平成元年の出来事をまとめていくこの企画。
今回は後半ということで平成元年の8月から12月までの出来事をまとめていきたいと思います。
もちろん前半もありますのでそちらもどうぞ → 前半
目次
8月19日 汎ヨーロッパ・ピクニック
この日、ハンガリー人民共和国とオーストリアの国境において東ドイツ国民が大量に西側諸国に亡命する事件が起きました。
この頃ハンガリー人民共和国では民主化が推進されており、鉄のカーテンの一部であったオーストリアとの国境にそびえ立っていた鉄条網が撤去されていました。そのため、東ドイツ国民はハンガリー経由でオーストリアに行けば西側諸国に逃れることができると思い見事に亡命。
この失態を許したホーネッカーはその後失脚。東ドイツにおける改革の波が押し寄せるきっかけとなりました。
ちなみにこのヨーロッパ・ピクニックのピクニックは、オーストリア=ハンガリー帝国最後の皇太子であるオットー・フォン・ハプスブルクが冗談で言ったことが使われたそうです。
10月31日 三菱地所がロックフェラー・センター買収
この日、ニューヨークのマンハッタンの象徴でもあるビルであるロックフェラー・センターが日本の三菱地所によって2200億円で買収されました。
この頃日本はバブル期の真っ只中。日本企業は敗戦の恨みをここで晴らすかのようにアメリカの企業や『ひまわり』などの芸術作品などを、ばかすか買って行きました。
しかし、この日本の買い漁りはアメリカ国民にとっては屈辱以外の何ものでもないようで、ジャパン・バッシングをより加速していくことになります。
11月10日 ベルリンの壁崩壊
この日、東ドイツによって長年西ベルリンを囲んでいたベルリンの壁が崩壊しました。
壁が崩壊する前日、東ドイツ政府は国民が簡単に旅行できる法律を可決し、午前4時に国民に向けて発表する予定でしたが、東ドイツの報道官がまさかの可決した直後に国民に向けて発表。東ドイツ国民はこの放送を聞き、国境の通行を求めるためにベルリンの壁に集結し、壁を取り壊し始めました。
このベルリンの壁の崩壊によってドイツは急速に併合への道を歩みだして行き、翌年東西ドイツは東ドイツが西ドイツに吸収合併する形で統合することになるのです。
11月24日 ビロード革命
この日、チェコスロバキア社会主義共和国において民主化を求める革命が勃発。
大統領と第一書記ら共産党員が辞職し、共産党による一党独裁が終わりを迎えました。
この革命はのちに紹介するルーマニア革命とは違い、流血する事態が起こることはなく比較的平和な形で革命が成し遂げられたため、柔らかい生地であるビロードという名前が付けられました。
12月3日 マルタ会談
この日、地中海のマルタ島においてソ連のゴルバチョフ書記長とアメリカのH・W・ブッシュによる首脳会談が行われました。
この会談において鉄のカーテンは事実上崩壊し、両国首脳はヤルタ会談からアメリカとソ連との間で起きていた東西冷戦の終結を宣言。
『ヤルタからマルタへ』という標語は有名ですね。
この会談によって世界では西側諸国と東側諸国との間の対立はなくなり、より一層グローバル化が進んでいくことになりました。
マルタ会談はまさしく世界における重要な転換点の一つだったのです。
12月22日 ルーマニア革命
この日、ルーマニアで革命が起き、ニコラエ・チャウシェスク政権が崩壊しました。
以前からルーマニアではチャウシェスクによる独裁が行われており、堕胎と離婚の禁止や、国民の館建設に代表される散財などで国の財政は破綻。
さらにソ連がペレストロイカを行なっていた時でも独裁を続けていたため、我慢の限界を超えた国民は首都ブカレストを始めルーマニア国内中で暴動を起こし、ソ連から見捨てられたチャウシェスクは失脚。
25日には略式裁判が開かれチャウシェスク夫妻共々銃殺刑に処されました。
12月29日 日経平均株価が史上最高値の38,957円44銭を記録
この日、日本において日経平均株価が史上最高値を記録し、日本のバブルの最盛期を象徴する出来事となりました。
しかし、この行き過ぎたバブルに対し大蔵省はいい顔をしておらず、公定歩合の引き上げや金融引き締め政策を実施をしたお陰でこのわずか9ヶ月後にはこの株価の半分の値に大暴落し、バブル崩壊へと突っ走っていくことになるのですが、この時にそんな動きに気づいた人なんてそうそういませんでした。
まとめ
1989年は世界では東欧革命やマルタ会談による冷戦終結など世界の体制が大きく崩された年でありました。
日本では平成が始まり消費税導入やリクルート事件などの後の自民党勢力に大きく関わる出来事や、ロックフェラー・センター買収などのバブル最盛期を象徴することも起こりました。
今年は平成が終わり、新しい元号となりますが、いい意味で平成元年に起きた出来事を超えてくれることを私は期待しています。
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