日本史

一粒万倍日とは?「2024年9月以降の一粒万倍日と、天赦日が重なる最強開運日」

「本日はお日柄もよく……」のお日柄は、「日の良し悪し」を意味する言葉です。

古くから暦には、その日の吉凶を判断するための言葉が記載されており、現代でも「大安」「友引」「仏滅」などは、慶弔の際によく使われています。

吉日としては「大安」が有名ですが、最近「一粒万倍日(いちりゅうまんばいにち・いちりゅうまんばいび)」という言葉をよく耳にするようになりました。

大変縁起が良いとされる「一粒万倍日」とは、どのような日なのでしょうか。

一粒万倍日とは?

一粒万倍日とは?

画像『伊勢度会暦』public domain

一粒万倍日とは、「一粒の籾(もみ)が万倍に実って豊かな稲穂になる」という意味をもつ吉日です。

昔の暦には日付の他に、その日の吉凶禁忌が記載されており、それらの注釈は暦注と呼ばれました。

暦注の多くは現代では使われなくなってしまいましたが、大安や仏滅など日柄を表す「六曜」(ろくよう)や、立春や冬至など季節を表す「二十四節気」(にじゅうしせっき)などは、今でもカレンダーに記載されています。

一粒万倍日は、暦注の中の選日(特殊日)のひとつで、日本独自の吉日です。

現在では二通りの選日法を併用しており、月に5日程度、年間約60日の「一粒万倍日」があります。

【2024年の9月以降の一粒万倍日】

9月・・・4日(水)、12日(木)、17日(火)、24日(火)、29日(日)

10月・・・6日(日)、9日(水)、12日(土)、21日(月)、24日(木)

11月・・・2日(土)、5日(火)、17日(日)、18日(月)、29日(金)、30日(土)

12月・・・13日(金)、14日(土)、25日(水)、26日(木)

一粒万倍日は、新しいことを始めるのに最適な日

画像. 稲穂 public domain

一粒万倍日は「一粒の籾(もみ)が万倍にもなる」という意味から、この日に始めたことは大きな成果を上げると考えられています。

一粒万倍日は、物事を始めるのに最適な日で、新しく始めたことが長続きし、大きな成果が得られる開運日となります。

アクションを起こすことが吉とされており、特に以下のような行動が開運につながるといわれています。

・仕事始め、開店、開業
・学びやお稽古事など新しいことを始める
・結婚
・種まき
・投資
・宝くじの購入

なお、一粒万倍日には、わずかなものが大きく膨らむ、増えるという意味合いがあることから、人にものを借りたり借金をしたりすると、後々苦労の種が増えるとされています。

トラブルなど増えては困ることは、凶となるので注意が必要です。

「一粒万倍日」と「天赦日」の組み合わせで最強の日となる

画像 『寺社境内名物集』public domain

一粒万倍日は、他の吉日と重なると効果が倍増するといわれています。

「大安吉日」でおなじみの「大安」以外にも、暦にはたくさんの吉日が存在します。
特に極上の大吉日といわれるのが、「天赦日(てんしゃにち・てんしゃび)」です。

天赦日とは、天が地上の万物の罪を赦(ゆる)す日で、何事もうまくいく吉日とされています。

天赦日は年に数日しかなく、「天赦日」と「一粒万倍日」が重なった日は「最強開運日」となるので、あらかじめチェックしておくと良いかもしれません。

2024年9月以降の最強開運日は、12月26日です。

この日は、一粒万倍日と天赦日、さらに天の恩恵を受けられるといわれる吉日・天恩日(てんおんにち・てんおんび)が重なる「トリプル開運日」です。

ちなみに2025年には、最強開運日が4日あります。

・3月10日(月):一粒万倍日・天赦日・寅の日
・7月24日(木):一粒万倍日・天赦日・大安
・10月6日(月):一粒万倍日・天赦日
・12月21日(日):一粒万倍日・天赦日

3月10日の寅の日(とらのひ)は、吉日の中でも最も金運がアップする日といわれています。
なお金運が上がる日は、寅の日以外に「巳の日(みのひ)」と「己巳の日(つちのとみのひ)」があります。

また、7月24日は一粒万倍日と天赦日に大安が加わり、開運パワーが増大する貴重な日です。

凶日と重なると、一粒万倍日の効果が半減してしまう

画像 耳鳥斎 画『絵本水や空』public domain

吉日と重なると効果が倍増する一粒万倍日ですが、縁起の悪い凶日と重なってしまうと効果が半減してしまうので、注意が必要です。

特に「不成就日」(ふじょうじゅにち)は、万事が成就しないといわれる凶日です。

何をやってもうまくいかない日であり、特に「結婚、開店、子どもの命名、契約、移転」など、決断を要する行動には不向きといわれています。

さいごに

明治5年、明治政府が暦注は迷信であるとして「暦注禁止令」を発令。
翌年、現在の暦である太陽暦に改暦したのを機に、暦注の記載が禁止されました。

現代の私たちにとって、吉凶を示す暦注は、科学的根拠のない迷信のようなものです。
しかし、科学が発達していなかった時代の人々は、暦を見て吉凶禁忌を知り、それを行動の基準としていました。そこには人々の生きる知恵が含まれているように思えます。

暦注の捉え方は人それぞれで、迷信だと分かっていても験を担ぎたくなる時もあるものです。事実、宝くじ当選者の2割が、買う日にちにこだわって購入しているそうです。

とても縁起のいい日といわれる一粒万倍日。

古来より受け継がれてきた風習を楽しみながら、運を引き寄せる行動を試してみるのも良いかもしれません。

参考 :
岡田 芳朗 , 阿久根 末忠 編著『現代こよみ読み解き事典』.柏書房
国立国会図書館『日本の暦』
国立天文台暦計算室
文 / 草の実堂編集部

 

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草の実堂編集部

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草の実学習塾、滝田吉一先生の弟子。
編集、校正、ライティングでは古代中国史専門。『史記』『戦国策』『正史三国志』『漢書』『資治通鑑』など古代中国の史料をもとに史実に沿った記事を執筆。

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