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イギリス最大の高級百貨店ハロッズについて調べてみた 「ザ ハロッズ ティールーム」

ハロッズ

夜のロンドンに佇むハロッズの外観

イギリス、ロンドンの中心に聳え立つイギリス最大の高級百貨店「ハロッズ」。

長年イギリス王室の指定を受けいることから、世界のセレブたちが足繁く通う百貨店としても知られている。イギリス名産の紅茶から婦人服といった幅広い商品を揃えた330店舗もの専門店が集結しているため、「ハロッズ」に立ち寄れば、ロンドン土産の全てが揃うといわれるのも納得だ。

「ハロッズ」にはたくさんのテディベアが住んでいるというコンセプトがあり、来店客一人一人を出迎えるように『ハロッズべア』が飾られている。1986年から毎年限定のイヤーベアや、クリスマスベアを発売しており、限定のテディベアの左足にはその年の年号が刻まれ、ハロッズの歴史にまつわる話に因んで名前も付けられている。

ディズニーキャラクターでお馴染みの『くまのプーさん』もハロッズで生まれたテディベアであり、後に親友となるクリストファー・ロビンの1歳の誕生日に贈られたとされている。

ハロッズ

ハロッズのクリスマスベアに刻まれた年号

世界中が驚愕した「ハロッズ」に残る悲しい過去

1834年、「ハロッズ」の創業者チャールズ・ヘンリー・ハロッドが、洋服や紅茶を中心としたイギリス食品を販売する小売店を開始したのが「ハロッズ」の原点である。

1849年に「ハロッズ」を創業すると、瞬く間にイギリス最大の高級百貨店にまで成長した。創業以来5人の経営者によって所有されてきた「ハロッズ」だが、いちばんの転機となったのは、1985年にエジプト出身の実業家モハメド・アルファイド(以下モハメド)が「ハロッズ」の経営者に就任し、「ハロッズ」の経営がイギリス人の手を離れたことだ。

「ハロッズ」の店内にはエジプト装飾の『エジプシャン・エスカレーター』と呼ばれるエスカレーターがあり、モハメドの母国を象徴した場所として観光名所にもなっている。

モハメド・アルファイド

エスカレーターホールには、イギリス元妃のダイアナと、ダイアナの最後の恋人として世界に名を知らせたモハメドの実の息子であるドディ・アルファイドの記念碑が飾られていたが、2010年にカタール・ホールディングスが「ハロッズ」を買収した後に、父であるモハメドの元に返却された。

2人の悲惨な事故死には政府が関係していると主張し続けたモハメドは、2000年にイギリス王室御用達の指定を破棄、王室関係者に対しても「ハロッズ」への出入り禁止を宣言するなど、イギリス政府との対立を繰り広げてきた。世界中を驚愕させた2人の死は、「ハロッズ」に残る歴史的な悲しい出来事となったが、生前多くのイギリス国民から愛されたダイアナの存在は大きく、今も2人の死を弔う人々は絶えない。

「ハロッズ」を成功に導いた紅茶への工夫

「ハロッズ」の花形といえば、日本のデパ地下に当たる『フードホール』である。

ロンドン土産で好まれる紅茶から始まり、高級食材のキャビア、トリュフの専門店、日本食や中華料理まで充分な品揃えがされている。夕食どきには「ハロッズ」の惣菜を求め訪れる地元ロンドンの人々で溢れ返るのが日常の光景だ。

ハロッズ

ハロッズのフードホールの様子

本来、イギリス名産の紅茶の販売に重点を置いていた「ハロッズ」は、紅茶の味、銘柄、サイズ、美装缶のデザイン全てにこだわりを持つ。

飽きのこない定番のイングリッシュ・ブレックファストやダージリン、アールグレイは「ハロッズ」の看板商品だが、様々な紅茶をブレンドしたオリジナルブレンドシリーズは、紅茶を知り尽くしたイギリス国民をも唸らせる味わいだ。

また、ブレンドされた紅茶には四季を表す商品名が名付けられ、四季折々の花を描いた美装缶で揃える徹底ぶりである。

ハロッズ

アフタヌーンティー

「ハロッズ」を成功に導いたともいえるイギリス自慢の紅茶の味は、「ハロッズ」のアフタヌーンティーで味わうことができる。自前の予約を日本語で対応できる旅行者向けのサイトがあるため、日本人観光客も多く通い詰めている。紅茶は10種類から選択し、食事の途中で種類の変更も可能だ。

『ハロッズ』で楽しむアフタヌーンティーを日本語で行う際は、こちらの『グルヤク』から予約可能です。

《グルヤク》https://guruyaku.jp

※検索ワードに「ロンドン、ハロッズ」と入力して頂きますと、『ザ ハロッズ ティールーム』のページが表示されますので、本来はそちらから予約できるのですが、コロナ感染対策もありまして現在は予約を一時停止している状態です。再開も未定のようです。

英語ができる方は『ハロッズ』の公式サイトからのお問い合わせも可能です。

《ハロッズ アフタヌーンティー予約公式ページ》 https://www.harrods.com/en-gb/restaurants/the-harrods-tea-rooms

開放的な店内で、貴族気分を体験できる贅沢な時間を過ごすことができるのが人気の秘密だ。

「ハロッズ」のアフタヌーンティーには特にドレスコードの指定はないが、スニーカーやジーンズは控えて行くのが無難である。

新たな事業市場に参入した「ハロッズ」

観光客や地元ロンドンの人々の来店で賑わいを見せている「ハロッズ」は、2021年の今年に入り、ファッションレンタル市場に乗り出すことを発表した。4日間の貸出期間を設け、「ハロッズ」で販売されているデザイナーブランドの洋服を希望する顧客に貸し出す意向を示したのだ。

新型コロナウイルスの長期的なパンデミックにより、行き場を無くした在庫の活用と、ロックダウンにより人目に触れる機会が減ってしまった洋服の再起を賭けた決断とも取れる。

ハロッズ

ブティック

新型コロナウイルスの感染拡大で、売り上げが減少傾向に追い込まれた「ハロッズ」は、従業員600人以上の人員を削減するなど雇用への厳しい影響を受けていた。

売り上げの回復には長い時間が掛かるとされているが、ロックダウン解除という規制緩和が進んでいるイギリスでは、これまで制限されてきた結婚式などを含む大人数でのイベントや経済活動が再開されていく見通しである。

イベントに出席する際のドレスコードに「ハロッズ」のファッションレンタルサービスを活用する主要顧客が増えることを見越した狙いもある。

「ハロッズ」独自のおもてなし文化

世界各国に顧客を持つ「ハロッズ」は、語学に堪能な従業員が多いことでも一目置いている。2ヵ国語以上の言語を話せる従業員の胸元には、会話可能な国の国旗のバッチが付けられており、英語を苦手とする旅行者も安心して買い物ができる体制が整っている。

できる限り会話の中で言葉の壁が生じることを避け、来店時から退店時までの時間を楽しく過ごしてほしいという「ハロッズ」独自の世界に向けた『おもてなし』である。

また、「ハロッズ」の入り口で来店客を笑顔で出迎える『グリーンマン』と呼ばれるドアマンも「ハロッズ」が誇る『おもてなし』のひとつだ。

日本に通ずる『おもてなし文化』が「ハロッズ」には根強く残っていることが実感できる。

 

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草の実堂編集部 新井弘樹

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