笑いあり、涙あり、時には感動を与える「シチュエーション・コメディ」略して『シットコム』は、アメリカドラマには欠かせない大人気ジャンルである。
1話完結でリズム良く進むドラマの展開と、登場人物の感情に合わせて聞こえてくる観客の笑い声や拍手が物語りの面白さを盛り上げている。
『シットコム』のいちばんの見所は、個性豊かなキャラクターの人々を軸に描かれる人間模様だ。
登場人物の家族愛や友情、恋愛に悩む過程の全てを笑いで切り抜けていく抜群の爽快感が『シットコム』の魅力である。シリーズ化されるほど注目度は上がり、家族で楽しめる国民的ドラマとして世界中で視聴されることも珍しくない。
目次
アメリカの大人気シットコム「フレンズ」を改めて復習しよう!!
1994年から2004年にかけて人気を集めたアメリカのシットコムドラマ「フレンズ」は、常に高い視聴率を誇り、シットコムドラマ史上異例の年間首位を記録した。その人気から“シリーズ10”まで制作され、放送終了から15年以上経過した今でも世界中で視聴され続けている。
そんなファンの熱い支持を受け、2021年の5月には、「フレンズ」再会スペシャル版が動画配信サービスを通して放送された。
「フレンズ」のキャストも当時のまま変わらず登場し、「フレンズ」再結成が実現した。
アメリカのニューヨークを舞台に繰り広げられる仲良し6人組の日常を面白おかしく描く「フレンズ」は、普段なら落ち込んでしまいそうな出来事も、ジョークを交えながら明るく笑いで切り抜ける描写が多く、現実を忘れさせてくれる作風である。
物語を彩る個性的な「フレンズ」の顔ぶれ
①「フレンズ」の中心的人物『レイチェル』
お嬢様育ちの『レイチェル』は、ワガママで自由奔放な性格だが、仲間との楽しい日常を通して自立を目指していく女性だ。自己主張が強いながらも素直で明るい雰囲気であるため、ファンから最も愛されている存在だ。
②信頼できる器用な女性『モニカ』
レイチェルの親友でもある『モニカ』は、美意識が高く、潔癖症な一面を持つ女性だ。結婚願望も強く、幸せな家庭を築くことを夢見ている。「フレンズ」の一員でもある『ロス』の実妹で、仲間の中で唯一のしっかり者で頼りがいがある。
③ピンチも笑いで切り抜ける『フィービー』
かつてモニカのルームメイトでもあった破天荒な行動が印象的な『フィービー』は、常に楽しげな雰囲気からは想像できない波瀾万丈な人生を送ってきた女性だ。全く上手く弾けないギターを演奏するシーンはファンを笑いの渦に巻き込む名シーンでもある。
④少年の心を持った『ジョーイ』
陽気で子供っぽい性格の『ジョーイ』は、劇中でも俳優という設定で、純粋であるが故に失言が多く、それが仇となる場合が多い。女性人気は抜群にあるものの「フレンズ」の劇中で独身を貫く人物でもある。
⑤優等生タイプの『ロス』
モニカの実兄でもある『ロス』は、成績優秀だが理屈っぽく、嫉妬深いという欠点がある。極度の慎重派であり、自分に悪い印象がつかないように人のせいにする悪い癖が時折出てしまう。レイチェルに長年片想いしている所も見所だ。
⑥お調子者ながら自信が持てない『チャンドラー』
ロスの親友でもある『チャンドラー』は時間があれば冗談ばかりを話す変わり者だ。恋愛下手な自分を変えたいと奮闘するものの、自分に自信が持てず一歩踏み出せないもどかしさが、毎回ファンを心配させる部分でもある。
現実にはあまり出会うことのない6人の個性豊かな登場人物が、交互に主役となって物語が進んでいくスピード感が「フレンズ」独特の世界観であり、視聴者が最後まで見入ってしまう要素でもある。
アメリカ・ニューヨークの街に広がる「フレンズ」の世界観
劇中で登場する「フレンズ」の仲間たちが暮らすアパートの外観は、ニューヨーク市マンハッタンのグリニッジ・ヴィレッジ(Greenwich Village)地区に実在するビルだ。
生粋の「フレンズ」ファンなら必ず訪れる場所としても有名で、歴史あるニューヨークの街並みも人気を呼び、撮影スポットとして定評がある。
さらに深く「フレンズ」の世界観を味わいたいと願うのであれば、ニューヨーク市内にオープンした『フレンズ エクスペリエンス』をお勧めする。主人公たちが暮らすアパートの室内を完全再現されたドラマのセットや、衣装や小道具までが細かく展示されており、誰もが「フレンズ」の一員に成り切れる夢の時間を過ごすことができる空間となっている。入場には自前のチケットの購入が必須だが、日本語対応の予約サイトもあるため、安心して日時を決めることができる。
『フレンズ エクスペリエンス』の入場チケット購入(日本語対応サイト)
◎アクセス情報:New York City at 130 E 23rd St.
笑いは時に人生の万能薬!!「フレンズ」から学べる英会話
「フレンズ」が世界中で支持される要因に、英語学習者の教科書代わりとして「フレンズ」を視聴しているという多くの意見が挙げられる。
ニューヨークで暮らす人々の日常生活が描かれる「フレンズ」では、難しい専門用語は一切登場しないため、会話も聞き取りやすい。そして、学校では決して学ぶことのないネイティブの言い回しをドラマを通して習得することができるという利点がある。また、22分間の1話完結といった短いドラマ構成が、英語を母国語としない英語学習者にとって苦にならない時間配分だ。
「フレンズ」を見て英語学習を始めた人、ネイティブの英会話に慣れるために「フレンズ」を見るようになった人に共通しているのは、『笑いが起きる面白さの中で語学を学べる環境であるからこそ、英語学習を楽しく継続することができている。』という心持ちだ。
笑いと学習の面白さを兼ね備えた「フレンズ」は、語学を学ぶ上で必要な『忍耐力』を無理なく鍛えられる『シットコム』の枠組みを越えた作品としても高い評価を受けている。
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