令和6年(2024年)NHK大河ドラマ「光る君へ」、皆さんも楽しみにしていますか?
え、「合戦がないからつまらない?」そんな事を言わないで下さい。
雅やかな貴族たちの王朝文化や、その陰にうごめく庶民や武士たちの織り成す薄暗い世界観は、とても味わい深いものです。
さて、日本史に親しむ上で大きなハードルとなっているであろう一つに元号があります。
「ナントカ何年って、西暦だと何年に相当するの?分かりにくいよ!」
現代でも令和6年くらいなら「2024年」と分かると思いますが、例えば筆者の生まれた昭和55年って何年?と訊かれて、即答できる方は多くなくなっているかも知れません(正解は1980年)。
という訳で今回は、NHK大河ドラマ「光る君へ」を楽しむキッカケとして、主人公の”まひろ(紫式部)”と藤原道長たちが生きた時代の年号を、西暦と対照して一挙紹介!
彼ら彼女らのエピソードが、今から何年前に起こったのかを知るためのご参考にどうぞ。
紫式部の生きた時代の元号/西暦対照表【時系列】
……応和4年・康保元年(964年)
康保2年(965年)
康保3年(966年) 藤原道長が誕生
康保4年(967年)
康保5年・安和元年(968年)
安和2年(969年)
安和3年・天禄元年(970年) 紫式部が誕生?(今井源衛・稲賀敬二・後藤祥子ら説)
天禄2年(971年)
天禄3年(972年) 紫式部が誕生?(小谷野純一ら説)
天禄4年・天延元年(973年) 紫式部が誕生?(岡一男・角田文衛ら説)
天延2年(974年) 紫式部が誕生?(萩谷朴ら説) 紫式部の兄弟・藤原惟規が誕生?
天延3年(975年) 紫式部が誕生?(南波浩ら説)
天延4年・貞元元年(976年)
貞元2年(977年)
貞元3年・天元元年(978年) 紫式部が誕生?(安藤為章・与謝野晶子・島津久基ら説)
天元2年(979年)
天元3年(980年)
天元4年(981年)
天元5年(982年)
天元6年・永観元年(983年)
永観2年(984年)
永観3年・寛和元年(985年)
寛和2年(986年)
寛和3年・永延元年(987年)
永延2年(988年)
永延3年・永祚元年(989年)
永祚2年・正暦元年(990年)
正暦2年(991年)
正暦3年(992年)
正暦4年(993年)
正暦5年(994年)
正暦6年・長徳元年(995年)
長徳2年(996年) これ以前に、紫式部の姉(藤原為時長女)が死去。
長徳3年(997年)
長徳4年(998年) 紫式部が藤原宣孝と結婚する。
長徳5年・長保元年(999年) この頃、紫式部の一人娘・藤原賢子(大弐三位)が誕生。
長保2年(1000年)
長保3年(1001年) 紫式部の夫・藤原宣孝が死去。
長保4年(1002年)
長保5年(1003年)
長保6年・寛弘元年(1004年)
寛弘2年(1005年) 藤原彰子(一条天皇中宮)に仕える(異説あり)
寛弘3年(1006年)
寛弘4年(1007年)
寛弘5年(1008年)
寛弘6年(1009年)
寛弘7年(1010年)
寛弘8年(1011年) 紫式部の弟・藤原惟規が死去
寛弘9年・長和元年(1012年)
長和2年(1013年)
長和3年(1014年) 紫式部が死去?(岡一男ら説)
長和4年(1015年)
長和5年(1016年) この頃、紫式部が死去?(与謝野晶子ら説)
長和6年・寛仁元年(1017年) これ以後、紫式部が死去?(山中裕ら説)
寛仁2年(1018年)
寛仁3年(1019年) 紫式部が死去?(今井源衛・萩谷朴ら説)
寛仁4年(1020年) この頃までに紫式部が死去?(上原作和ら説)
寛仁5年・治安元年(1021年)
治安2年(1022年)
治安3年(1023年)
治安4年・万寿元年(1024年) 万寿・長元年間ごろ紫式部が死去?(倉本一宏ら説)
万寿2年(1025年) これ以後、紫式部が死去?(安藤為章ら説)
万寿3年(1026年)
万寿4年(1027年) 12月4日に藤原道長が死去
万寿5年・長元元年(1028年)
長元2年(1029年) 紫式部の父・藤原為時が死去
長元3年(1030年)
長元4年(1031年) 紫式部が死去?(角田文衛ら説)
長元5年(1032年)
長元6年(1033年)
長元7年(1034年)
長元8年(1035年)
長元9年(1036年)
長元10年・長暦元年(1037年)……
※昔の元号は太陰暦を採用しているため、必ずしも元号の一年が西暦と対応していません。多少のズレが生じることから、書籍や文献によっては西暦がズレている場合もあります。
紫式部が生きた時代・元号/西暦の対照表【50音順】
あ
- 安和/あんな~3年(968~970年)
え
- 永延/えいえん~3年(987~989年)
- 永観/えいかん~3年(983~985年)
- 永祚/えいそ~2年(989~990年)
か
- 寛弘/かんこう~9年(1004~1012年)
- 寛和/かんな~3年(985~987年)
- 寛仁/かんにん~5年(1017~1021年)
こ
- 康保/こうほう~5年(964~968年)
し
- 貞元/じょうげん~3年(976~978年)
- 正暦/しょうりゃく~6年(990~995年)
ち
- 治安/ちあん~4年(1021~1024年)
- 長元/ちょうげん~10年(1028~1037年)
- 長徳/ちょうとく~5年(995~999年)
- 長保/ちょうほう~6年(999~1004年)
- 長和/ちょうわ~6年(1012~1017年)
て
- 天延/てんえん~4年(973~976年)
- 天元/てんげん~6年(978~983年)
- 天禄/てんろく~4年(970~973年)
ま
- 万寿/まんじゅ~5年(1024~1028年)
こうしてみると、実に19もの元号が使われているのですね。改元のタイミングは5年前後とかなりのハイペース。当時の人々は、覚えるのが大変だったことでしょう。
終わりに
少し長くなりましたが、いかがだったでしょうか。ドラマを見ていて元号と西暦が気になった時は、いつでもチェックしてみて下さい。
大河ドラマ「光る君へ」では、この康保年間(964~968年)から長元年間(1028~1037年)の約半世紀超の時代がクローズアップされるものと考えられます。
その大半が謎に包まれた紫式部の生涯。果たしてどのように描かれていくのか、今から放送が楽しみですね!
※参考文献:
- 阿部猛『平安貴族の実像』東京堂出版、1993年2月
- 今井源衛『今井源衛著作集 3 紫式部の生涯』笠間書院、2003年7月
- 倉本一宏『紫式部と藤原道長』講談社現代新書、2023年9月
- 角田文衞『紫式部の世界』法蔵館、1984年12月
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