2020年7月13日、とても悲しいニュースが世界中を駆け巡りました。
2009年から2015年まで放送されたアメリカの大ヒットドラマ『glee』。
冴えない高校生活を送っている生徒たちが、グリークラブ(合唱部)のメンバーとしての活動を通して、次第にありのままの自分自身を取り戻してゆく姿を描いた青春ドラマです。
当時はほとんど扱われていなかったLGBTに関する問題や、人種差別、望まない妊娠や子供の貧困など、社会問題を深く描いたことで、世界中の多くの人々から評価され、愛されました。
そんな『glee』の出演者のひとり、歌手で女優のナヤ・リヴェラが、息子と出かけた先の湖で水難事故に遭い、溺死してしまったのです。
この悲しいニュースを受け、世界中の『glee』ファンが悲しみにくれました。
そこでこの記事では、2020年7月13日に亡くなったナヤ・リヴェラがどんな人を調べるとともに、彼女の冥福をお祈りしたいと思います。
ナヤ・リヴェラってどんな人?
ナヤ・リヴェラさんは1987年1月12日、アメリカ合衆国カリフォルニア州で生まれました。
プエルトリコ系の父親とアフリカ系アメリカンの母親から生まれたナヤは、ラテン系とアフリカ系の血を引いたエキゾチックな顔立ちと、抜群のスタイルで、多くのファンを虜にしていました。
ちなみに、弟のマイカル・リヴェラさんは、プロのフットボール選手として活躍おり、姉弟ともに有名人です。
お母さんがモデルを目指していたということもあり、ナヤは生後9か月の時にはすでに、モデルとして芸能事務所に所属していました。
その後、数々のテレビやCMに子役として出演していましたが、2009年に『glee』の出演が決まるまでは、なかなか大きな役をもらえず、色々なアルバイトをして生計を立てていました。
『glee』ではグリークラブの一員であるサンタナ・ロペス役を演じたことで注目され、2012年にはALMA賞の最優秀音楽アーティスト賞を受賞するなど、歌手としての活動も軌道に乗っていました。
15歳の頃から曲作りを始めたナヤは、“音楽が一番情熱を捧げられる趣味”だと発言しています。
私生活では2012年に俳優のライアン・ドーシーさんと結婚。
2015年には第一子である男の子をもうけますが、2018年に離婚しました。
ですが元夫との関係はいたって良好だったようで、事故に遭う前日にも、息子を交えて3人で食事をしていたそうです。
ナヤが演じた『glee』のサンタナって?
(ナヤ演じるサンタナ(右)と、ヘザー・モリス演じるブリトニー(左)。)
『glee』でナヤが演じたサンタナ・ロペスは、彼女の女優人生の中でも代表的な役のひとつだといえるでしょう。
サンタナは元・チアリーディング部のメンバーで、学校の中でもカーストの上位にいる、いわゆる“イケてる女子”のひとりです。
ひょんなことからグリークラブに入部することになりますが、相手が傷つくこともお構いなしに毒舌を炸裂され、なんでも思ったこと口に出してしまう率直な性格です。
そのため、グリークラブの中で問題を起こすこともしばしば。
ですが、実は自身のセクシャリティについて深く悩み、傷ついているという一面を持っています。
様々な男子生徒と関係を持っているものの、実はサンタナはレズビアンであり、同じグリークラブの女子生徒・ブリトニーに一途な恋愛感情を持っています。
最終的にサンタナはブリトニーと結ばれ、2人は結婚することになるのですが、ドラマの中では自分がレズビアンであるということに悩む姿が丁寧に描かれています。
最近ではLGBTをテーマに扱ったドラマや映画が増えてきましたが、『glee』が放送された当時には、それらのテーマを扱った作品はほとんどありませんでした。
そのため、サンタナを演じたナヤは、自分のセクシャリティに悩む多くの若者たちから高い評価を受けました。
悲劇の水難事故
2020年7月8日、4歳の息子ジョージ―君とともに、カリフォルニア州にあるピルー湖でボート遊びをしていたというナヤ。
湖で一緒に泳いでいたというナヤとジョージー君でしたが、2人がボートの返却時間が過ぎても戻ってこなかったため、不審に思った貸し出しスタッフが探しに出たところ、ジョージー君だけがボートに乗っているところを発見されました。
その時、ジョージ―君は「ママ(ナヤ)が背後から自分のことを押し上げ、ボートに乗せてくれたが、そのあと湖の中に消えた」という内容を発言しており、ナヤが事故に遭ったとみて、多くの捜索隊が彼女を捜索しました。
必死の捜索も虚しく、5日後の7月13日、ナヤと思われる遺体が湖で発見され、検死の結果、本人だということが判明しました。
ナヤは風で動いてしまったボートを追いかけ、ボートまで息子を連れていったものの、そこで力尽きて溺れてしまったのだろうという憶測がなされており、この悲しいニュースに、世界中が悲嘆にくれました。
『glee』の共演者たちは、子供を守るために自分の命を犠牲にしたナヤの愛情深い人間性を讃え、それぞれのSNSアカウントに悲しみの声を綴っています。
わずか33歳という若さでこの世を去ってしまったナヤ・リヴェラ。
『glee』の製作陣は、ナヤが遺した息子・ジョージー君のための学資基金を設立することを発表しています。
たくさんの才能に溢れた彼女のあまりにも早すぎる死に悲しみでいっぱいですが、彼女の歌声はいつまでも愛され続けることでしょう。
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