自然&動物

世界一の毒植物、ヤバイ植物たち 【ギネス認定された世界一危険な樹 マンチニール】

世の中には毒を持つ生物が沢山存在する。

それは植物も同様で、しかもかなりの猛毒を保有している植物も存在している。

今回は、そんなヤバイ毒植物を紹介する。

ギネス認定された 世界一危険な樹 「マンチニール」

世界一の毒植物、ヤバイ植物たち

画像 : マンチニールの果実と葉 wiki c

なんとギネスに「世界で最も危険な樹」として、認定されている木がある。その名は マンチニール である。

名前はスペイン語で「manzanilla : 死の小林檎」と呼ばれている。

自生場所は、フロリダ州から南アメリカ北部の沿岸沿いの地域である。

トウダイグサ科の常緑広葉樹で、その木は一見変わった様子も無く可愛らしい小さい実をつける。しかし万が一この実を食べてしまうと大惨事になる。

過去に誤って食べたイギリス人医師は「食べてから数分で口の中が燃えるような痛みに襲われ、全く何も出来ない。その地獄は8時間続いた」と述べている。

驚異的な果実の毒

マンチニールの果実は青りんごによく似ていて、香りも甘く良い匂いがするという。また、葉っぱも同様にりんごに似ていて、長さは5〜10センチほどだが、やはり毒が含まれている。

果実を一口食べただけで、出血やショック、バクテリアによる重複感染を伴い、胃腸炎を起こす。また、浮腫により気道を圧迫して口咽頭炎を起こしたりする。

過去にはこの実を食した死亡事件も起きており、その毒の強さは小さい実一つで、約20人は殺せる力があるという。

樹液の毒性

世界一の毒植物、ヤバイ植物たち

画像 : マンチニールの木。幹に危険性を示すための赤い帯が書かれている。wiki c Mica

厄介な事にこのマンチニールは、木の表面に滲み出る樹液や葉腋にも猛毒がある。

一滴でも触れると、たちまち触れた部位は燃え上がるような感覚に襲われて、赤くなり、水ぶくれのように腫れ上がる。もし目に入る事があれば、最悪失明する。

樹液は人体だけでなく、車の塗装にもダメージを与えるといわれている。

海沿いに自生している事が多く、地元では防風林として利用されているが、海水浴に訪れた観光客が雨宿りをしようとして、うっかり樹液が混じった雨水を浴びてしまう事故も多く起きている。

この毒は水溶性のため水によく溶けるのだが、もし傷口から入れば最悪は死亡してしまう可能性もある。

木を燃やした煙も有毒で、目に入れば傷ついてしまい、被害は多岐に及ぶのだ。

マンチニールを食べる生物

信じられないことに、このマンチニールを食べる生物もいる。

一部の爬虫類はマンチニールの実を食し、「garroboと呼ばれるイグアナの一種は、実を食べて幹に住み着くのである。

世界一の毒植物、ヤバイ植物たち

画像 : garrobo wiki c

フロリダ州では、絶滅の危険があるとしてリストに載っているマンチニールだが、もし絶滅してしまえば、このイグアナも共に生存出来なくなるだろう。

有毒を持っている存在でも、それが必要な生き物もいるのだ。

マンチニールを活用

近づくだけで危険なマンチニールだが、実はカリブ海周辺の大工たちはこれを建材として活用している。

猛毒な木も太陽に晒し続けてしっかりと乾燥させれば、有毒成分は取り除けるのである。この木材は主に船を造るために利用されている。

また、かつて先住民達はマンチニールの樹液を矢の先端に塗り、敵に攻撃したり、捕らえた捕虜を木に縛り付けたり、敵の飲み水に毒を盛ったりしていたという。一応解毒剤として、クズウコンの湿布が使われたが、本当に効果があったのかは不明とされている。

ここからは別の植物だが、やはり猛毒を持つ事で有名な植物を紹介する。

ギンピ・ギンピ

世界一の毒植物、ヤバイ植物たち

画像 : ギンピ・ギンピ(Gympie gympie) wiki c Cgoodwin

ギンピ・ギンピ は、「触ると地獄の苦痛が数年続く」と言われている。

イラクサ科の植物で、2メートル程の高さで長さ20センチ程の葉をつける。自生地は主に南半球のオーストラリアなどの熱帯雨林である。

全体にびっしりと毒針が生えているため、どこかをかすっただけで傷つけられ痛みが生じる。その痛みはまるで「硫酸をかけられた」「電気が流れて火傷した」などと形容されている。

一度触れてしまうと、その苦痛は数ヶ月〜数年に渡り続くといわれる。

過去に誤って触ってしまった男性が、その耐え難い苦痛から解放されたいがために、拳銃で自殺したという話もある。

第二次世界大戦中には、その毒針を軍事利用するという案が持ち上がったほどである。

日本国内で唯一、劇物指定された植物

世界一の毒植物、ヤバイ植物たち

画像 : 花を付けたシキミ wiki c Alpsdake

シキミ は可愛らしい花を咲かせる。

その反面、実には強力な毒がある。その毒は死亡の危険性まであるため、国内で唯一劇物指定されている植物である。

このシキミだが、トウシキミ(八角)とよく似ているため、誤って食べてしまうと、嘔吐、意識障害、痙攣を起こして、最悪は死に至る。

画像 : 左がシキミの果実、右がトウシキミ(八角)の果実 wiki c

トウシキミは、強く甘い香りがあり、中華料理の香辛料とされる。一方シキミは、仏事に使われるツンとした抹香の香りがする。

シキミは植物全体が有毒だが、特に実が有毒で神経毒のアニサチンが多く含まれている。

トウシキミは中国で自生、栽培されている植物で日本では滅多に見れない。一方シキミは本州から沖縄諸島にかけての山地に自生する常緑樹である。

3〜4月頃に薄黄色の花を咲かせ、果実は緑色から黒褐色になり、実が割れて茶色の種を落とす。トウシキミの実は先端が尖らず徐々に細くなるが、シキミは先端が針の様に尖っている。

シキミの実は、拾っても絶対に食べてはいけない。

毒のある植物は一見、危険があるかどうか分からないものが多い。
しかも未だに謎が多い種もあり、なんともミステリアスな存在である。

 

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草の実堂編集部

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コメント

    • 名無しさん
    • 2022年 9月 07日 8:48am

    シキミ、トウシキミ、合わせて12回記述が出てきますが、うち4回がシミキとなっています。とてもプロの文章と思えませんね。

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    • 草の実堂編集部
    • 2022年 9月 07日 6:16pm

    修正させていただきました。ご指摘ありがとうございます!

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