新石器時代の墓
1995年、西安の東約49キロにある小さな村で、考古学者がある発見をした。
この古墓から発掘されたのはなんと「7000年以上前に生きていた女性の遺体」であった。
この女性は、発見された村の名前をとって「零口姑娘」(「零口」=地名、姑娘=娘という意味)と呼ばれている。
この女性の年齢は死亡時に15~17歳であった事が分かったが、奇妙なことに遺骨と一緒に埋葬されていたのは一般的に考えられる埋葬品とは異なっていた。
一般的には故人の愛用品や高価な物品など身分を表す物が一緒に埋葬されていることが多い。ところが彼女の場合「包丁」「釘」など狩で使われそうな道具が一緒に埋葬されていたのである。
それらの大半が動物の骨で作られていた。
そしてこの埋葬品を詳しく調べてみるとある共通点があり、これらは「凶器」になりうる事がわかった。
そしてこの女性の遺骨から、なんとも奇妙なことが判明してきた。
それは非常に残酷で残忍な事実である。
女性の死因
この女性の体には大小様々な傷が残されていた。その傷の状態は深いものから浅いものまで様々であった。
35箇所の深い傷跡のうち、29箇所に鋭利な道具が使われた形跡があった。脊髄はひどく損傷しており、下半身の骨は体の内側へ食い込むような形に変形していたという。
そして肋骨には凶器で刺された傷がはっきりと残されていた。
骨からは数々の釘のような物が発見された。突き刺さったまま埋葬されたのである。
このような状態で死亡したことは、彼女が非常に残酷な虐待を受けたことを表している。
しかも、単独ではなく集団からの暴行を受けたことを物語っている。
そして彼女の身体から、更に奇妙な事実がわかった。
彼女の骨からDNAを採取して鑑定したところ、骨格は明らかにおよそ17歳の女性であるが、なんとDNAは男性の特徴を持っていたのだ。
つまり「両性を持った人物」だったのである。
医学が発達していなかった時代、体に何らかの障害があることは何かの「呪い」のような、超自然的な力が働いたのだと思われてしまったのだろう。
この女性は歴史上、最初の両性を持つ人物として発見されたのである。
両性を持つとは
原始の時代、女性の体でありながら子孫を残せないということは人としては致命的であった。
原始的な生活を送っていた私たちの先祖は、当時の常識で理解できない事が起こった場合、集団で困惑するしかなかったであろう。医学や科学の観点から物事を考えることはできず、最終的には「宗教」ということになる。
彼らが崇拝したのは魚やカエルであり、生命力や子孫繁栄などの意味があった。
この女性は子孫を残すべき年齢になっても子供を産めず、神に呪われているかのように忌み嫌われる存在であっただろう。当時の人々にとって両性は全く新しく奇妙なことだったはずである。
中世の魔女狩りにように「不吉な存在を消してしまおう。さもなくば災いが降りかかる」と考えられてしまったに違いない。
そして無惨にも恐るべき暴行を受け、死に至ったとみられる。
原始時代の概念
現代の私たちは、出土品から憶測することしかできない。
7000年前の文明や道徳観について、私たちが正確に知るすべはない。
ただ、原始的な生活の中で「生殖」が崇拝され、非常に尊いものと考えられていたことが、この奇妙な遺体から伝わってくるのみである。
墓みたいなもん要りません。生前の生き方に意味があるのだ。墓なんぞ造った所で 誰も未来は守りなんかしません。
この事を知り、現代の私達は人権の尊さをまた学ぶのだ。
此の考古学者は、科捜研じゃ無いですか?