有酸素運動とはどんな運動?
有酸素運動とは、酸素を多く取り込んで体内の糖質や脂肪を燃焼する運動を言います。
乳酸を生じさせない程度の軽い運動のために、疲れが蓄積せずに長い時間運動することができます。
有酸素運動を生活に取り入れることで、体内の中性脂肪を減らすことができ、血圧や血糖値を下げることができるので、肥満の解消や生活習慣病の予防・改善することができます。
代表的なものとしては、ウォーキング、ジョギング、水泳、水中ウォーキング、サイクリングなどがあります。
いずれも無酸素運動にならない程度の強度で行うことが重要です。
効果的な行い方
有酸素運動を始める前
・まずは水分を取りましょう!
コップ一杯の水をとることで、血液がどろどろになって血栓を作ってしまったり、代謝が落ちてしまうのを防ぐことができます。
・運動の2時間前に糖質を取る
軽い運動は脂肪燃焼を促しますが、脂肪を燃焼させるためには種火としての糖質が必要です。
例えば起き抜けの空腹の状態では、糖質をすぐ使い切ってしまいます。その次に肝臓のグリコーゲンをエネルギーとして使いますが、それもすぐに使い切ってしまいます。
すると次はタンパク質を分解して運動するためのエネルギーとしてしまいます。これでは折角運動しても効果は半減です。
なるべく食事をとって2時間後に運動をするようにしましょう。
・ウォーミングアップをする
ストレッチなどの軽い運動をすることにより、けがを防ぎ、それまでじっとしていたことによって臓器に溜まっていた血流を筋肉に緩やかに流すことによって、いきなり動いたことによる臓器の負担を減らすことができます。
・先に筋トレを行いましょう
有酸素運動の効果をより得るためには、運動前に筋トレを行います。
筋肉をつけることで基礎代謝がアップして脂肪が燃焼しやすくなります。有酸素運動の前に筋トレを行うことで成長ホルモンが分泌されるので、より脂肪が燃焼されやすくなります。
筋・背筋・大腿四頭筋などの大きな筋肉を鍛えると代謝が上がりやすいために脂肪燃焼に効果的です。
背筋は床の上で上体起こしを数回、背筋はうつぶせから反らす運動を数回、背筋上部には懸垂などの運動がよいでしょう。大腿四頭筋はスクワットが効きます。
何分行うとよい?
健康を目的とした場合、連続で20分以上行うとよいでしょう。
血中の中性脂肪値が下がる目安の時間です。20分以上行えば内臓脂肪も燃焼されるので無理のない程度に行いましょう。
時間に制限のある人は、有酸素運動の効果が得られる最低ラインの10分間を間を空けて回数を増やしても大丈夫です。
ダイエットを目的とする人は必ず1日のトータルを20分以上行いましょう。有酸素運動を続けてから20分経ったあたりから体脂肪がエネルギー減として使用されるので、強度を高くすることより20分以上の運動をすることに重点をおきましょう。
スタミナをつけることを目的とする人は、強度は軽く、できるだけ長い時間の有酸素運動を行う必要があります。心肺機能が上がり、長い時間酸素を使って筋肉を動かす体を作ることができます。
飽食で食べ過ぎてしまったカロリーを消費するためならば、ぜひ毎日行うことをおすすめします。
しかし、時間がなかったり、普段運動の習慣がないために余計にストレスがたまるというのであれば、週3日でも構いません。
週1度まとめて運動をするよりもむしろ、前回の効果が薄れてしまったころにまた再開する方が望ましいので、間をあまり空けず週3回ほどこまめに運動を行うことが運動効果を上げることになります。
どのくらいの強度で行う?
息が切れてゼイゼイというぐらいの運動強度は無酸素運動です。
乳酸がたまり、長時間続けることが困難になります。有酸素運動の利点である脂肪を燃やすことよりも血中の糖質がエネルギーとして使われるため、狙った効果は期待できません。
最大心拍数の60~70%を狙うのが良いとされています
最大心拍数 = 220-年齢
で計算できます。
心拍計などを装着して心拍を図るのが正確で簡単ではありますが、日常の呼吸よりもやや早くなるレベルの、110~120回ぐらいを目安としてもかまいません。
会話をしながら楽しく運動できるくらいの強度が、ほぼ最大心拍数の60~70%と言えます。
ウォーキングですと、だらだらと歩くのではなく息が少しはずむ早歩きぐらいと考えましょう。
有酸素運動で得られる効果
心肺機能の向上
強度がそれほど高くない運動を継続することにより心肺機能が向上します。
スタミナが付き、疲れにくく、息が上がりにくい体作りができます。
脂肪燃焼
有酸素運動は運動を始めてから20分を経過したあたりから脂肪を運動のエネルギー源とします。
内臓脂肪は代謝が活発なためつきやすく落としやすいので、まずは内臓脂肪が落ちていき、次いで皮下脂肪をエネルギーとして使用し、減少していきます。
老化の防止と骨粗しょう症の予防
全身の筋肉の約7割を占める足の筋肉を鍛えられるので、老化を防止することができます。
また筋肉と共に骨にも刺激を与え続けるため骨の密度が高くなり丈夫になります。
生活習慣病の予防・改善
血液中の余分な中性脂肪、悪玉コレステロールを減少させて、善玉コレステロールを増やす効果があるため、動脈硬化を防ぎ、「脳梗塞」「狭心症」「心筋梗塞」など生活習慣病の予防・改善になります。
また有酸素運動は最初に血中の糖質を使用するので、血糖値を下げることができ、「糖尿病の」予防・改善につながります。
有酸素運動は「運動療法」として多くの生活習慣病の治療に利用されています。
疲労回復・ストレス解消・睡眠の促進
有酸素運動によって足の筋肉が強化され、第二の心臓と言われるふくらはぎなどが効率よく動くことにより、疲労物質が溜まりにくくなって疲れを早く回復してくれるようになります。
血流がよくなるために脳へ多くの酸素を送ることができるために記憶力・理解力・判断力が高まります。
「交感神経」と「副交感神経」のバランスが軽度の運動により整えられて、「副交感神経」が優位になるために、リラックス効果が得られ、ストレスを貯めにくくなり、適度な疲労感も手伝ってよく眠れるという効果もあります。
効果が出るのはいつから?
個人差はありますが、最低でも2週間、長い人だと1月ぐらいから効果が現れてきます。
焦らず、じっくり、ゆったりと続けましょう。
どんな種類の運動?
ウォーキング
いつもより少し速い速度で歩くようにします。
最寄り駅やバス停のひとつ手前で降りて歩いて帰宅するなどすると、軽い気持ちで運動に苦手意識をもたず始められます。
ジョギング
ウォーキングでは物足りない方におすすめ。心肺機能を高め、骨に負荷をかけるので強化することができます。
サイクリング
流れる景色を楽しみながら、気軽に長い時間有酸素運動を続けることができます。
水中ウォーキング・スイミング
膝や腰に故障がある人でも、水の負荷によって痛みを感じることなく行うことができます。
水の抵抗が運動負荷になるので思ったよりも運動効果が上がります。
エアロビクス
インストラクターや仲間と共に行うので続けやすいという利点があります。
初心者から参加できるレッスンもあるので楽しく続けられます。
家でもできる有酸素運動
踏み台昇降
台に上るときと降りるときに足の筋肉にほどよい負荷がかかり効果的な有酸素運動になります。
台を高くするほど負荷が大きくなります。
もも上げ運動やハーフスクワット、フラフープ、エア縄跳び
負荷をあまり上げず、息が上がらない強度で行いましょう
ピラティス、ヨガ、ダンスエクササイズ、シャドーボクシングなど
自宅でもDVDなどの映像をみながら行えるので楽しく始めやすいです。
続けることが最大のポイント
息が上がらない程度の弱い強度の運動を1日に20分以上、週に3~毎日続けると2週間程度から効果現れるのが有酸素運動です。
運動の種類も色々あって、屋外でも家の中でもできそうなので、自分好みの運動を選ぶことができますね。
ダイエットや生活習慣病の予防や改善にも効果的。
良いことづくめの有酸素運動ですが、続けることが最大のポイントのようです。3日坊主では、効果が現れませんね。
好みの運動を選んで週3回、2週間、少し食事に気を付けて頑張ってみましょう!
じわじわ体重が減って、効果が現れますよ!
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