政治,経済

世間の関心が高まっている今だから見ておきたい! 『国会議事堂見学』

『国会議事堂見学』

画像 : 本会議場 ※著者撮影

政治資金問題など、世間の政治に対しての関心が高まっている今日この頃。
政治のニュースには、もううんざり」という方もいらっしゃるかもしれませんね。

こんな時だからこそ、政治の世界に目を向けて、一つ一つチェックしてみると政治に対するイメージも変わるかもしれません。

今回は、小学校の社会科見学で訪れたことがある方も多いと思われる「国会議事堂」についてご紹介します。

個人見学も可。「国会議事堂見学」

国会議事堂というと「事前予約の上、団体で見学する場所」というイメージが強いかもしれませんね。
実際は、事前予約なしで、かつ個人でも見学ができます。

国会議事堂は、みなさんご存じの通り、シンメトリックで「衆議院」「参議院」で半々ずつのつくりとなっています。
「衆議院」「参議院」それぞれで見学(参観と呼ぶ場合あり)の制度があります。

国会会期中以外の見学実施の有無など、事前電話確認をした方が良いケースもありますが、
HPの情報をもとに、計画を立ててみるとよいかもしれません。

衆議院 (https://www.shugiin.go.jp/internet/index.nsf/html/index.htm)
参議院 (https://www.sangiin.go.jp/)

「国会議事堂」建設秘話

『国会議事堂見学』

画像 : 外観 ※著者撮影

17年の工事期間を経て1936年に完成した国会議事堂。
このデザインはどんな風に考えられたか、ご存じでしょうか?

懸賞制度を設け、募集をしたとのことです。
118点の応募があり、その中から1等に当選した渡邊福三氏のデザインが採用されました。
渡邊氏は当時の宮内省の技手をされていた建築家とのことです。

そして、気になる賞金額は、おいくらだったと思いますか?
現在の金額にして1億円は超えていたといわれています。

残念ながら、当時流行していた「スペイン風邪」に感染したことで渡邊氏は亡くなってしまい、国会議事堂の完成を見届けることはできなかったようです。

なお、設計書はなんらかの理由で焼失してしまい、国会議事堂の中は今でも謎の部分が多いといわれています。

また、国会議事堂の工事費は現在の金額で620億円、工事にかかわった作業員は延べ254万人でした。

地上3階・地下1階・鉄骨鉄筋コンクリート造りの国会議事堂の中央広間部分は、「法隆寺の塔」がすっぽりおさまる高さとなっています。

国会議事堂内の銅像・台座の謎

『国会議事堂見学』

画像 : 台座 ※著者撮影

国会議事堂の中央広間には4つの台座があり、その内の3つの台座には銅像が飾られています。
それぞれの制作者は異なりますが、50周年の記念銅像ということで制作されました。

3つの銅像はどなたをイメージしたものかご存じでしょうか?

板垣退助:明治時代の初めに国会開設を求めるための「自由民権運動」を起こした人物。日本で最初の政党「自由党」の党首
大隈重信:日本で最初の「政党内閣」の総理大臣。「立憲改進党」の党首。議会政治確立のために活動した人物。
伊藤博文:日本で最初の「内閣総理大臣」。1889年発布の「大日本帝国憲法」の起草を中心になって行った人物。

この3名の銅像になります。

ちなみに、この3名はこの国会議事堂の演壇に立った経験はありません。
現在の経済産業省の場所にあった「仮議事堂」時代に活躍した政治家3名であるため、今の国会議事堂には足を踏み入れたことはありませんでした。

そして、残り1つの台座には銅像はありません。
人選がまとまらなかった」とも「政治が未完であることの象徴」とも言われています。

現在の総理大臣である岸田総理大臣は、101代目の総理大臣。
今後はどんな総理大臣が誕生していくのでしょうね。

日本のために尽力してくれる総理大臣の誕生を、今後も願うばかりです。

比較的新しい「参観ロビー」

現在の25歳以上の方にとっては、比較的新しいともいえる情報をご紹介しましょう。

国会議事堂見学の際、手荷物検査後に、まず足を運ぶのは「参観ロビー」とよばれるところです。
衆議院側の「参観ホール」については議会開設110年にあたる2000年に完成しました。

第一会派から選ばれる「衆議院議長」・第二会派から選ばれる「衆議院副議長」の写真が展示されています。
2023年夏に足を運んだ際には、細田衆議院議長の写真が展示されていましたが、額賀衆議院議長にかわったため、今は変更されていることでしょう。

また、大きなディスプレイには過去の本会議の映像や、国会議事堂のつくりに関する説明、法律制定の過程などの説明映像が流れています。
「石の博物館 国会議事堂」というパネルも展示されていて、国産の石を使った上で国会議事堂が建設されたという説明があります。

「参議院参観ホール」にもパネル展示などもありますが、「議員席の複製」なども展示されています。

おわりに

今回は、国会議事堂の見学方法についてのご説明の他、国会議事堂に関するごく一部の情報ということで、国会議事堂の建設秘話・中央広間の銅像・参観ロビーについてご紹介しました。

大人になってからあらためて見学をすることにより、感じ取れることは多々あります。

ひょっとしたら政治の世界に大きな動きがでるかもしれない今だからこそ、政治の世界に目を向けてもらえれば嬉しいです。

参考 :
衆議院 (https://www.shugiin.go.jp/internet/index.nsf/html/index.htm)
参議院 (https://www.sangiin.go.jp/)

 

アバター

草の実堂編集部

投稿者の記事一覧

草の実学習塾、滝田吉一先生の弟子。
編集、校正、ライティングでは古代中国史専門。『史記』『戦国策』『正史三国志』『漢書』『資治通鑑』など古代中国の史料をもとに史実に沿った記事を執筆。

✅ 草の実堂の記事がデジタルボイスで聴けるようになりました!(随時更新中)

Youtube で聴く
Spotify で聴く
Amazon music で聴く
Audible で聴く

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

  1. 蘇我入鹿は本当に「悪人」だったのか?地元の想いが宿る『入鹿神社』…
  2. 【いわき市の歴史と共に】 太平洋・島サミットの会場にもなった「ハ…
  3. 一宮 彌彦神社(弥彦神社)に参拝に行ってきた【新潟オススメ観光】…
  4. 奈良の東大寺近くにある謎のピラミッド「頭塔」に行ってみた
  5. 日本の借金と稼ぐ力について調べてみた
  6. 江戸幕府黎明期、徳川と朝廷に関係が深い京都「一乗寺・雲母坂界隈」…
  7. 本当の刑務所について体験し調べてきた【実録】
  8. ハワイ島 オーラが見える洞窟の行き方【マウナラニ】

カテゴリー

新着記事

おすすめ記事

餃子ライスが美味しい東京のお店 12選【餃子の歴史】

餃子はすっかり日本に定着している中華料理。今や日本料理の1ジャンルといっても過言ではないです…

【あなたを母親だと思ってる?】 飼い猫の仕草には様々な意味があった 「サイレントニャーとは」

犬や猫を飼っている方は大変多いだろう。犬は全身で感情表現をする事が多いが、猫の気持ちを理…

15才で家康を産んだ母・於大の方(演 松嶋菜々子)は史実ではどんな女性だった? 【どうする家康】

於大の方とは於大の方(おだいのかた)とは、戦国の世を統一し260余年にも及ぶ平和な江戸時…

秀吉は薩摩人で明智光秀は二人いた? 明史-日本伝 【中国から見た秀吉と信長】

はじめに1590年(天正18年)、長きに渡る戦国乱世を終わらせた天下人豊臣秀吉は、世界の…

『日本初のミスコン1位』 明治の美少女・末弘ヒロ子 「私本当に困ります…学校強制退学」

ミス・コンテスト、略して「ミスコン」とは、その名の通り独身女性を対象として容姿を競うイベントであり、…

アーカイブ

PAGE TOP