海外

中国の人身売買について調べてみた 「誘拐されて眼球を売られる」

誘拐の多発

イメージ画像

皆さんは中国で起きている「児童誘拐」や「人身売買」についてご存知だろうか?

日本の誘拐のイメージだと、お金持ちの家の子供を誘拐して金銭と引き換えに子供を返すといった感じである。中国では、児童を誘拐して強制労働に従事させたり、もっと最悪なパターンだと臓器を売られたりや子供のいない人に売るなど、人身売買に使われたりする。

筆者が中国にいる間も誘拐のニュースはしょっちゅう耳にした。例えばこんなニュースがあった。

ある子供が誘拐され20年後に奇跡的に親元へ帰ることができたという。ところが彼女の両目はえぐり取られ売られてしまっていた。もう二度と本当の親の顔を見ることはできない。なんとも残酷な話である。

筆者の幼い頃は1人で普通に登下校したものだが、現在の日本は比較的安全な国なので、帰宅の際は集団下校や教師の付き添いもある。

中国に行ったばかりの頃、住んでいた家の近くに小学校があった。子供たちが登校、下校の時間になると小学校の前の道が渋滞する。その小学校では子供の安全のために親や家族が送り迎えする決まりがあった。

当初、なぜか分からなかった筆者は中国人の友人に聞いてみた。

すると友人は「なぜそんなことを聞くのか?」と怪訝な顔をし、日本では普通に児童が登下校していると聞いて驚いていた。そして中国では子供の誘拐がとても多いことを聞かされたのである。

こんなこともあった。

上海の地下鉄に乗っていた時、子供をおんぶした1人の女性が乗ってきた。そしてその女性は座っている一人一人の前でお辞儀し始めたのである。

物乞い」だ。

画像 : 物乞いする女性 彼女の抱く子供はどこからきた?

おんぶしている子供はギャアギャアと泣いている。女性は痩せ細ってみすぼらしいが、赤ちゃんは丸々と太っていた。

お金をあげた方がいいのかもと悩んでいると、友人は「決してお金をあげてはいけない。あの子供は誘拐されてきたに違いない」と言うのである。

誘拐も組織的な犯行でネットワークがあり、子供をあちこちで誘拐しては、物乞いの為に使ったり労働させたりしているというのだ。

物乞いビジネス」である。

なぜこんなに誘拐、人身売買が多いのか?

ある資料によると、いくつかの理由が考えられると言う。

●中国の計画出産が問題になっている

かつて「一人っ子政策」を実施していた中国では、生まれる前に子供の性別を知らせることに多くの医者が躊躇したという。なぜなら、生まれてくる子供が女の子なら堕胎されるケースが非常に多かったからだ。

一人っ子政策で家に1人の子供しか持てなかった時代、出来れば跡取りとなる男の子を求める家が多かったのである。そういった理由で人口比が狂い、男性が多く、女性が少ないのである。

中国の人口は今やインドに追いつかれそうな勢いではあるが、2030年までに15億人にも上ると予想される。1990年の男女の比率は100人の女性に対して男性は111人、最も差が激しい場所では100人の女性に130人の男性がいるという。

結婚相手を探すのも一苦労で、ある農村では「嫁を買う」人が非常に多かったという。

そのような背景もあって人身売買の市場は無くならないのである。

●人身売買の罪への刑罰が軽い

資料によると、古代人の道徳水準は現代よりも高かったという。

人身売買の罪は、蓁漢の時代は死刑、唐の時代では少し刑が軽くなり流刑(辺鄙な場所へ連れて行かれ労働)
そして清の時代にはまた死刑へと戻された。

人身売買は非常に重い罪であったのだ。では現代ではどうなっているのか?

不法に1匹のインコを買った場合、最高で5年の判決。不法に1人の女性を買った場合は、なんと最高で3年の判決なのである。不法インコ売買よりも刑が軽いのである。

次回は、中国の人身売買がなくならない理由について、さらにフォーカスして解説する。

関連記事 : 中国の人身売買が無くならない理由 「8人の子供の母親事件」

 

  • Xをフォロー
好きなカテゴリーの記事の新着をメールでお届けします。下のボタンからフォローください。

草の実堂編集部

投稿者の記事一覧

草の実学習塾、滝田吉一先生の弟子。
編集、校正、ライティングでは古代中国史専門。『史記』『戦国策』『正史三国志』『漢書』『資治通鑑』など古代中国の史料をもとに史実に沿った記事を執筆。

✅ 草の実堂の記事がデジタルボイスで聴けるようになりました!(随時更新中)

草の実堂Audio で聴く

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

  1. イギリス帝国の奇抜すぎる医療事情 「ヒルに血を吸わせる、痔にカタ…
  2. 【世界一美しい少女のミイラ】 ロザリア・ロンバルド 「パレルモの…
  3. 【夫が3人いる妻】 中国四川省の「一妻多夫制の村」とは
  4. なぜ日本は台湾を統治するようになったのか 「本当に親日家が多いの…
  5. 【無音の音楽】「4分33秒」の作曲家・ジョン・ケージについて調べ…
  6. 【トランプ前大統領・暗殺未遂事件】 ジョン・F・ケネディ暗殺との…
  7. 本場のメイド について調べてみた
  8. 中国人のビックリする習慣 【寝そべる、列に割り込む、道を渡る時は…

カテゴリー

新着記事

おすすめ記事

小田急線と沿線の観光名所について調べてみた

小田急電鉄小田急電鉄は、新宿と小田原、江ノ島、多摩東部を結ぶ私鉄路線である。新宿~小田原…

人間的な成長【漫画~キヒロの青春】⑪

それにしても最近毎日暑いっすね・・・・(-_-;)&nb…

宇宙では今まで何人が亡くなったのか?

宇宙飛行ミッションで21名が死亡宇宙飛行は、私たちに大きな夢と希望を与えてくれるが、それと比例す…

藤堂高虎はなぜ7回も主君を変えたのか調べてみた

生涯において7度も主君を変えながらも、その才能と明晰な頭脳により、着実に出世した武将が藤堂高虎である…

日本のAI技術が世界に普及する日が近い?【海外でも注目の日本のAIロボット】

最近はあらゆる場面で耳にするようになってきたAI(人工知能)ですが、中国やアメリカが先進国で…

アーカイブ

人気記事(日間)

人気記事(月間)

人気記事(全期間)

PAGE TOP