はじめに
昨今、増加する「がん」などの生活習慣病の原因は、なんといっても肥満です。その肥満の原因となるのが欧米化した食習慣といわれています。
実際日本人の米離れが深刻化しており、現代の若い人たちはほぼパン食であるともいわれており、日本の伝統的な和食は姿を消すかに思われていました。
しかし、近年和食が世界遺産に選ばれて以降、日本人が古来から培ってきた和食を見直そうという動きが高まってきています。
とくに今年は江戸時代の食事が若い女性たちに大人気となり、大手料理サイトでは江戸時代専門のサイトができるまでになりました。
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いったい江戸時代の料理の何が、若い女性たちを引きつけるのでしょうか?
それは江戸時代の料理がシンプルかつ肥満の原因となる動物性たんぱく質や脂肪が少なく、逆に大豆などから良質たんぱく質が摂れるため、ダイエット食に向いているということが挙げられると思います。
そこで今回は、江戸時代に流行った人気料理とその作り方について調べてみます。
江戸時代とはどのような時代か
江戸時代は、当然ながら電気やガス、冷蔵庫といったものがありません。また江戸は出稼ぎ労働者の街という側面が強く、ひとり暮らしをしている人が多くいました。
さらに当時の江戸では火事が毎日のように起きており、もし家で料理を作っていて火でも出そうものなら、死罪は免れません。なので、多くの人は家で料理することは避け、江戸の街にある屋台で食事を済ますというのが一般的でした。
当時の江戸を、現代で例えるなら、大きなお祭りの時に出る屋台が延々と続いているようなも景色です。
江戸時代の人気料理
江戸時代の人々は現代の私たちと同じく、何事もランク付けをするのが大好きでした。その際、用いたのが「番付」です。これは相撲の番付を元にしたもので、一番人気が「横綱」二番人気が「大関」というような具合で構成されていました。
その中でも、とくに人気であった料理を挙げていきます。
冷卵羊羹【ひやしたまごようかん】
これは、江戸時代の和風スイーツ。たとえるなら「和風プリン」です。牛乳不使用なのでさっぱりとした味となっています。材料は、
卵5個、
寒天【赤】1本
黒砂糖 100g
水180g
片栗粉、酒を適量
1、 寒天を水につけてふやかしていきます。
2、 溶いた生卵を布でこします。別の容器には黒砂糖と酒を入れ、溶かします。それを1で作った生卵と混ぜます。
3、 鍋に寒天と水180gを入れて溶かします。それを布でこし、再び鍋にいれて熱します。
4、 鍋の中に、先ほどの生卵を少しずつ入れていき、全部入れ終わったら、片栗粉を加え、混ぜ合わせます。
5、 4で仕上がったものを容器に入れ、冷蔵庫に2時間ほどおけば完成。
ここでゼリーを固めにしたい場合は、寒天の量を増やしていくとよいでしょう。
江戸時代のオムレツ
現代の女性に人気なのがこの料理。
材料
卵 5個
鶏のひき肉 90g
酒 大さじ1程度1 鶏ひき肉をすり鉢に入れてするか、フードプロセッサに入れます。
2 酒を入れてさらに混ぜ、粘りが出るまですっていき、粘りが出てきたら、生卵5個をかける
3 生卵5個を入れたものと鶏肉をすり合わせたら、それを耐熱容器に入れ、蒸し器に入れて15分から20分おけば、完成。
4 スプーンですくってお椀に入れる。くずあんをかけて食べるとよいかもしれません。
なお、葛あんのかわりに、刺身用の醤油を使ったり、蒸し器ではなく、オーブントースターを使ってもよいかもしれません。
たまごふわふわ
卵料理が続きますが、当時は高級品であり、少ない卵をどのように食べるかという工夫が問われました。
この料理もとくに人気のあったもので、江戸時代末期に活躍した、「新選組」の隊長近藤勇も好んで食べていました。
材料
卵 1個
昆布のだし汁 120ml
たまり醤油
煎り酒1、卵を溶き、出汁、たまり醤油、煎り酒を加えます。煎り酒はアマゾンで購入可能。
2、容器に入れて、蒸し器にセットして15分ほど加熱すれば、完成。
味は具のない茶碗蒸しのような味がするようですが、江戸時代前期は卵は高級品であったため、将軍様クラスが口にする料理であったようです。
まとめ
江戸時代はとにかく手の込んだ料理が多く、現代のように片手間というわけにはいきませんが、栄養価はとても高く、しかも脂っこくないので、気軽にいただくことができます。
ほかにも納豆汁やおから汁、はちみつ大根など、バラエティに飛んだ江戸料理があり、人々はそれを屋台で買い、仕事帰りに一杯やっていました。
旬の野菜をその季節に味わう。まさに食の原点を見たような気がします。
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