「天使と悪魔」というと黙示録や聖書に多く登場する。「天使・悪魔」には謎が多い。
天使・悪魔はいつ現れるのか?天使・悪魔とは何者か?天使と悪魔はなぜ戦うのか?
「悪魔憑き」(エクソシスト)も実在する。という事は・・実在する訳である。天国に天使・地獄に悪魔・・それは一体どこにあり存在するのか。
そんな謎に迫ってみた!!
目次
キリスト教の代表する天使達とその役割
大天使ミカエルとは?
「悪魔を退治する大天使ミカエル」1518年:ラファエロ作」
別名「太陽の天使」と言われている。ミカエルは聖書とそれ以外の伝説において、最も偉大な天使であり、一般的には天の大軍の指揮官である。
ミカエルは、双子のルシファー(サタン)と戦い、これを滅ぼす役割を担うという伝承がある。
これは「新約聖書」の「ヨハネの黙示録」に描かれている、巨大な赤竜とミカエルの戦いにも見てとれる。
このような壮大な伝承に彩られたミカエルは、現代の隠秘学でも重要な位置を与えられ南の方角を治めると言われている。
大天使ガブリエルとは?
「受胎告知に描かれたガブリエル 15世紀:マソリーノ作」
前項のミカエルと並ぶ大天使と並ぶ一人である。「神こそがわが力」という意味である。
ガブリエルは「旧約聖書」以前の伝承では、死と審判を司り「正義と真理」を表す剣を持つ天使である。
また預言者モーゼの遺体を搬送したのもガブリエルであり、地上に降りた天使が人間と交わり生まれた(ネフィリム)を根絶やしにする役目を負うという、厳しいイメージが伝わってくる。
しかし時代が下り「新約聖書」の中では「神のメッセンジャー」として使命を担う事が多い。例えば「ルカによる福音書」では、聖母マリアにイエス・キリストを身ごもった事を告げている。宗教画も多くガブリエルは、まるで「女性の様にたおやかであり、美しい衣装で優雅」に描かれている。隠秘学では「水の大天使」であり「月の天使」としても有名である。
大天使ラファエルとは?
「トビアの旅に付き添うラファエル」1490年:フランチェスコ作」
キリスト教では、前述「ミカエル・ガブリエル」と共に「三大天使」と称されるラファエルだが、「聖書正典」には、その名は出てこない。
ラファエルという名は「神は癒された」という意味をもつ。その名が始めて記されたのは「旧約聖書」続編「トビト記」である。
ラファエルは人間の魂を守り、治療をもたらす天使で認識されてきたのである。
ユダヤ教のカバラでも、ラファエルは大地を癒し、人が住める様な場所にした天使だとされている。またアブラハムが割礼を行った時に訪れ痛みに耐えられる様にしたり、洪水を生き延びたノアに「医学書」を手渡したのもラファエルだという。
ラファエルは、神が人類を想像する以前から、こよなく人間を愛していたのである。
隠秘学では、ラファエルは風の大天使であり、東の方向を司ると定義されている。
悪魔の七大勢力とその役割
「赤い龍と海から来た獣 1805年:ウィリアム・ブレイク作」
赤い龍~悪魔のリーダーとは?
「最期の審判」「世紀末」獣の数字666といった善と悪の最終戦争を描写したのが「新約聖書」の「ヨハネの黙示録」である。
その12章に記述が残る「赤い龍」これがリーダーである。大天使ミカエルが率いる天使の軍団と、天上で激しい死闘を繰り広げるものの、最後は敗れ地上に投げ落とされてしまう。
その後も神を信じる者たちに戦いに挑み、人々を支配するのである。ドラゴンは伝統的に邪悪さを象徴する伝説上の生き物である。「ヨハネの黙示録」に描写された、荒れ狂う深紅の巨竜というイメージがあまりにも悪魔的だったためか「レッド・ドラゴン」という表現は、悪魔的なものを示すために使われる様になった。
例えばサイコ・ホラー映画「ハンニバル」シリーズ「レッド・ドラゴン」など、一役かっている。
ルシファーとは?
「失楽園」の中でサタンと化したルシファー 1805年:ウィリアム・ブレイク作
ミカエルと兄弟であり、最高位についていたルシファーは「自分の力・美しさ・知恵」に思い上がり創造主にとって代わろうとする。結果的には敗北、地獄に投げ落とされた。
この時、天の軍勢の3分の1がルシファーに従った罪により、共に堕天使になったという。
しかし意外な事に聖書には、この様な話は全くのっていない。
「旧約聖書」の「イザヤ書」に「黎明の子、明けの明星(ルシファー)よ。あなたは天から落ちてしまった」という一文があるだけである。
実は、初期キリスト教神学の基盤をつくった教父たちは「神が全能であるならば、なぜ悪がこの世にあるのか?」という矛盾の解決策を求めていた。そこでこの一節を利用して「神に反逆した天使が、没落して悪魔になった」という説を固めたのである。ルシファーは文字とおり「光をもたらすもの」である。
リリスとは?
(1868年:ダンテ・ゲイブルリエル作:レディ・リリス)
ユダヤの伝承では、子供や母親を襲う女の悪魔であり、サタン・ルシファーの花嫁とされるリリス。その背景は少々複雑だ。
「旧約聖書」の「創世記」の第一章には、「神は男と女とに創造された」と記されているのに、続く第二章では、アダムはいきなり独身に戻り彼のあばら骨からイヴが創造されている。
「なら第一章で神が創造した女は?」というユダヤ律法学者の間で論争されたのである。
その空白を埋める伝説の一つが、メソポタミア神話での吸血鬼のような女の悪霊「リリ」だという。このリリがリリスになり、アダムの最初の妻になったのだ。
リリスはアダムとの間に毎日100人ずつの子供を産んだが、段々わがままになり、アダムに追い出されてしまう。そして自分の後釜になったイヴを憎むあまり子供を襲う悪鬼になったという。
リリスについての記述・伝説は様々であるが、その後ルシファーやサタンの妻になり子供を産む。
彼女が産んだ悪魔は、特別に「リリン」という種族名で呼ばれている。
エクソシズム(悪魔祓い)の真実
映画「エクソシスト」より
顔面が引きつり、身体がねじ曲がる!?
今日では「ヒステリー性癲癇」などの発作とされてしまうが、医学では証明できない現象が起こるのである。
1688年、ボストンのグッドウィン家の4人の子供が「悪魔憑き」になった症状は
「彼らの舌が異常な程伸び、頬が外れるまで口を開き、時には麻痺状態で横たわり、首とかかとを縛りつけられたかの様になったと思うと、頭がほとんど一回転するほどまで、捻じ曲げられる事もあった」という。
信じられない「異物」を吐き出す!!
1566年、アルステルダムの孤児院30人が悪魔憑きになり、少年らは「釘・陶器片・ガラス片・髪毛」等を吐いた。
また1571年にルーヴェンでの少女は「潰瘍の様な汚水と共に大量の毛髪を吐き、鳩やガチョウの糞の様なもの・木片・大量の石」を吐いた事もあった。
野太い声や見知らぬ言葉を口にする。
動物の様な声をだし、女が野太い男性の声をだしたりは、ポヒュラーなものである。
超常現象の集合体(物体浮遊や人格淫乱化)現象も起こる。
未だにこの様な「悪魔憑き」は世界各国で起きている。悪魔は私達の「心の隙・弱さ」に目を付けて、常に背後にいるのである。
「悪魔祓い」を行う神父達も命がけで取り組むのである。悪魔は誰にでも取りつき、そして殺すからである。
まとめ
聖人達の天使体験・悪魔体験も信仰をいう極めて特殊な状況の中で、自身が心の中で作りだした存在を実態ある存在として確認した結果であると考えれば、納得できる所も多々ある(全てがそうではないが)・・そう考えると「心理投影説」というべき部分もあるのではないだろうか。
しかし「完全にいない」と」断言はできない。
「いるか・いないか」と論じる前に、常日頃の行いを戒め、自分に正しく生きていく事が大切な事なのかもしれない。
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