海外

日本の北欧雑貨の人気について調べてみた 「IKEA、Marimekkoの躍進」

新生活を始めるにあたり、自分好みの食器に可愛いテーブル、部屋の全ての家具を自分のライフスタイルに合わせて新しく揃えたいと思うことが、誰でも一度はあるのではないだろうか。

最近では、レンガやドライフラワーでコーディネートされた『フレンチスタイル』、ランプの灯りを強調した『アジアンスタイル』、木材のインテリアを並べた『カントリースタイル』など海外の特色を部屋に取り入れるスタイルが人気だ。

中でも、シンプルで優しい雰囲気が特徴の『北欧スタイル』は不動の人気を誇る。そして、部屋の雰囲気を一瞬にして『北欧スタイル』に変えてくれる「北欧雑貨」は、店内に特集スペースが設置されるほど日本での認知度も高い。

北欧雑貨

花瓶

日本に伝わった「北欧雑貨」の魅力

北欧雑貨

IKEA倉庫

北欧雑貨」が長年日本で人気を集めるきっかけとして、スウェーデン発祥の家具ブランド『IKEA』の存在が大きいといえる。

1972年に一度、日本進出を果たしているが、当時は価格が高いことから人々の関心を集めることができなかった。この結果を受け、販売する家具を組み立て式にすることで「北欧雑貨」の価格設定を低価で提供するなど、日本で多くの「北欧雑貨」が受け入れられるように様々な試行錯誤が行われた。

その後、2001年に日本への再進出を決め、翌年の2002年に日本法人『イケア・ジャパン』を設立。誰もが気軽に購入できる安価設定と、イラスト解説の説明書を付けた組み立て式家具を提供する『IKEA』の再挑戦が幕を開けた。

日本の第1号店はイケア船橋店、現在のIKEA TOKOY−Bayだ。

北欧雑貨

キッチン

IKEA店内に再現されたリビング、キッチン、ベッドルームといった『北欧スタイル』のモデルルームは、繊細なデザインと生活に溶け込みやすい色使いの「北欧雑貨」の魅力を伝えている。このIKEA独特の『見せる販売』は人々の関心を引き、部屋の全ての家具をIKEAで揃える人々も急増した。

日本での再進出を成功に納めたIKEAの人気は衰えることなく、幅広い世代の顧客を抱え、今では9000点を超える「北欧雑貨」が人々に親しまれている。

幅広い「北欧雑貨」の活躍

そしてもう一つ、北欧の国から伝わった有名なデザインといえば、フィンランドのアパレル企業『Marimekko Oyj(マリメッコ株式会社)』が生み出した『Unikko(ウニッコ)柄』だ。日本ではMarimekko柄と呼ばれることが多い。

大きな花びらが印象的なUnikko柄は、ケシの花をモデルにしており、花びらが柔らかく広がる様子が可憐に描かれている。洋服だけに限らず、食器やスマホケースなど生活雑貨のデザインにも起用され、日本では『Marimekko展』が開催されるほど人気が高い。

一見、女性向けのブランドにも思えるが、白と黒を基調としたメンズ商品も多数開発されている。

北欧雑貨

Unikko(ウニッコ)柄

2021年の今年、創立70周年を迎えるMarimekkoは、さらに個性的なデザインを生み出していくことが期待されている。

日本人デザイナーとのコラボ商品も企画され、Unikko柄を中心とした商品開発に目が離せない。

「北欧雑貨」に隠された感性

冬の寒さがとても厳しく、雪が降り続く時期も長い北欧諸国。冬の季節の大半を家で過ごす北欧の人々にとって、家具やインテリアは心の安らぎを見出す存在でもある。

そのため、シンプルで飽きのこないグレー、白、青といった淡色を主役にした部屋の雰囲気作りを大切にしている。木製のイスとテーブルといった自然素材で作られた家具と、動物や果物、植物など自然の豊かさをデザインしたインテリアを部屋に飾り、家の中でも北欧の自然を楽しめる工夫を行っている。

また、部屋の壁に活気をつけるために、ファブリックパネルやフック、ウォールステッカーといった『壁面インテリア』を利用するのも北欧スタイルならではの楽しみである。壁を飾る遊び心が部屋全体に動きを持たせ、華やかさを加えている。

北欧雑貨

壁面インテリア

「北欧雑貨」には、どこかレトロな要素も感じられるが、そこには北欧ならではの習慣が大きく関係している。

北欧では、食器や家具を始めとする日用雑貨を親から子へ受け継ぐ習慣がある。『長く使い続けられる家具こそ、質が良く耐久性も高い。』『世代を超えて使い続ける食器ほど、家族の愛情を深く感じられる。』と考えられているからだ。

新しい物よりも、長年多くの人々に使われてきた時代を物語る家具や雑貨が価値のあるものだと好まれる傾向が強く、そんな北欧の人々の想いが「北欧雑貨」にも反映されている。

「北欧雑貨」を現地から伝える人々

白が基調のインテリア

仕事や結婚を機に、北欧の国で生活を送る日本人バイヤーたちが立ち上げたオンラインショップを通し、最新の「北欧雑貨」を手に入れることができる。

スウェーデン、フィンランド、デンマーク、ノルウェーと北欧を代表する国々へ移住したことで、バイヤー自身も「北欧雑貨」に魅了され、現地でしか手に入らない日用雑貨を日本の北欧ファンに伝えている。

日本人の目線と感性で選び抜かれた北欧本場の「北欧雑貨」が​​​​​​手元に届く喜びは、周りと差をつけた自分だけの『北欧スタイル』を実現できる楽しみと、自身の生活の一部を彩り、癒しを与えてくれる存在であることを気づかせてくれる。

 

 

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草の実堂編集部

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草の実学習塾、滝田吉一先生の弟子。
編集、校正、ライティングでは古代中国史専門。『史記』『戦国策』『正史三国志』『漢書』『資治通鑑』など古代中国の史料をもとに史実に沿った記事を執筆。

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