中国の食文化
中国人は非常に「食」を大切にする。
挨拶がわりに「吃飯了嗎?(ご飯食べた?)」「吃飽了沒?(お腹いっぱいですか?)」などと尋ねるのである。
日本語でいうところの「元気?」といったニュアンスだ。
中国人は新しい友人ができると必ず一緒に食事をする。そして招待する人が奢る。
レストランでは大きな円卓に乗り切らないほどの数の食事を用意する。
これがいわゆる中国の「おもてなし」精神であり、客人が食べきれず残すのを見て、客人のお腹を満腹にさせたという満足感を得る。日本では残さず食べることが礼儀であるが、中国では少し違うようだ。
食材も様々で、なかなかグロテスクなものを食べる。日本人からするとゲテモノ料理である。
それを中国人に言うと「日本人も刺身や生肉を食べるではないか。タコやナマコやゲテモノも食べる。」と反論してくる。それは確かにそうである。
筆者が中国に在住していた時に驚いた食べ物は、「ウサギ」「カエル」「コウロギ」「セミ」である。
ウサギは鶏の丸焼きのようにして沢山ぶら下がっているし、カエルは(大きなトノサマガエル)スーパーの魚コーナーで生きたまま売られている。セミは一般市民の貴重なタンパク源で、夏になると公園などで成虫になる前のセミをとってきて、油で揚げて食べる。
中国人の食生活をわかりやすく表現した言葉がある。
「中國人吃的東西都是四條腿的,除了桌子和椅子,什麼都會飛,除了飛機。」
中国人は四つ足のものならなんでも食べる、机と椅子以外、飛ぶものもなんでも食べる、飛行機以外。
今回は、ウサギやカエル以上に驚く中国の美食について解説する。
牛糞鍋
牛肉になる寸前の牛に新鮮で良質な薬草を食べさせる。そして牛を処分した後、小腸の中からまだ完全に消化されていない、いわゆる「糞」を取り出す。
水分を絞り出したあと、牛の胆汁を加え、鍋に入れる。煮詰まったら完成だ。
味は薬草のような苦さがあり、匂いは腐敗した牛糞の味が「有一點(ほんの少し)」するらしい。
胃の消化を助けるなどの効能がある。
小鼠の踊り食い
生まれたばかりの小鼠を、調味料につけてそのままツルッと食べる。
この料理の名前は「三吱兒」という。「吱」は「ジー」という鳥の鳴き声を表す時に使う。
つまり3回鳴くという意味である。
箸でつままれて「1ジー」タレにつけられて「2ジー」口に放り込まれて「3ジー」である。
毛が生えていない状態のものから、なんと毛が生えた状態のものまで食卓に上っている。
その他にも、生まれたての小鼠を酒につけて飲むという地域もあるようだ。
毛雞蛋
孵化途中の段階で、室温の関係や湿気、細菌の感染の影響を受けて発育が止まったヒヨコを食べる。
つまり、卵の中で死んでしまったヒヨコである。
容易に想像できるように、卵の中は大腸菌やブドウ球菌や寄生虫でいっぱいだ。蒸したり、油で揚げたり、煮たりする。
万が一、加熱が不十分であれば、下痢や嘔吐を引き起こす。
このリスクを追ってまで食べる利点は謎であるが、子供には刺激が強すぎる上に発育に良くないとされ、食べさせるのは控えているようである。
猿の脳みそ (猿脳)
猿脳は、中国の高級珍味とされており、もっとも残酷な料理かもしれない。
猿の大量に酒を飲ませて(または直接脳みそにかけて)その頭をくり抜いて調味料につけて食べる。
しかも猿は生きたままである。
机の上に穴が空いており、そこから猿が頭を出す。細かい過程はあまりに残酷なため、ここでは省略する。
とても美味しく栄養が豊富であるとされているが、エボラ出血熱やHIVおよびCJDに感染する危険性も指摘されている。
現在では、言うまでもなくすでに禁止されている料理である。
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