海外

ウィンチェスターミステリーハウスとは 【映画になった実在する幽霊屋敷】

皆さんはアメリカのカリフォルニア州サンノゼにある『ウィンチェスター・ミステリー・ハウス』という屋敷をご存じでしょうか?

実話を基にして映画にもなり、何度かテレビでも紹介されている奇妙な屋敷です。

現在では観光場所にもなっているこの『ウィンチェスター・ミステリー・ハウス』について、今回は解説します。

ウィンチェスターミステリーハウスとは

ウィンチェスターミステリーハウスとは

※南東から見た邸宅

幽霊屋敷としても有名なウィンチェスター・ミステリー・ハウス

この屋敷は、1884年~1922年までの38年間もの間、365日24時間、22人の職人の手により増築され続けました。

しかしながら、増築を繰り返した、ただの大きな屋敷ではありません。

無理やり増築を繰り返したと思える、歪な形をした外見。
通れない扉や天井にぶつかってしまう階段など。

屋敷の中にも、奇妙な箇所が幾つもある建物なのです。

その奇妙な増築を指示したのが、実業家であったウィリアム・ワート・ウィンチェスターの未亡人、サラ・ウィンチェスターという女性。

ウィンチェスターミステリーハウスとは

※サラ・ウィンチェスター

彼女が死亡するまで続いたとされるその増築の発端は、ウィンチェスター家に降りかかった呪いの所為であると言われています。

友人の薦めもあり、どうすれば良いか、サラは霊媒師へと助言を求めます。

ボストンの霊媒師』とも呼ばれていたその霊媒師は、サラへと「西へ向かい、これまで亡くなった人々の霊魂を鎮めるため家を建て続けるように」と助言したのです。

サラは、ウィンチェスター家を呪っている霊魂を鎮める為、そして自身の命を守る為に、その霊媒師の助言を信じ、コネチカット州ニューヘイブンにあった自宅からカリフォルニア州へと移住し、家を建て、増築を繰り返しました。

呪いの発端

ウィンチェスターミステリーハウスとは

では、サラがそこまで霊媒師の言葉を信じ、550万ドルとも見積もられている建設工事費を投じた程の呪いとは、どんなものだったのでしょうか?

まずはその呪いの発端とも言える、ウィンチェスター家が財を成した事業内容から、ご紹介していきます。

ウィンチェスター家が成功を収めたのは、銃の製造です。

ウィンチェスター社は西部開拓時代、コルト社と共に「西部を征服した銃」と称される銃器の開発で有名になった企業。

オリバー・ウィンチェスターが、『ウィンチェスター・ライフル』を開発し、ウィンチェスター社を設立しました。

※ウィンチェスターライフルについては → ウィンチェスター・ライフルの歴史【西部劇の名脇役】

人気を博したウィンチェスター・ライフルは、世界中の戦争や紛争でどんどんと使われていく事になります。

そしてウィンチェスター家に降りかかった呪いはまさしく、この銃で命を奪われた人々のものであると霊媒師はサラに告げているのです。

ウィンチェスター家を襲った呪い

事業は成功を収めましたが、オリバー・ウィンチェスターの息子であるウィリアムの代になり、一家を不幸が襲います。

まず、1866年に娘のアニーが死亡します。

そして1880年には初代のオリバーが、1881年には二代目である夫のウィリアムが相次ぎ死亡してしまいます。

深い悲しみと孤独、喪失感に苛まれたサラが助言を求めたのが、霊媒師だったのです。

ウィンチェスター・ミステリー・ハウスの奇妙な点

最初にご紹介したように、ウィンチェスター・ミステリー・ハウスには奇妙な箇所が幾つもあります。

その一例として。

・壁に行きつく階段
・二階に作られた開けるとすぐ外に繋がっている足場のないドア
・ヘアピンカーブになっている階段
・天井に設置された手すり
・床に設置された窓
・天井に突き当たる階段
・開けたら壁しかないドア
・ドアの横にあるもうひとつ小さなドア
・廊下ピッタリに納められた馬車
・細すぎる廊下
・上がって降りるだけの階段
・ドアノブのないドア
・開けると壁になっている棚
・床部に設置された屋根
・床のない部屋

などがあります。

これらを想像しただけでも、『変な屋敷』である事が分かりますよね。

何故このような奇妙な仕掛けのようなものが沢山あるのかと言うと、一説には、サラを襲う悪霊がサラに辿り着けないよう、騙す為であったと言われています。

サラが悪霊から身を守る為に、作られた仕掛けであるのですね。

そしてこの奇妙なウィンチェスター・ミステリー・ハウスの設計は、屋敷の奥に作られた『降霊室』と呼ばれる部屋で、霊と相談しながらサラ本人が設計したのだと伝えられています。

1989年に起きたロマ・プリータ地震、1906年に起きたサンフランシスコ地震などで、屋敷の一部は消失してしまい、元々は七階建てであった屋敷は、今は四階建てとなっています。

それでも二度の地震で全壊を免れているのは、繰り返す増築の中、基礎がバラバラであったお蔭であると言われているのです。

最後に

今回は、ウィンチェスター・ミステリー・ハウスについてご紹介しました。

私がこの屋敷の事を知ったのは、何年も前にテレビで紹介されていたからです。

奇妙な階段や、開ければ壁しかないドアなど、実際に映像で見るとゾッとするような恐ろしい感覚に襲われました。

今は観光場所にもなっているウィンチェスター・ミステリー・ハウス。公式サイトもあり写真や動画などで紹介されています。

公式サイト → https://winchestermysteryhouse.com/

ご興味のある方は、実際の屋敷を訪れてみるのも良いかもしれません。

 

✅ 草の実堂の記事がデジタルボイスで聴けるようになりました!(随時更新中)

Audible で聴く
Youtube で聴く
Spotify で聴く
Amazon music で聴く

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

  1. 懐かしの『ロケット鉛筆』誕生秘話 〜「発明したのは娘を想う台湾人…
  2. 中国人のビックリする習慣 【寝そべる、列に割り込む、道を渡る時は…
  3. 「#MeToo運動」とは何か? ~台湾の女優、モデルが被害を公表…
  4. 【500年以上前に沈没】 南シナ海で発見された明時代の沈没船
  5. 北朝鮮の観光事情について調べてみた【日本人も行ける!】
  6. 中国人の結婚率と離婚率 「離婚冷静期とは ~30日以内なら取り消…
  7. アジアの女性人生ドラマが支持され続ける理由 「東京タラレバ娘、3…
  8. 加熱不足のベーコンが原因か? 男性の脳にブタの寄生虫が見つかる

カテゴリー

新着記事

おすすめ記事

「明治維新を陰で支えた死の商人」 トーマス・グラバー

討幕へ貢献した トーマス・グラバー明治維新の功労者と言えば、西郷隆盛、大久保利通、木戸孝…

誕生日石&花【4月01日~10日】

他の日はこちらから 誕生日石&花【365日】誕生日石のご購入なら品数が豊富なパワーストーン専門店…

戦国時代に実際に行われていた『奇策』とは 「釣り野伏せ、刈田狼藉、メス馬作戦」

戦国時代、日本中で繰り広げられた苛烈な戦いにおいて、武将たちは当然「勝ち」に執着していた。自…

征韓論について調べてみた【西郷隆盛は違った?】

広義と狭義の征韓論「征韓論」と言えば、今日では西郷隆盛が明治新政府を下野することになった事件…

徳川秀忠は駄目な二代目だったのか? 前編【関ヶ原の戦いで大遅刻】

徳川秀忠とは徳川秀忠(とくがわひでただ)は、徳川家康を父に持ち、三男でありながら家康の後…

アーカイブ

PAGE TOP