を待っていることは間違いない。文字の解読だけではなく、正体不明の植物についても、なぜこのような描き方をしたのか。ギブズ氏の主張にはその点が語られていないのも気になる。

いずれにせよ、もう少しの間は我々に期待を抱かせてくれるようだ。

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