社会人であればほとんどの人が使っているであろう名刺。
名刺と聞くと「スーツを着たサラリーマン同士が名刺交換する」イメージが思い浮かぶが、元々は西洋文化のような印象も受ける。
しかし実は江戸時代にはすでに使われていたのである。
名刺の起源
ヨーロッパでの名刺の起源は16世紀のドイツである。訪問先が不在だった時に訪問を知らせるために置いたことが始まりとされている。
最古の起源は紀元前3世紀頃の中国で、「謁」「刺」と呼ばれた細長い竹木の板に名前と来訪要件を書き、目上の人などへの取り次ぎを依頼するため使用人に渡していたという記述が「史記」に記されている。
現存する最古の名刺は、三国時代の呉の武将・朱然の名刺で、1984年に発見された墓の副葬品の中にあったという。
日本人の最古の名刺
日本で確認されている最も古い名刺は、江戸時代に松岡藩士がロシア帝国の通商交渉人に渡したもので、ロシア国立古文書館に現存している。
名刺は江戸時代に使われ始め、幕府の役人などが自身の名前を記した和紙を取次役に渡したり、不在時に置いて帰ったりしていたという。
当時の武士も現代のサラリーマンのように名刺を持ち歩いていたのである。
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