飲食

みかんの白いすじ について調べてみた

みかんの白いすじ

はじめに

あなたは、みかんを食べるとき、「白いすじ」を取る派? 取らない派?

私の友人に、それはそれは丁寧に、というか、ただならぬ熱心さで取る者がいます。

ドラゴンボール!と見紛うばかりの仕上がり。一方、私はまったく取りません。

そんなにいじくりまわしていたら、みかんが温まるじゃないか。

(みかんは温めた方が甘くなるという説もある…)

そして、白いすじを取らずに食べる私を、怠け者だの変わっている者扱いした友人よ。

君のためにみかんの白いすじのことを調べたからね。とくとご覧あれ!

まずはみかんについてのお勉強

俗に(冬)みかんと呼ばれている『温州みかん』。

鏡餅の上や、こたつの友達として日本人にはおなじみですね。

江戸時代を描いた時代劇にも登場しているので、相当おつきあいは古そうです。

まず『温州みかん』は日本で生まれました。

今からおよそ400年前の鹿児島で、中国から伝わっていた柑橘類のタネから突然できたものだそう。

偶然とはいえ、よくこんなに美味しいものができましたよね。

そして、その偶然できたものを現在まで作り続けてくれている生産者の方々の努力には頭が下がります。

みかんに含まれる栄養素で代表的なものといえば、ビタミンCやβカロテン、食物繊維。それらを含んだみかんを食べると、美肌効果や便秘の改善、さらには高血圧やガン予防まで効果が期待できるといいます。手軽に食べられるスーパーフードといっても過言ではありません。

 

みかんの白いすじの正体

いよいよ、あの「白いすじ」の登場。

すじさんの正式なお名前は「アルベド」といいます。洋風なRPGの登場人物にいそうな名前です。

「白さ」を意味するラテン語が由来だそうで、名は体を表すと言えそうです。

このアルベド、調べれば調べるほどすごい実力者でした。

栄養素を果肉より含んでいるのです。

ビタミンCや食物繊維はもちろん、ペクチンに至ってはアルベドつきの袋ごと食べた場合の摂取量4が倍にもなるというのです。

さらに、最近注目されている「へスぺリジン」という成分があります。

これは別名「ビタミンP」とも呼ばれていますが、毛細血管を強化する作用があり血流が改善されて冷え性などにも効果があるとか。

しかもアルベドには果肉の300倍ものへスぺリジンが含まれているのです。

さらに、このへスぺリジンに糖を加えた「糖転移へスぺリジン」には、血中中性脂肪の低下、血中コレステロールの改善、抗アレルギー作用など、いくつもの効果が見つかっていて広い分野で活用が期待されているのです。

美容と健康の宝庫です。

 

 

皮もすごかった

最後は、『みかんの皮』の登場。

漢方薬の世界では、昔からみかんの皮は『陳皮』として重宝されています。

陳皮には、咳や淡を抑えたり血行を良くしたり、美肌効果やリラックス効果があります。

身近なところでは七味唐辛子の中にも入っています。

香りもいいので、ぬか漬けなどの隠し調味料として使う人もいます。

干した皮をお風呂に入れれば、体温上昇、湯冷めして風邪をひくこともなくなります。

このすぐれもののみかんの皮には、リモネン、ペクチン、クエン酸、そして、「天然の油」が含まれていて、除菌や消臭の効果があるのでお掃除にも大活躍します。

とくにアルカリ性の汚れに強いので、シンクやガス台の汚れや家電についた手垢汚れ、電子レンジの中、さらには油性ペン(表面が平らな所に書かれたもの)まで落ちます。

黄色い皮の方でこすりましょう。

掃除した後も、ほのかにみかんの香りがして一石二鳥です。

干して良し、そのまま道具にして良し、マーマレードなどで食べて良し、みかんの皮も捨てないでとことん使ってみませんか。

 

ところで、どのような使い方にせよ、皮についているワックスや農薬が気になる人もいるかもしれません。

みかんの皮の農薬は防腐や殺菌のためのものです。、

万が一口に入っても安全とされていますが、お料理などに使う場合は

①お湯で洗う

②塩でこすって洗う

③ほんの短い時間ゆでる

などで簡単に落ちます。

まとめ

みかんの果肉、アルベド、皮と、順番にそのすごさを調べてきましたが、みかんにまつわる伝説についても触れましょう。

子どもの頃に「みかんを食べすぎると手が黄色くなるよ」と親に言われませんでしたか?

あれは「食べすぎるとお腹を壊すよ」くらいの意味だと思っていたのですが、本当にあるのです、「柑皮症」という病気。

みかんの食べ過ぎで肝臓が処理しきれなかったβカロテンが血中に溶け出すことにより、手のひら、足の裏、鼻の頭などが黄色くなる症状のことで、病名はあるものの体に害はないそう。

むしろ、そこまで食べたらカロリーや糖分の摂りすぎの方が心配です。

 

最後に美味しいみかんの見分け方をお伝えします。

美味しいみかんとは、ヘタの切り口が小さく、果皮の色が濃くてツブツブがはっきりしていて、持った時に重いものだそうです。

これからのみかんの購入の参考にどうぞ。

そして、かならず『アルベド』を食べましょう。

それほどまでにすごい栄養素の持ち主なのです。

 

ちなみに、ヘタの方からむくと栄養素の固まりの大事なアルベドが取れやすいので、ご注意を。

 


産地直送 和歌山 【訳あり】みかん 10kg(傷あり、サイズ不揃い、ご自宅用)

kechako

投稿者の記事一覧

時代劇と園芸と保存食作りを愛するご隠居様予備軍のkechakoです。
最後の晩餐は「梅干しおにぎり」と決めております。

✅ 草の実堂の記事がデジタルボイスで聴けるようになりました!(随時更新中)

Youtube で聴く
Spotify で聴く
Amazon music で聴く
Audible で聴く

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

  1. 新宿中村屋のインドカリー はなぜ有名になったのか?
  2. 飯テロドラマ「テレビ東京・BSテレ東の深夜」をひもとく
  3. お酢の歴史と効果 【紀元前5000年から作られていた世界最古の調…
  4. コレステロールをやっつける!フィトステロールの底力 「見逃されて…
  5. マヨネーズは昔「1700円の高級品」だった 【日本では大正時代に…
  6. ビタミンC の効能について調べてみた
  7. 山手線、駅の朝ごはんおすすめ10選
  8. 吉野家の歴史について調べてみた【牛丼】

カテゴリー

新着記事

おすすめ記事

不気味な『目玉』の怪物たち 〜目に宿る神話と妖怪伝承

「目」は人間にとって欠かせない重要な器官である。視覚を失えば、周囲の状況を把握するこ…

松山刑務所の大井造船作業場に行ってきた①【塀のない刑務所】

私は過去、初犯刑務所である愛媛県の松山刑務所の大井造船作業場に務めました。広大な造船場の中に…

日露戦争を勝利へと導いたドイツ人とは? メッケルと児玉源太郎が紡いだ師弟の絆

遠い異国からもたらされる波が、歴史の針路を大きく変えることがあります。19世紀末から20世紀…

こらっ、サボるな!鎌倉時代、御家人たちの怠慢に頭を抱えた幕府当局の記録【吾妻鏡】

鎌倉を代表する神社と言えば、鶴岡八幡宮で文句ないでしょう。鶴岡八幡宮の最も大切な祭礼である例…

実在した? 最強と謳われた忍者・5代目風魔小太郎の伝説

5代目 風魔小太郎とは風魔小太郎(ふうまこたろう)とは、戦国最強と言われた忍者集団「風魔…

アーカイブ

人気記事(日間)

人気記事(週間)

人気記事(月間)

人気記事(全期間)

PAGE TOP