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流鏑馬会場入り口。筆者撮影
令和5年(2023年)7月16日(日)9:00~13:30
神奈川県鎌倉市・大日本弓馬会鎌倉教場(市内梶原字八丁面358-4)にて流鏑馬(やぶさめ)神事が執り行われ、多くの観覧者を熱気に沸かせた。
流鏑馬(やぶさめ)は1500年以上の歴史を持つ伝統文化で、犬追物(いぬおうもの)・笠懸(かさがけ)と並び武士たちに勤しまれた騎射三物(きしゃみつもの)の一つである。
中でも流鏑馬は天下泰平や五穀豊穣を祈願する神事として重んじられ、鎌倉幕府の公式記録『吾妻鏡』にもしばしば登場。往時の御家人たちが騎射の腕前を競った。
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三の的前にて。筆者撮影
本番では馬を慣らす素馳(すばせ)に始まり、神前に騎射を奉納する奉射(ほうしゃ)、そして成績上位者による競射(きょうしゃ)が行われる。
全長220メートルの馬場を一気に駆け抜け、60メートル間隔で設置された三つの的を射抜く人馬一体の妙技に歓声と拍手が上がった。
当日は流鏑馬の魅力をより広く知ってもらおうと、儀式の様子や豆知識などが英語でもアナウンスされ、また神事の終了後に大鎧を装着しての騎射が披露されるなど創意工夫が見られる。
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騎射に特化した武装とは言え、かなり動きにくい大鎧。筆者撮影
通常の狩装束とは異なり、防御力を高めた大鎧は身体の動きが制限されることから、かなり難易度が上がっている様子であった。
炎天下にもかかわらず、勇壮な神事を成功させた各位に対して、心からの賛辞を贈りたい。
本イベントは令和5年度日本博2.0事業(委託型)の一環として開催されたもの。今後も鎌倉の地より日本文化の魅力発信が期待される。
ギャラリー
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馬は時速50キロにもなると言う。筆者撮影
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目の前を駆け抜ける瞬間。馬蹄にはね上げられた小石が飛んでくる。筆者撮影
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大鎧を着用しての騎射。相当の練度を擁する。筆者撮影
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凱旋する木曾義仲と巴御前?筆者撮影
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青空を見上げる武士(イメージ)筆者撮影
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