海外

なぜダイヤが採れないのに「ダイヤモンドヘッド」なのか?

ダイヤモンドヘッド

Diamond Head wiki c

人気No.1の観光地と言っても過言ではないハワイ

そのハワイの中でも観光スポットは山ほどあるが、オアフ島の「ダイヤモンドヘッド」は誰もが知るスポットである。

ダイヤモンドヘッド(Diamond Head)は、ハワイ諸島オアフ島にある火山である。

名前からすると

ダイヤが採掘できる場所」もしくは「昔ダイヤが採掘できた場所

のような印象を受けるが、実はダイヤモンドヘッドではダイヤは全く採れないのである。

ダイヤモンドヘッドは元々現地の名前ではなかった

ワイキキやオアフ、アラモアナなどハワイの地名のほとんどは、現地の言葉でつけられた名前である。

実はダイヤモンドヘッドは現地の言葉では、「マグロの額」という意味で「レアヒ」(Lēʻahi)と呼ばれていた。

つまりダイヤとは元々何の関係もない名前だった。

それではなぜ「ダイヤモンドヘッド」と呼ばれるようになったのか?

それは18世紀後半にイギリスの船乗りたちがこの山を登った時に、火口付近で見つけた方解石の結晶をダイヤモンドと間違え、大喜びしたのが始まりとされる。

そのまま「ダイヤモンドヘッド」と名付けられてしまい、元の名前よりインパクトが強くキャッチーだったのか、そのまま広まり現在に至ってしまったというわけである。

ダイヤモンドヘッドは20世紀に入ると沿岸防衛のために一時的に軍事要塞化されたが、結局一度も使われないまま現在にいたっている。

 

草の実堂編集部

投稿者の記事一覧

草の実学習塾、滝田吉一先生の弟子。
編集、校正、ライティングでは古代中国史専門。『史記』『戦国策』『正史三国志』『漢書』『資治通鑑』など古代中国の史料をもとに史実に沿った記事を執筆。

✅ 草の実堂の記事がデジタルボイスで聴けるようになりました!(随時更新中)

Youtube で聴く
Spotify で聴く
Amazon music で聴く
Audible で聴く

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

  1. 2022年 北京冬季五輪における「外交ボイコット論」を振り返る …
  2. 注音符号とは 【台湾にもひらがなやカタカナがあった? ~中国語の…
  3. 「16歳で生贄に」 古代チベットの恐ろしい儀式と双子姉妹の悲劇 …
  4. 昆虫食の歴史 「昆虫はなぜ食べられなくなったのか?」
  5. 台湾の新型コロナウイルス対策方法 「買い物の実名登録制度、感染者…
  6. アメリカの歴史を簡単にまとめてみた
  7. なぜ第一次世界大戦は起きたのか? 「国民国家」という暴力装置
  8. 中国のネット流行語について調べてみた 「躺平、YYDS、野生消費…

カテゴリー

新着記事

おすすめ記事

蒋琬(しょうえん)とは 「幻の北伐計画 ~諸葛孔明亡き後の蜀の心臓」

孔明死後の蜀を支えた名臣三国志演義は、実質的なクライマックスである五丈原の戦いが終わると、姜維の…

やなせたかし、上京の裏にあった「女を追いかけて行くのか?」という批判の声 ※あんぱん

『月刊高知』編集部でともに働くうちに惹かれ合い、恋人同士となったやなせたかし氏と小松暢さん。…

天才と評された柳生新陰流最強剣士・柳生連也斎

柳生連也斎(厳包)とは柳生連也斎(やぎゅうれんやさい)は尾張柳生の祖・柳生兵庫助利厳の三…

「あの有名神社まで」なぜ明治政府は神社の名前と神を変えたのか?

明治維新で社号や祭神が変更された「八坂神社」「金刀比羅宮」「談山神社」。いずれも全国的に知られ、…

なぜ人間は土や木を食べられないのか?その理由が古代マヤ文明の創世神話にあった!

子供のころ、おままごとで泥や枝きれ、石ころや葉っぱなどを食べ物や料理に見立てたことがあるかと思います…

アーカイブ

人気記事(日間)

人気記事(月間)

人気記事(全期間)

PAGE TOP