シリーズ30周年に相応しい最高傑作
プレー歴はそれなりに長いが攻略作品は5作のみと、範囲は広くない筆者の『三國志』歴に於いて最高傑作と高く評価しているのが13だ。
1985年12月10日に産声を上げた『三國志』シリーズの30周年記念作品として発表され、残念ながら発売延期によって当初の予定だった2015年12月10日に世に出る事はなかったが、全ての武将を主人公に出来る「全武将プレイ」ならではの自由度の高いシステムによって非常にやり応えのある名作になった。
今回は、個人的シリーズ最高傑作である『三國志13』の、まずは戦闘以外の楽しみ方と魅力を紹介する。
全武将プレイとは
作品の売りである「全武将プレイ」という聞き慣れない言葉だが、命令書を使って都市単位で指示を出す君主プレイと違い、君主の配下として出世を目指したり、出奔して自ら国を起こしたり、更には商人として国を裏から操ったり、更にはどの勢力にも属さない賊や暗殺者として中国全土を荒らし回ったりと、様々な身分でそれぞれのやり方で三国時代を生きる事が出来るのが魅力である。
勿論、身分が君主の武将を選んでこれまで通り配下を上手く使いながら天下統一を目指す事も出来る(自分も基本的には君主を選んでクリアしている)訳だが、天下統一を目指さなくてもいいというシステムは純粋に新鮮だった。
ゲームのやり込み要素としての話をすると、それぞれの身分で条件を達成しなければ入手出来ない隠しキャラ(古武将)やグラフィックがあり、何だかんだでやはり一番面白い君主として天下統一をするだけでは隠し要素をコンプリート出来ないシステムになっている。
推し武将と結婚出来る!?全武将プレイならではの楽しみ方
『三國志13』の最大の「ウリ」として、必ずしも君主として生きる必要はなく、場合によっては一度も戦闘に参加する事なくクリア出来る。
自由に行動出来るメリットとして、様々な武将と交流する事によって「好感度」が上がると絆が結べるようになり、好感度80になってから朋友→大親友→莫逆之友と関係が進展してから相手が欲しいアイテム(酒、武器、書物、宝物など)をプレゼントすると、同性なら義兄弟(義姉妹)、異性なら結婚が出来るようになる。(義兄弟「姉妹」は3人まで、男主人公なら妻は3人まで結婚出来るが、女主人公は1人しか結婚出来ない)
しかも、今作からは顔グラ変更ツールを使って好きなキャラクターや人物のグラフィックをゲームに反映させられるようになったため、非公式の外部ツールを使わなくても、お気に入りのキャラクターを三国時代に送り込む、いわゆる「架空戦記」のような遊び方が出来るようになった。(Xもオリジナルグラフィックを取り込む事が出来るが、自由度は13や14の方が高い)
自分だけの三国時代を生きられるなら、女主人公を作って推し武将と結婚するしかない。
ステータスオール100のチート女武将を作って君主にすると、関羽が所属する勢力を滅ぼして登用、そして好感度を高めて結婚するのが自分の攻略パターンになっている。(武将のステータスの配分に関しては個人の好みである)
一言だけ言うと結婚や義兄弟、関係が進展した時のテキストは同じ(強いて言うなら劉備、関羽、張飛と義兄弟になると「四」兄弟という違和感しかないセリフが出て来るくらい)なので、一度イベントを見てしまうと以降は新鮮さも何もないが、デフォルトで嫌悪設定が付いている関羽、張飛と呂布が仲良くなる世界線や、もっと一緒に戦うところを見たかった関羽と張遼が同僚として戦場で活躍する世界線が見られるのはファンとして嬉しい。
依頼のために中国全土を駆け回る
『三國志13』では戦闘や任務、他の武将との交流以外に、一般人や武将からの依頼を受ける事が出来る。
武将からの依頼としては伝説の酒を探して一緒に旅するという簡単なものから、相手が欲しがっている武器や書物を探すため周辺都市を駆け回る、いわゆる「お使いクエスト」まで多岐に渡り、ユーザーを飽きさせない。
個人的には、武将が賊から盗まれた短剣を犯人から一騎打ちで奪い返す依頼が一番楽かつ武力の経験値も手に入るので、武力を上げたい時に重宝する。
また、一般人からの依頼では踊り子の代役などユニークなものがあり、戦いの日々が続く乱世の息抜きになっている。
キャラゲーとしても自分だけの三国時代を楽しめる
『三國志13』の楽しみ方として、まずは戦闘以外の要素を紹介した。
正史で絡みがなかったり、敵対していた武将と共闘出来たりするのはシリーズ初期の頃から変わらない魅力だが、依頼や交流によって更に深い交流が出来るようになった。
絆を結んだ武将とは「同士」として10人まで一緒に暮らす事が出来て、セリフのパターンこそ多くはないが、本拠(自宅)に戻ると絆を結んで夫婦や義兄弟になった武将が出迎えてくれるのも嬉しい。
もっとも、同士を増やすか将軍の威名を名乗って私兵を増やす以外に本拠にいるメリットはほとんどないため、勢力拡大とともに大きく、豪華になる我が家に帰る機会が減るのは少々淋しいが、仲良くなった武将との共同生活を空想するのも楽しい。
また、今作ではオリジナルイベントを作る事が出来るため、作中に登場する武将やオリジナル武将を使って自分だけのオリジナルストーリーを作って楽しんだり、それをゲームに反映させる事が出来る。
ここまで来ると完全に自己満足の世界だが、単なる歴史シミュレーションゲームという以外にも、キャラゲーとしても楽しませてくれるので、自分だけの三国時代を楽しんで欲しい。
三國志13と三國志13PKは別物なので、きちんと三國志13PKと書いた方がいいですよ