渋野日向子選手、全英女子オープン制覇!
先日(最終日 8/5)行われた全英女子オープンでは、渋野日向子選手(20歳)が優勝。
日本勢のメジャー優勝は男女を通じて樋口久子さん以来、42年ぶり二人目の快挙です。
ゴルフ好きといわれる日本人ですが、特に女性はまだまだなじみのない方も多く、今回のことで始めて興味を持たれた方も多いのではないでしょうか。
そこでそもそもゴルフとは、また全英女子オープンとは、また渋野日向子さんとはどんな選手なのかわかりやすく解説いたします。
ゴルフの起源とルール
起源はスコットランド、オランダ、中国など発祥は諸説あり、定まっているものではありません。ただ、現在のゴルフが発展完成し、近代スポーツとなったのはスコットランドであるのは間違いないようです。
1750年ごろセントアンドリュースにゴルフクラブができ、1890年には世界初の選手権大会である全英オープンがはじまりました。
ゴルフはゴルフ場として整備された場所のコースでクラブとよばれる棒でボールをうち、直径10.8cmのホールと呼ばれる穴に如何に少ない打数で入れられるかを競う競技です。一般にゴルフ場にはホールが18あります。
各ホールには、あらかじめ規定の打数が定められており、この打数と等しい打数でホールに入れることをパーといいます。以下1打少ないことをバーディー、2打少ないことをイーグル、3打少ないことをアルバトロスといいます。また、一つのホールに1打で入れることを、ホールインワンと呼びます。
逆に1打多い場合は、ボギー。以下、打数が増えるごとに、ダブルボギー、トリプルボギーと呼びます。
18ホールのゴルフコースのパーは、72に設定されるのが一般的です。(パー5)が4つ、(パー4)が10、(パー3)が4つというのが標準的です。パー72に対して72打数の場合、イーブンパーといいます。パーより少なく71打数ならば1アンダー、70打数ならば2アンダー、以下同様になります。逆に73打数ならば1オーバーとなります。
世界中にあるゴルフ場は約3万2千で、約半数はアメリカにあります。世界のゴルフ人口は約6000人といわれ、競技を生業とするツアープロは約7000人といわれてます。
全英女子オープンとは
プロのゴルフの大会で世界でもっとも権威のあるのがメジャー選手権で、男子は、マスターズ・トーナメント、全米プロゴルフ選手権、全米オープン選手権、全英オープン選手権の4つです。
女子の場合は5大メジャーと呼ばれ、ANAインスピレーション、全米女子オープン選手権、全米女子プロゴルフ選手権、全米女子オープン選手権、エビアン選手権です。
全英女子オープン選手権は男子の全英オープン選手権に相当する大会で、毎年8月にイギリスで開催されています。以前は日本企業のリコーがスポンサーでしたが、今年以降はアメリカン・インターナショナル・グループがスポンサーとなり「AIG全英女子オープン」と呼ばれ、2018年現在、賞金総額450万ドル、優勝賞金67.5万ドル(約7400万円)です。
渋野さんは優勝インタビューで賞金を知らなかったのもほほえましいエピソードでしたね。
メジャー大会昇格後の2001年以来の優勝選手の国籍は韓国6勝、アメリカ2勝、イングランド2勝、台湾2勝、オーストラリア、スウェーデン、メキシコ、スコットランド、タイ、日本が各1勝となっています。
なお韓国のシン・ジエ、パク・インビが2勝、台湾のヤニ・ツェンは2連覇(2010、2011年)しています。なお日本人選手では、2008年に不動裕理選手、2009年宮里藍選手がそれぞれ3位にはいってます。
かつては日本選手も全英優勝!?
日本人選手のメジャーでの成績はどのようになっているのでしょう。
なんといっても1977年の樋口久子選手の全米女子選手権での優勝が光ります。なにしろそれ以来42年間も勝っていないのですから。
しかし、あと一歩惜しくも届かなかった選手は何人もいます。米ツアーで賞金王になったこともある岡本綾子選手はメジャー3位以内が、10回もあり、87年の全米女子オープンでは、プレーオフで涙をのんでいます。小林浩美選手,福嶋晃子選手、不動裕里選手、宮崎藍選手、宮崎美香選手などが活躍。
なお渋野選手と同じ年の20歳の畑岡奈紗選手は、昨年の全米女子プロ選手権で最終日9打差を追いついてプレーオフに進出しましたが勝てませんでした。
男子では日本勢は2位が最高で青木功プロと松山英樹プロがいずれも全米プロ選手権で達成しました。
いろいろ調べている中である発見をしました。なんと全英女子オープンを勝ってる選手がいたんです。1984年のウォーバンゴルフ&カントリークラブで岡本綾子選手が優勝しているんです。メジャー昇格のはるか前とはいえ、まぎれもなく全英女子オープン、2位に11打差のぶっちぎりの優勝でした。
笑顔のシンデレラ誕生!
渋野日向子選手は岡山県出身の20歳、身長165センチ、体重62キログラム、血液型AB型です。お父さんは筑波大陸上部時代の砲丸投げの選手、お母さんは同やり投げの元選手でした。
こういった“血筋”で渋野選手も子供の頃からスポーツに親しみました。小学2年からゴルフとソフトボールをはじめ、中学になると、監督に頼み込み野球部にはいりました。ゴルフは中学2年から専念し岡山県のジュニア選手権3連覇、高校はゴルフの強豪校の作陽高校に入学、全国高校選手権団体優勝などを経験しました。
プロテストは2回目の2018年に合格しました。今年(2019年)5月のワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップでLPGAツアー初優勝。20歳178日は大会史上最年少の優勝となり全英女子オープンの出場権を獲得しました。7月には新設の資生堂アネッサレディースオープンも優勝。勢いをつけての海外初挑戦となりました。
大会前の目標は「予選突破」ながら初日と2日は2位、3日目は2位に2打差の単独首位となる脅威のプレーで日本でも世界でも一躍注目を浴びました。最終日は3番ホールでダブルボギーを叩いて後退するも終始強気に攻めます。圧巻は12番ホール、池越えのパー4、他の選手が安全策をとりフェアウェーを“きざむ”中、ここが勝負とドライバー一閃、ぎりぎり1オンでバーディーをきめました。トレーナーだった青木コーチは一瞬、「死んだ」と池を覚悟したそうです。
最終18番では外せばプレーオフの5mのバーディーパットを強く打ち切り“壁ドン”で決め快挙をなしとげました。プレー中にも常に笑顔を見せファンとのハイタッチやサインに積極的に応じる姿、おにぎりや駄菓子を食べるリラックスぶりが話題を呼び、「笑顔のシンデレラ」は一夜にして世界を魅了しました。
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