1.お雑煮について
おもに、お正月に食べる日本料理ですが、そのスタイルは地域や家庭によってさまざまです。
味噌や具など、なにが正しいお雑煮かを決めることは到底できず、家庭の数だけお雑煮のバリエーションがあるといっても過言ではありません。
お雑煮には、全国的にどのようなバリエーションがあるのかを調べてみました。(※県の代表的なお雑煮を取り上げますが同県でも地区によってはバラつきがある場合もございます)
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2.すましのお雑煮
醤油や塩で味付けをするシンプルなおすましの出汁はどんな具材にも合い、とても口当たりのいいお雑煮となります。
全国的に分布しており、お雑煮の主流ともいえるのではないでしょうか。
東北から関東にかけての地域は、ほぼ全域がすましで作られています。
全国お雑煮図鑑 のなかからいくつかご紹介します。
・岩手
焼き切り餅と鳥もも肉をメインに煮干しのだし汁で作ったお雑煮です。
くるみだれを添えることで自然な甘みを楽しむことができ、出汁の塩気との相性がよく食が進みます。
・千葉
一年間、はばをきかせられるようにと、はば海苔を添えたお雑煮です。
焼き切り餅にかつおのすまし汁とオーソドックスながら、はば海苔や青のりのおかげで磯の香りを感じられる一椀です。
はば海苔を下ごしらえ時に軽く炙っておくのがポイントです。
・新潟
いくらや鮭を加えた贅沢なお雑煮です。
具沢山なため食べごたえもあり、山の幸と海の幸を存分に味わえるものとなっています。
3.味噌のお雑煮
味噌仕立てのお雑煮には白味噌、赤味噌が使われていますが、おもに関西圏で使われています。
京都や大阪、奈良ではほんのりとした甘みが美味しい白味噌が、三重や福井では赤味噌が使われます。
青森でも赤味噌が使われることがあるようで、東日本では唯一ではないでしょうか。
そんな味噌仕立てのお雑煮をいくつかご紹介します。
・青森
郷土料理のけの汁に焼いた切り餅を入れます。
赤味噌をベースに、こんにゃくや油揚げなど具沢山なお雑煮です。
食べごたえもあり、ほっこりとする美味しさが特徴です。
・京都
上品なあじわいの白味噌は京都のイメージにぴったり。
やつがしらと呼ばれる里芋の一種を使ったり、柚子の皮を入れることで香りもよいお雑煮です。
・奈良
京都と同じく歴史のある奈良のお雑煮も白味噌が主流です。
京都と違うのはきな粉が添えられており、お餅をきな粉につけて食べます。
きな粉の色は豊作の色といわれており、新年も農作物の豊作を願う気持ちが込められています。
・香川
全国的に見ても一風変わったお雑煮が香川のお雑煮です。
白味噌を使っていますが、餅はあん餅を使用しています。
白味噌とはまた違った甘さを楽しむことができ、
上に散らした青のりがアクセントとなって食べ飽きることのない美味しさを堪能できます。
○その他のお雑煮
・鳥取の小豆雑煮
鳥取のお雑煮は、他の都道府県と比べても珍しく、小豆を使ったおぜんざいのようなものになっています。
具材も丸餅のみという大変シンプルなもの。
また、県中部では丸餅の代わりにとち餅を使うようです。
とち餅とは、灰汁抜きをした栃の実をもち米と一緒に蒸したお餅のこと。茶色がかった粘りの少ないお餅です。
独特の苦味があるものの、小豆の甘みとの相性がいいとされています。
4.お雑煮の餅について
お雑煮といえば出汁の他にお餅がメインといっても過言ではありません。
そのお餅も地域によって焼いたり茹でたり、切り餅だったり丸餅だったりと分かれています。
お餅も東日本は切り餅、西日本は丸餅が多いという傾向が見られます。
そもそも何故、二種類のお餅が存在するようになったのでしょうか。
一説によると、江戸では人口が他の地域より多いため、餅を丸めるという手間をかけられず大量生産できる切り餅が使われるようになりました。
たしかにお餅を丸くするとなると、ひとつずつ手作業が必要となり数を必要とした場合、時間や手間がとてつもなくかかってしまいます。
四角く切るだけの切り餅ならさまざまな場面に対応でき、今にも受け継がれているのですね。
また、切り餅は焼き、丸餅は茹でて入れるのも一般的なようです。
5.まとめ
今回は全国お雑煮図鑑を運営している前原製粉株式会社様から了承を頂き画像など一部引用させていただきました。
前原製粉は明治末期より穀粉業を営んでおり、白玉やお団子などの元になる、様々な和粉やお餅などを一から製造販売している老舗中の老舗です。本社は兵庫県でありますが通信販売もありますので、美味しいお団子やお餅など食べてみたい方は覗いてみてください。白玉粉やきな粉、片栗粉など和粉の扱いに関してもかなり詳しく記述してあります。http://www.gishi.co.jp/home/
日本人にとってお雑煮は新年を走り出すための力の源となる食べ物です。
温かい出汁と地域特有の具材を家族みんなで楽しめる時間はとても貴重なものです。
全国各地、レシピや材料は違えど根づいた風習は大切にしていきたいものです。
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