調べてみた

日本の奇妙な迷信とその由来「北枕、夜に爪を切る、彼岸花を摘む」

迷信とは

迷信とは、人々に知られていることのうちで合理的な根拠を欠いているものを指す。

一般的には社会生活を営むのに実害があり、道徳に反するような知識や俗信などをこう呼び、様々な俗信のうち社会生活に実害を及ぼすものである。

古来より人々は様々なことを信じており、その中には今日に至るまで受け継がれているものも多く「古代信仰」と捉えることもできる。

古代において迷信はほぼ信仰であり多くの人が信じていた。そのせいで差別されたり不吉とされて苦痛を味わった人々も多く存在する。ある迷信が元で現在でも忌み嫌われている地方があるほどだ。

昔から迷信は、人々の生活に大きな影響を及ぼしていたことが窺える。

天狗の面

日本の奇妙な迷信

今回は日本の奇妙な迷信と、その由来をいくつか紹介しよう。

●夜、口笛を吹くと蛇が来る

この迷信には二つの理由がある。

一つは、口笛が悪霊や妖怪などを呼び出してしまうという理由。

もう一つの理由は現実的で、かつて日本では人攫いや泥棒が夜にやりとりをするのに口笛の音を使っていたという。

妖怪にしても泥棒にしても「軽はずみな夜の口笛は招かれざる客を呼んでしまう」という考えから、この迷信が生まれたようである。

●日が落ちた後に爪を切らないこと

夜に爪を切ると親の死に目に会えない。つまり親より先に死んでしまうということ。

「夜に爪を切る」ことを意味する「夜爪」は短命を意味する「世詰め」と語呂が同じで縁起が悪いとされた。

しかし、この迷信にも現実的な意味がある。

かつて日本では爪を切るのに小刀が使われていた。暗い中で爪を切るのは物理的に非常に危険だったということである。


●彼岸花を摘むと死者が出る

日本で土葬が一般的だった頃は、故人が眠っているお墓を荒らすネズミやモグラの駆除や近づけない目的で、毒性のある彼岸花を植えた。

これを知らずに摘んでしまうとネズミやモグラなどの動物が寄ってきて墓場を荒らし、死者が掘り起こされてしまうことから「彼岸花を摘むと死者が出る」と言われるようになったそうである。

他にも「彼岸花には毒があり、それを知らない子供が摘んで持って帰ってきてしまうととても危険」という意味合いもあったとされている。

彼岸花

●北枕はダメ

これは日本では最も広く知られている迷信の一つであり、現代でも守っている方は多いのではないだろうか。

これは葬儀の際に死者の頭を北側に向けて寝させることからきていて「北枕で寝ることは死者の姿を表している」ということで縁起の悪い事とされた。

他にも釈迦が亡くなった時の頭の方向が北向きだったことから「釈迦の死を連想させる」という説もある。

最後に

内容はちょっとゾッとするものもある迷信。

だが迷信一つ一つには先人の知恵が隠されていることもある。

子供が悪さをしないように、危ない事に巻き込まれないようにといった意味合いもあり、古くから言い伝えられてきたのである。

 

  • Xをフォロー
好きなカテゴリーの記事の新着をメールでお届けします。下のボタンからフォローください。

草の実堂編集部

投稿者の記事一覧

草の実学習塾、滝田吉一先生の弟子。
編集、校正、ライティングでは古代中国史専門。『史記』『戦国策』『正史三国志』『漢書』『資治通鑑』など古代中国の史料をもとに史実に沿った記事を執筆。

✅ 草の実堂の記事がデジタルボイスで聴けるようになりました!(随時更新中)

Youtube で聴く
Spotify で聴く
Amazon music で聴く
Audible で聴く

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

  1. デリバリープロバイダについて調べてみた 「Amazonの落とし穴…
  2. ヴォイニッチ手稿の解読に成功?!最新の動向をチェック!
  3. 幽霊は自分自身?脳の錯覚か 「人工的に幽霊を作り出す実験」
  4. 戦国時代の女性の生活について調べてみた
  5. 【日本の低賃金問題】 なぜ失われた20年になったのか? 「合理性…
  6. ディズニーのお話はどこの国の話か調べてみた 【白雪姫、シンデレラ…
  7. 源義経が逆落としをしたのは本当なのか
  8. 家畜の歴史 「犬、猫、馬、牛、豚~他」いつから飼われるようになっ…

カテゴリー

新着記事

おすすめ記事

【我が子の目の前で殺された】伊達政宗の父・輝宗の壮絶な最期

歴史には悲劇がつきものですが、伊達政宗の父・輝宗の最期はその中でも特に壮絶なものでした。なん…

スキャンダルのたびに巻き起こる「正義論」の危険性 ~正義は快感を生む?

道徳とはなぜ存在するのでしょうか。なぜ人間は「正義」や「不正を罰する感情」を持つようになったのでしょ…

【光る君へ】刀伊の入寇で受けた被害はどれほど?藤原実資『小右記』を読んでみた

NHK大河ドラマ「光る君へ」も、いよいよ最終回ですね。第46回放送「刀伊の入寇」では、異民族…

酒井忠次について調べてみた【信長からも称賛された徳川四天王筆頭】

四天王の筆頭酒井忠次(さかいただつぐ)は徳川家の譜代の家臣として、家康の父・松平広忠の時…

ドードー鳥絶滅の歴史 【伝説の飛べない鳥は再び世に現れるのか?】

飛べない鳥ドードー鳥といえば「不思議の国のアリス」などフィクション作品で有名な鳥ですが、現在は「…

アーカイブ

人気記事(日間)

人気記事(月間)

人気記事(全期間)

PAGE TOP