行ってみた

『選挙の現場』一般市民が担う「投票立会人」を体験してみた

画像:選挙イメージ pohotoAC

「投票立会人をやってみませんか?」

2月8日の衆議院議員総選挙に向けて、自治体からそんな案内が回ってきました。

正直なところ、選挙には行っていても「立会人が何をするのか」はよく知りません。

ただ、午前と午後に分かれていて半日ずつ担当できるとのこと。「半日ならいいかな」と思い、軽い気持ちで参加してみることにしました。

あくまでも私の自治体の例ですが、体験記をお届けします。

投票立会人とは?

画像:一人を選ぶイメージ photoAC

投票立会人は、投票所で投票が適正に行われているかを確認する役割です。何かを判断したり、指示を出したりする立場ではなく、決められた手順どおりに進んでいるかを見届けます。

投票立会人は、特別な資格が必要なわけではなく、自治体からの案内をきっかけに、一般の市民が務めることもあります。私の場合も、自治体から案内が回ってきたことで、この役割を知りました。

専門的な知識が求められるというより、当日決められた流れに沿って立ち会うことが大切な役割、という印象です。

基本的には二人の立会人が投票所内で待機し、投票の開始や終了の確認、投票箱の状況の確認などに立ち会います。

投票開始前

画像:雪の住宅街イメージ photo AC

投票立会人に特別な服装規定はありません。ただ、当日は寒いことが予想されていたので、防寒具を用意しました。長時間座るので、クッションなども持っていきました。

集合時間は朝6時30分、天気は雪。道路もうっすらと雪で覆われていました。

徒歩で向かう身としては遅れるのが怖く、かなり早めに家を出たところ、6時10分という少し早すぎる時間に着いてしまいました。ただ、会場に着いてみると、運営の方はすでに来ていて、雪かきや設営の準備が進められていました。

会場は体育館のような場所で、広い分、やはり暖房は効きにくかったです。

来るときは長靴を履いていたのですが、それでも雪が中に入ってしまい、気がつくと足先がかなり冷えていました。半日とはいえ、じっと座っている時間が長いので、体感的にはなかなか厳しい寒さです。

ただ、運営側も寒さは想定していたようで、カイロを配ってもらえました。このような細かい配慮はありがたかったです。

立会人の仕事について、事前のイメージは特にありませんでした。強いて言えば「たぶん暇なんだろうな」くらい。

仕事内容も、厳しい判断を求められるというより、投票が公正に行われているかを淡々と見届ける役割、という理解でした。

いよいよ投票開始!しかし人は少ない…

画像 : 国会議事堂 Kakidai CC BY-SA 4.0

投票開始は7時。投票開始の宣言が行われます。

開始直後、最初に投票する方と一緒に、投票箱の中が空であることを確認する作業がありました。確認後、投票箱には鍵がかけられました。

その確認が終わってから、いよいよ投票が始まります。

開始と同時に入場される方が数名いましたが、その後はしばらく、来場者はちらほらという感じでした。

人が少ない時間帯だったこともあり、会場の運営に携わる人が交代で投票を行っていました。私もこの時間に投票を行いました。少なくとも最初の2時間ほどは、あまり人が来ない時間帯が続いていたと思います。

業務中はスマートフォンを使うことができません。外部とのやり取りを避けるための決まりがあり、その点はかなり厳格です。

そのため、寒さに耐えながら、静かな時間を過ごすことになりました。

人が増えてくる時間帯

画像:投票イメージ photoAC

9時を過ぎると、投票に来る方が少しずつ増えてきました。

今回の選挙は、小選挙区、比例代表、国民審査の3種類があり、比例代表と国民審査については、同時に投票用紙が渡されます。そのため、2つ並んだ投票箱のどちらに入れるか、少し迷われる方も時々いました。

そのような場合には、近くのスタッフが、声をかけて案内していました。私もお声がけをしました。

また、ごくまれに、投票用紙が投票箱の投入口に引っかかったまま、完全に中に入らずに残ってしまうことがありました。

その場合には、投票用紙を投票箱の中に入れ直しました。次に投票される方が、気づいてそのまま中に入れてくださる場面もありました。

とはいえ、基本的には座っている時間がほとんどでした。

休憩と引き継ぎ、そして半日の終わり

画像:昼休憩イメージ photoAC

休憩は、10時頃に15分間、12時頃から45分間取りました。もう一人の立会人の方と交代しながらの休憩です。

休憩用の部屋が用意されており、そこで体を休めることができました。暖かい飲み物やお菓子があり、昼休憩の時間にはお弁当も用意されていました。

13時30分に、午前担当としての役割を終えました。引き継ぎをして会場を後にします。

「何も起きない状態」を保つ仕事

会場では、運営に携わる方々が丁寧に案内してくださり、初めての立会人でも戸惑うことなく過ごすことができました。

大きな出来事はありませんでしたが、「何も起きない状態を保つ」ことが大切な仕事でした。

半日という短い時間でも、普段は見えない裏側を知ることができました。

文 / 青汐茉莉 校正 / 草の実堂編集部

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大学院ではカルタゴ史を研究。多様な文化が交わる古代地中海世界を、文献史料と考古学資料から読み解いています。専門的な内容をわかりやすく紹介し、古代世界の魅力を身近に感じていただけるような記事を目指していきます。

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