オールシーズン、国内外からの観光客で賑わう『上野恩賜公園』。
広大な敷地内は都会の中とは思えないほど樹木が多く、老若男女が楽しめるさまざまな施設もあり、四季折々楽しめる場所です。
春は花見客で賑わいますが、実は桜が舞い散ったあとの、4月下旬から5月にかけての「新緑」シーズンがおすすめです。
今回は、今の季節にぴったりな「上野のおすすめ新緑&文化&芸術に触れる散歩コース」を写真でご紹介しましょう。

画像:『上野の森美術館』前の緑濃い森(撮影:桃配伝子)
「奇跡の音響」を楽しめる『東京文化会館』
上野駅「公園口」の改札から外に出ます。
駅を背にしてまず目に入るのは、左手にある『東京文化会館』。
ここは「首都東京にオペラやバレエもできる本格的な音楽ホールを」という要望に応え、東京都が開都500年事業として建設されました。
1961(昭和36)年4月にオープンし、2026年で開館65年を迎えるホールです。
「奇跡の音響」を持つことで有名で、世界中の著名なアーティストによるさまざまな公演が行われています。
モダニズム建築の旗手として第二次世界大戦後の日本建築界をリードした、故前川國男氏による代表的なモダニズム建築としても有名です。
館内には音楽にまつわるグッズが買えるセレクトショップや、精養軒のレストランなどもあります。
『東京文化会館』
所在地:東京都台東区上野公園5-45
公式HP:https://www.t-bunka.jp/

画像:「奇跡の音響」と言われる『東京文化会館』(撮影:桃配伝子)
西洋美術の殿堂『国立西洋美術館』
『東京文化会館』の向かいにあるのが、『国立西洋美術館』です。
フランス政府から寄贈返還された松方コレクション(印象派絵画およびロダンの彫刻などのコレクション)を基礎に、西洋美術に関する作品を広く公衆の観覧に供する機関として、1959(昭和34)年4月に設立され、同年6月に開館しました。2026年で設立67年を迎えます。
設計は、ル・コルビュジエ(Le Corbusier)。本館は世界文化遺産「ル・コルビュジエの建築作品」の構成資産のひとつに登録されています。
日本で唯一の国立の西洋美術専門館として、展覧会のほか、作品や資料の収集・調査研究・保存修復なども行っています。
広々とした前庭には、ロダンによる「カレーの市民」「地獄の門」などの作品があり、ミュージアムショップのさまざまなグッズ類も人気です。
『国立西洋美術館』
所在地:東京都台東区上野公園7番7号
公式HP:https://www.nmwa.go.jp/jp/

画像:広々とした前庭にはロダンの彫刻が。『国立西洋美術館』(撮影:桃配伝子)

画像:ロダンの「カレーの市民」。6人の市民がそれぞれの絶望と苦悩のうちに、市の鍵を手に、首に縄を巻いて裸足で市の門を出て行く群像(撮影:桃配伝子)

画像:ロダンの「地獄の門」(撮影:桃配伝子)
動物・恐竜・海洋生物ワクワクが止まらない『国立科学博物館』
『国立科学博物館』は、来年2027年に開館150周年を迎える歴史ある博物館です。
1877年に創立された日本で最も歴史ある博物館の一つで、自然史・科学技術史に関する国立としては唯一の総合科学博物館。
催し物は人気があり、入場までにずらりと長い行列ができることも珍しくありません。
日本列島の成り立ち・多彩な生き物・昔の暮らし・海洋生物・恐竜など見ごたえのある展示物のほか、さまざまな生き物をモチーフにしたグッズがたくさんあるミュージアムショップも大人気です。
『国立科学博物館』
所在地:東京都台東区上野公園7-20
公式HP:https://www.kahaku.go.jp/

画像:西洋美術館から科博までの新緑ロード(撮影:桃配伝子)

画像:大きなクジラが目印『国立科学博物館』(撮影:桃配伝子)

画像:科博の入り口の大きな木の下に蒸気機関車「D51」(撮影:桃配伝子)
イベントも行う『噴水広場(竹の台広場)』
『国立西洋美術館』からすぐのところにあるのが、広々とした『噴水広場(竹の台広場)』。
東京国立博物館の前庭として設けられた広場で、江戸時代の根本中堂跡に位置しています。
広場の大噴水は、2009年から3年間の改修を経て、2012年にリニューアルされました。
この場所では定期的にさまざまなイベントが開催されています。
私が訪れたときに行われていたのは「酒まつりジャパン」。全国200銘柄の利き酒や屋台グルメを楽しむ人々で賑わっていました。

画像:この日は全国の銘酒と名物が集まった「酒まつりジャパン」を開催(撮影:桃配伝子)
明治8年創業・日本家屋の会席料理店『韻松亭』
「噴水広場(竹の台広場)」を背にして右手には『上野動物園』の表門があり、目の前には『さくら通り』と呼ばれる幅の広い道があります。
春は桜が見事なのですが、桜が散った後は新緑が美しい新緑通りになります。
少し歩くと右手に、クラシカルな日本家屋が素敵な、明治8年創業の豆菜料理を中心とした会席料理の店『韻松亭(いんしょうてい)』があります。
お座敷から景色を眺めながら、見た目も美しい料理を楽しめるので人気のあるお店です。
『韻松亭』
所在地:東京都台東区上野公園4-59
公式HP:https://www.innsyoutei.jp/

画像:大きな樹木に囲まれた「上野動物園」の入り口(撮影:桃配伝子)

画像:風情のある日本家屋『韻松亭』(撮影:桃配伝子)
朱の鳥居が外国人客に大人気『花園稲荷神社』
『韻松亭』の隣にあるのが、『花園稲荷神社』です。
創建の時期は不明ですが、衣食住を守り、縁結びのご利益がある神社として知られています。
朱の鳥居が連なる東参道も印象的で、幕末の上野戦争では彰義隊の最後の激戦地「穴稲荷門の戦」の舞台にもなりました。
入り口の位置の鳥居をくぐると、小さな朱の鳥居がずらっと続く景色が海外の観光客に人気で、常に写真を撮影する人で賑わっています。
上を曲がり、坂を降りたところにある東参道にも朱の鳥居が連なっています。

画像:朱色の鳥居が続く『花園稲荷神社』(撮影:桃配伝子)

画像:『花園稲荷神社』の東参道(撮影:桃配伝子)
無病健康・病気平癒のご利益をいただきに『五條天神社』
『花園稲荷神社』に隣接しているのが、江戸三大天神のひとつに数えられる『五條天神社』。
『さくら通り』から少し離れた樹木に囲まれた境内は、別世界です。
社伝によれば、約1900年前の第12代景行天皇の頃、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東夷征伐の折に上野山周辺を通り、薬祖神である「大己貴命(おおなむちのみこと)」「少彦名命(すくなひこなのみこと)」の二神の御加護に感謝して、この地に祀ったことが創祀とされています。
相殿には、学問の神様として知られる菅原道真公も祀られています。
病気平癒や手術・検査の無事を願う人のほか、医療や薬に関わる人々も参拝に訪れます。毎月10日には「医薬祭」が行われ、無病健康や病気平癒の祈祷が受けられます。
また、6月末と12月末には「大祓式(おおはらえしき)」も行われます。
半年のあいだに知らず知らず身についた罪や穢れ(けがれ)を祓い清め、次の半年の無病息災を願う儀式で、本殿前に設けられた茅の輪をくぐります。
『五條天神社』
所在地:東京都台東区上野公園4-17
公式HP:https://www.gojoutenjinsha.com/

画像:さくら通りからちょっと入ったところにある『五條天神社』(撮影:桃配伝子)

画像:木々に囲まれ静寂に包まれた『五條天神社』(撮影:桃配伝子)

画像:八角形で八角柱の珍しい五條天神社の手水舎。(撮影:桃配伝子)

画像:6月末と12月末に行われる「茅の輪くぐり」で穢れを落とそう(撮影:桃配伝子)
新緑の木陰を抜けて『上野の森美術館』へ
お参りをしたあとは『さくら通り』を横切り、『摺鉢山』『清水観音堂』の方向へ進みます。
このあたりは木々が深く、犬の散歩をする人や、敷物を広げて休憩する人の姿も見られます。
周辺には、日本に漢字や儒学を伝えたとされる百済の賢人・王仁博士の偉業を顕彰する『王仁博士碑』や、1972(昭和47)年に開館した『上野の森美術館』があります。
『上野の森美術館』では開館以来、重要文化財の公開をはじめ、さまざまなジャンルの美術を紹介してきました。
美術館を背にして右手へ進めば、『東京文化会館』のほうに戻ることができます。
『上野の森美術館』
所在地:東京都台東区上野公園 1-2
公式HP:https://www.ueno-mori.org/

画像:鬱蒼とした緑の森は散策したり座ってピクニックしたりして森林浴を楽しむ人が。(撮影:桃配伝子)
最後に

今回ご紹介した「新緑散歩ルート」の地図です。(地図作成:桃配伝子)
見上げるほどの巨木から若い木まで緑豊かな『上野恩賜公園』。
見所はたくさんありますが、今回は新緑を堪能するコースをご紹介しました。
樹齢の長い見上げるほど大きな樹木も多く、都会にある公園とは思えないほど、豊かな緑を堪能できます。天気のいい日は、わんちゃんやお子さん連れの方もよく見かけます。
森林浴を楽しみながら、好きな展示物を見学したり、歩き疲れたらベンチや地面に敷物を敷いてのんびりくつろいだり。
歩きやすい靴と水筒とおにぎりを持って、新緑と文化に触れる散歩にでかけてみませんか。
文・撮影/桃配伝子 校正/草の実堂編集部

























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