鉄道車両の重要性
鉄道を運行する際には言うまでもなく車両が必要となる。
今日の鉄道車両は快適性や安全性を十分に満たすように設計されており、旅客が利用する際に安心て利用できるようになっている。
当然ながら、これらが不十分な状態となっていれば、自己や遅延などが頻発し、鉄道インフラそのものが成り立たなくなっていただろう。その点においても、鉄道会社は新型車両には、走行実験結果などから綿密な計画を立てて製作を行っている。
スポンサーリンク
では、現在の新型車両は旧来の車両と比べて、どのような新しい特徴が付加されたのだろうか。ここでは、新型車両のトレンドなども含めて調べてみることにした。
鉄道車両の変遷
鉄道が日本に導入されたのは1872年(明治5年)秋のことだった。明治5年というと、江戸時代が終わってから10年も経っていなかった時期であり、近代化された日本を象徴する乗り物でもあった。当時の鉄道車両には、もちろん電車などは無く、蒸気機関車に牽引された客車のみであった。
当時の客車は殆どがイギリスから輸入されたものであった。車両は木で作られており、台車の部分は鉄製であった。しかし、大きさは全長5~6m程度の小型のもので、車両に乗れる定員もわずか30人程度であった。
その後、鉄道インフラの普及とともに車両も大型化し、より多くの旅客を輸送することが可能になった。その頃になると、車両も木製から鋼鉄製に代わり、定員だけでなく安全性も向上することになった。戦後に入り、ディーゼルエンジンの改良が進むと、鉄道車両は気動車が増えるようになってきた。車体は鋼鉄製が主流であり、ディーゼルエンジンを搭載してより高速での運転が可能となった。
また、同時期には長距離区間を中心に電車の運用も始まった。電車は客車や気動車よりも速達性や輸送力が高かったため、瞬く間に全国へと広がっていった。また、新幹線や在来線特急列車のような動力分散方式の電車も現れ、現在でも大都市圏を中心に高速の電車が運行されている。
最近の新型車両の特徴
では、最近の車両の特徴はどのようなトレンドがあるのだろうか。
①車両寿命の短縮
鉄道車両には寿命がある。
税法上の減価償却期間は13年とされているが、従来の車両は車両寿命が20から30年程度に設定されているケースが多かった。しかし、技術革新が急激に進むと、大幅なリニューアル工事をしない限り技術についていけない車両が出てきてしまうこともある。特に鉄道が高速化すればダイヤにも支障をきたし、新型車両の高速運転昨日を充分に使えないなどの障害が出る恐れがある。
そこで、新型の車両は寿命を減価償却期間に合わせるような設計を行い、急激な技術革新があった場合でも速やかに車両の置き換えを可能としている。また、廃車にした場合でも容易にリサイクルが可能なように、車両を従来の鋼鉄製からアルミ製などにするなどの工夫も多くみられる。
②省エネルギー化
従来の電車は、旅客の大量輸送のため大きく電力を消費する傾向があった。
新型車両ではモーターの電気抵抗を減らしたり、LED照明を用いるなどの省エネルギーが図られている。省エネルギーはコストの削減のほか、温室効果ガスの削減にもつながり環境にも優しい。
例えば、東京メトロ千代田線で運転している16000系のマイナーチェンジ車両は、エネルギーのロスを大幅に削減し、従来の同形式に比べ1日平均130kW分の消費電力を削減している。これは1日の一般家庭13世帯分の相当する省エネルギーとなる。
③安全性の向上
鉄道車両がいくらコスト削減や省エネルギーを図っていても、安全性を犠牲にしては意味がない。
新型車両においては、安全性は犠牲にされるどころか、逆に強化されてきている。ブレーキなどの安全装置は2重の仕組みになっており、どちらかが故障してしまってももう一つが稼働し、安全を図ることが徹底されている。
また、山手線の最新車両であるE235系では、車体強度が向上されたほか、車内と車外の情報ネットワーク構築を強化し、車両や機器に異常が出る予兆をコンピューターで把握し事前に対処することも可能となった。
試運転中のE235系
これによって、事故を防ぐだけでなく故障にも強くなり、安全性と利便性の双方を向上させることとなった。
④乗り心地の改善
新型車両の開発では乗り心地についても改善されている。
一般的な通勤電車でもラッシュの時間帯は所要時間がかかり、長時間座る際の座り心地が悪いと仕事前に体が疲れてしまうといったこともある。新型の車両では、このような点も改善され人間工学に基づいた座り心地のよい設計がなされている。
例えば、東急田園都市線の新5000系車両では、シートの背もたれを高くしたハイバック・シートを導入し座り心地を向上させている。
また、一部の席では関東初となるヘッドレストを設置し長時間座っても首が疲れないような工夫がなされている。
鉄道車両は時代のニーズに合わせて、安全面や快適性など様々な工夫がなされている。また、新型車両には最新技術や省エネルギーなども導入され、人や環境に優しい設計がなされている。
この記事へのコメントはありません。