サラダが「ダイエットや健康のために仕方なく食べるもの」から「美味しくて種類も多く、写真栄えもする」ということで流行になったのは、最近では2014年頃からのトレンドである。
その後も2015年、2016年、2017年と毎年のように新しいサラダが流行り、定着してきた。サラダを食べる文化が浅い日本人が、なぜこれほどまでに注目しているのか?
それを調べるべく、流行のサラダから進化系・最新サラダまでをチェックしてみた。
ジャーサラダ
2014年に広まったジャーサラダは、米国の老舗メーカーで世界的にも有名な、ボール社の保存用ガラスビン『メイソンジャー』の人気が盛り上がったことである。メイソンジャーは、瓶詰を作る際に用いられるガラス製の口広瓶のことで、金属製の蓋はラバー付きで密閉性が高い。現在では真新しくもないが、1858年にアメリカ合衆国の職人ジョン・L・メイソンが発明し特許を取得、1875年に特許が切れると、ボールやカーなどガラスメーカーが同種の瓶を製造し始めた。
レトロなデザイン性と耐熱性も備えている使い勝手の良さが評価され、「保存容器」という枠を超えた「ジャーフード(瓶入り食)」がニューヨークで一気に広がる。さらに、「ジャーサラダは、野菜をカットして詰めるだけという手軽さに加え、シャキシャキとした食感のまま数日間保存できる点が、忙しい女性たちから支持されて人気が拡大した。
すぐに日本でも人気となるが、手軽さに加えて中身の見える容器だからこそ、詰める野菜やシーフードにこだわって見栄えの良いジャーサラダを作ることが流行のポイントになる。もちろん、野菜の鮮度が落ちる原因となる空気にふれる量が少なく、冷蔵庫で瓶ごとしっかり冷やされるのでフレッシュさが長持ちするという利点は変わらない。
コブサラダ
もともとは1937年にハリウッドのレストランブラウン・ダービー (Brown Derby) のオーナー、ロバート・H・コブにより考案された。空腹のあまり店の厨房の冷蔵庫から食材を引っ張り出して、手早く簡単に作れるサラダはないかと思案してできあがったのがこのレシピが生まれるきっかけであった。
サイの目にカットした野菜やチキンなどを、スパイシーなドレッシングで和えるだけという簡単なサラダである。ポテト、ズッキーニ、トマト、
コーン、アボカド、ゆで卵、オリーブなど材料は問わないのも良い。日本でも一部では知られていたが、本格的に広まったのは2015年から2016年頃だった。スプーンで手軽に食べられ、満腹感も得られるボリュームがあるので現代のニーズにマッチしたのだろう。
サラダラップ
スターバックスで発売され、たちまち人気となったサラダラップ。もはやロングセラー商品だが、現在でもその人気は衰えていない。
起源はメキシコ料理のブリトー(スペイン語: burrito)である。小麦粉で作られたトルティーヤ(薄焼きパン)に具材を乗せて巻いたファストフードのことだ。しかし、メキシコからアメリカに伝わった時点で、約38.1cm)のトルティーヤで包んだものや、重さ1ポンド(約454グラム)の巨大ブリトーが各地で進化していったため、日本のサラダラップとは別物と考えていい。
日本のサラダラップは手軽に食べられ、見た目もスタイリッシュだったり、オシャレだったりと、写真映りが良いのも魅力である。皮が小麦粉だからといっても薄焼なので、気にするほど炭水化物を摂取することもない。
女性のランチにも程よいボリュームとコスパの良さから、今後も人気商品の座は揺るがないはずだ。
チョップドサラダ
2017年にヒットしているチョップドサラダは、2016年にはニューヨークやロスで流行し、日本でも小さな専門店がオープンするようになる。それがじわじわと人気を呼び、今では最新サラダのヒット商品となっている。
「チョップドサラダ – Chopped Salad」とは、その名の通り、すべての具材を同じくらいの大きさになるように、小さくカットしたサラダのこと。それ以外は、特にこれといった決まりはない。通常は葉物野菜に、細かい具材を合わせても食べにくくなる。でもこれは、全ての具材を細かくしてあり、スプーンで食べるためのサラダなのだ。そのため、ナッツやコーン、ドライフルーツやクルトンとの組み合わせでも食べやすいのがヒットにつながった。
しかし、以外にもニューヨークで流行った理由はセレブではなく、ビジネスパーソンの食生活と関わっている。特にランチタイムになるとオフィス街では行列ができるほど人気だとか。それほどの人気の理由は、ズバリ「食べやすさ」である。ジャーサラダのヒットから、現在のサラダはメインメニューとして注目されつつある。そんななかで、スプーン一本で食べられ、量もしっかり摂取できるチョップドサラダはビジネスパーソンのニーズにピッタリだった。
さらに、糖質の多い食事をとると食後に血糖値が急激に上がることがあり、30分~1時間程度でピークを迎えて急激に下がる。このため、ランチには糖質の少ないサラダが向いているという合理的な理由もあった。
ソムタム
ここ数年来のエスニック料理ブームでベトナム料理と人気を二分するタイ料理。
その中でも、2016年頃から人気を集めているのがタイ料理の「ソムタム」である。比較的マイルドな味付けが特徴のベトナム料理に対し、タイ料理は辛さとさっぱり感が人気となっている。タイ料理の基本の4大要素である、パパイヤの甘い、ライムの酸っぱい、唐辛子の辛い、塩のしょっぱいが調和している。ナンプラーが食欲をそそる。
ソムタムは主にタイの東北地方で食べられる郷土料理だったが、今ではバンコクにまで広がっている国民食だ。青パパイヤは、食物酵素の王様とまで言われ、酵素の力で腸内細菌の叩きを活性化させ、新陳代謝を促し、免疫力を高めるのが特徴だ。
そして、青パパイアの最大の特徴は、植物には珍しい「タンパク質分解酵素」「糖質分解酵素」「脂肪分解酵素」が存在し、三大栄養素を分解する酵素をすべて含んでいること。さらに特筆すべきなのが抗酸化作用もあり、ビタミンや食物繊維も豊富である。
つまり、食べるダイエットにも向いており、身体の老化防止にも役立つ万能食といっていい。ちょっとした辛さも胃の活動を促してくれる。
これからの日本での流行が予測されるサラダだ。
パワーサラダ
これから注目のサラダのなかでも、特にチェックしておきたいのが「パワーサラダ」である。
パワーサラダとはアメリカ西海岸やニューヨークでトレンドとなっている「野菜・フルーツ・たんぱく質素材・トッピング」が一緒に食べられるボリューム満点のサラダのこと。
一皿でビタミン、ミネラル、食物繊維、たんぱく質、資質など重要な栄養素を一度に摂ることができるのが特徴だ。
サラダというと、野菜やフルーツに頼りがちだが、パワーサラダはその名の通り、ナッツにより植物性たんぱく質とカロリーを補ってくれるところがポイントである。カロリーと書いてがっかりすることはない。人間が動くにはカロリー(エネルギー)は必要不可欠であり、適量ならばむしろ健康に良い。種類により栄養素は若干違うが、生活習慣病の予防やアンチエイジングに効果的な不飽和脂肪酸を多く含んでおり、抗酸化作用を持っているビタミンEも含まれている。
種類もグリーンカール・レッドオニオン・アイコトマト・サツマイモ・レッドキャベツ・枝豆・人参・ナッツを使い、胡麻かオニオンのドレッシングで食べる「グリルドチキンのヘルシーサラダ」や、ボリューム重視、ビタミン摂取、デトックスに向いたサラダなど目的別にメニューも豊富だ。もちろん、味のバリエーションも充実している。
見た目は普通のサラダだが、栄養のバランスまで計算された「パワーの出るサラダ」が流行る日も遠くない。
最後に
最近のサラダの主流は「健康を補う食べ物」ではなく「主食」となってきた。それだけに女性はもちろん、男性も満足できるような、ボリュームのあるサラダがますます流行る。サラダはもうダイエット食などではないことを覚えておこう。
スターバックス公式HP→http://www.starbucks.co.jp/
パワーサラダ専門店/HIGH FIVE SALAD公式HP→http://highfive.tokyo/
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