スポーツ

ギャンブル王からサッカー界の革命家へ 【三笘所属のブライトンオーナー、トニー・ブルームとは?】総資産約2210億円

ブライトンを支える名物オーナー

トニー・ブルーム

画像 : Tony Bloom @ toc 2005 wiki c Photos by flipchip

トニー・ブルーム(Tony Bloom)は、三笘薫が所属する「ブライトン&ホーヴ・アルビオン」のオーナーです。

イギリスのサッカー界には多くのカリスマ的なオーナーが存在しますが、そのなかでもトニー・ブルームは、かなり特異な存在と言えるでしょう。彼はポーカーの名手として知られるだけでなく、データ分析を駆使したベッティング会社の経営者でもあります。

今回の記事では、トニー・ブルームのギャンブル経験とビジネスセンスが、近年におけるブライトンの成功にどのように貢献したのかについて見ていきたいと思います。

ポーカーの名手だったトニー・ブルーム

ギャンブル王からサッカーの革命家へ

画像 : 2006 WSOP Main Event Table wiki c Photos by flipchip

幼い頃からギャンブルに興味を持っていたトニー・ブルームは、数学や統計学に優れており、ポーカーにおいてもその才能を発揮しました。世界中の大会に参加し、数百万ドルの賞金を獲得しています。

The Lizard」というニックネームで知られており、ポーカー界では一目置かれる存在になりました。

ベッティングの革新者

トニー・ブルームはポーカーだけでなく、スポーツベッティング(スポーツ賭博)にも情熱を注ぎました。

自身の会社として「StarLizard」を設立。

世界最高水準のスポーツ分析とベッティングの会社として知られており、約200人のスタッフが働いています。「StarLizard」は、自社開発のプラットフォームやツールを用いることで、世界中で「高頻度取引(HFT)」を展開しています。

高頻度取引(High Frequency Trading)とは、非常に短い時間(数ミリ秒〜数秒)の売買を高速で繰り返す、金融市場取引ないしは投資戦略のことを意味します。

また「StarLizard」は、スポーツ統括団体や協会に対して、不正行為や八百長の検出や防止に役立つ管理サービスも提供しています。

ブライトンへの貢献

トニー・ブルーム

画像 : アメックス・スタジアム BHAFC v DRFC npower Championship 6/8/11 wiki c James Boyes

2009年、トニー・ブルームはブライトンのオーナーになりました。

当時のクラブは下部リーグ(3部)に位置しており、ホームのウィズディーン・スタジアムの設備は古く、収容人数も限られていたため、クラブにとっては不十分なスタジアムでした。

オーナーに就任したトニー・ブルームは、クラブに大きな変化をもたらします。そのなかでも、2011年に完成したアメックス・スタジアムへの移転は、クラブのブランド価値を大きく向上させました。

アメックス・スタジアムは約3万人収容できる最新設備を備えたスタジアムであり、クラブのファンや選手にとっても、またビジネス的にも素晴らしいホームグラウンドとなっています。

「マネーボール」戦略の採用

トニー・ブルームは、データ分析を活用した「マネーボール」戦略の採用によって、クラブの選手補強や戦術に革命をもたらしています。

「マネーボール」戦略とは、比較的安く優秀な選手を見つけ、高額で売却する選手補強です。クラブの経営を安定させるとともに、選手間の競争力を高めることが主な目的です。

トニー・ブルームは「StarLizard」によるデータ分析や、自身のギャンブルの経験を活かして、この戦略を着実に実行しています。

過去にはベン・ホワイトをアーセナルに、マルク・ククレジャをチェルシーに高額で売却することで、クラブ財政の健全化に成功しています。

最近では三笘薫フリオ・エンシソなど、有望な選手を低い移籍金で獲得。昨シーズン(2022-2023)のプレミアリーグ6位という躍進へと結び付けています。

三笘が川崎フロンターレから移籍した際の移籍金は、250万ユーロ(約3億6000万円)と言われています。そして現在の三苫は、ビッグクラブであるマンチェスター・シティーからの関心が報道されており、移籍金は5000万ポンド(約90億円)と報じられています。

三笘の取引だけを見ても、ブライトンがどれほど素晴らしいビジネスを展開しているかが分かります。

献身的なサポート

トニー・ブルームの資産は約13億ポンド(約2210億円)とも言われています。

この資金力によってクラブは必要な選手を獲得したり、新しいトレーニングセンターやアカデミー施設を建設するなど、大きなプロジェクトを実現しています。

コロナ禍で苦境に陥ったクラブに対しても、トニー・ブルームは経済的な支援を惜しみませんでした。

クラブの文化や歴史を尊重し、情熱的でもあるトニー・ブルームは、外国人投資家にクラブを売却するつもりはないと述べています。

最後に

トニー・ブルームは、ギャンブルの経験とビジネスセンスを活かして、ブライトンをプレミアリーグのトップクラブの1つへと導きました。

自身の会社「StarLizard」によるデータ分析、またギャンブルの経験を活かした「マネーボール」戦略を見事に成功させています。また同時に、自身の資産からクラブへ多額の投資を行い、経済的な安定性や将来性を確保しています。

近年におけるブライトン躍進の背景には、トニー・ブルームという優れた経営者の存在があるのです。

 

村上俊樹

村上俊樹

投稿者の記事一覧

“進撃”の元教員 大学院のときは、哲学を少し。その後、高校の社会科教員を10年ほど。生徒からのあだ名は“巨人”。身長が高いので。今はライターとして色々と。フリーランスでライターもしていますので、DMなどいただけると幸いです。
Twitter→@Fishs_and_Chips

✅ 草の実堂の記事がデジタルボイスで聴けるようになりました!(随時更新中)

Audible で聴く
Youtube で聴く
Spotify で聴く
Amazon music で聴く

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

  1. 有馬記念の昭和から令和まで全64回の成績を振り返る【昭和編】
  2. 江戸時代の相撲文化とは 「最強力士 雷電 ~勝率は驚異の9割6分…
  3. 東京六大学野球 その応援団、第一応援歌について調べてみた
  4. 「田畑政治ゆかりの地」案内板設置全11ヶ所へ行ってみた
  5. ヴィクトリアマイルの歴史を調べてみた
  6. 【カイセドの移籍先が決定】 三笘もアシスト! 開幕戦に勝利したブ…
  7. アメフトのルールについて解説してみた 【アメリカ人気No.1】
  8. 今シーズンのブライトンの戦力分析 ~後編 「2023-24先発予…

カテゴリー

新着記事

おすすめ記事

「下克上した大名のその後」について調べてみた

戦国時代で一番魅力的なのは、農民や商人から下剋上などで一国の大名に成り上がった人物がいたことだと思う…

「人食いバクテリア」過去最多の感染者 ~致死率30%以上

致死率が30%以上にも及ぶ「人食いバクテリア」による感染者数が世界的に増加。感染する…

【関羽と魯粛の会談】蜀と呉の戦を収拾した単刀赴会の真実

単刀赴会(たんとうふかい)とは214年、劉備は益州(えきしゅう)を奪取して念願だった自身…

徳川家康の恐るべき財力の秘密 「鉱山と大久保長安とは?」

家康を支えたのは、三河武士の強さだけではない。戦費を支える財力があってこそ、戦も続けることが可能…

鈴木梅太郎 ~「ビタミンB1を発見し脚気治療に貢献」

ビタミンB1の発見今日の社会においては医薬品はもとより、健康食品のサプリメントなどでも広…

アーカイブ

PAGE TOP